マッチングアプリで詐欺被害にあった!典型的なケースと相談先を解説

マッチングアプリで詐欺被害にあった!典型的なケースと相談先を解説

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

結婚相手や恋人探しを目的とした「マッチングアプリ」の利用者が増加しているなか、アプリを利用することでトラブルに巻き込まれたという事例も増えています。

アプリを利用している男女のなかには、出会いを目的としているのではなく、ネットビジネスや宗教への勧誘、金銭の要求などを目的としている人も多数います。また、アプリを通じて出会った相手により詐欺被害を受けた、という事例も多発するようになっているのです。

この記事では、マッチングアプリを通じて出会った異性による詐欺被害の典型例や被害にあったときの相談先を解説します。

1. マッチングアプリを通じた詐欺被害の典型例

マッチングアプリとは、結婚相手や恋人を探すための出会いを提供するサービスです。しかし、過去に出会い系サイトを通じたさまざまな被害が頻発していたように、最近では詐欺のターゲット探しの場はマッチングアプリへと移行しているのです。

(1)結婚をもちかけて金銭を要求する

相手に「自分と結婚するかもしれない」と期待させて、結婚式の費用や新生活への資金などの名目で金銭をだまし取る行為を「結婚詐欺」といいます。結婚詐欺は、結婚相談所やお見合いパーティーなどだけでなく、最近ではマッチングアプリでも行われるようになっているのです。

結婚詐欺では、ある程度の交際をかさねて信用を得たあとから金銭を要求されることが多いため、詐欺被害に巻き込まれていることに気づくのが遅れてしまいがちです。

「結婚するためには前妻への慰謝料を支払わないといけない」「実家の事業が破綻しそうなので結婚できない」など、結婚するためにはお金が必要であるストーリーを仕立て上げて金銭を要求する、という手口が一般的です。

(2)投資をもちかけて金銭を要求する

相手の男女が財力に余裕がある様子を見せて、投資話をもちかけてくる被害も存在します。交際やメッセージのやり取りをかさねて信頼を得たあとに、未公開株・投資ファンド・仮想通貨などの投資を打診してくるという手口です。

このような詐欺では、相手は「必ず値上がりする株がある」「お金を預けてくれたら毎月○%の配当金が得られる」などと言って、資金を名目にしてお金を集めますが、実際には配当や利益が得られないのです。

(3)副業やビジネスをもちかけて金銭を要求する

「誰でも簡単に月収○万円」「スマホだけで稼げる」などの副業やビジネスを材料に、金銭を要求される被害も多発しています。

このような事例では高額な情報商材を購入させられますが、誰でも簡単に大金が手に入るようなビジネスモデルは、まず存在しません。ビジネスに参加するつもりが、実は自分が他人のビジネスのエサにされているという、典型例です。

2. 詐欺の被害にあったときの相談先は?

マッチングアプリを通じた詐欺被害は、加害者の特定が困難であり個人での返金請求も難しいという特徴があります。解決するためにはトラブル解決の実績をもつ専門家のサポートが欠かません。

(1)加害者の特定が難しい理由

マッチングアプリのなかには、本人確認が徹底されていないものが多数あります。たとえ本人確認が徹底されていても、個人からの問い合わせに運営者が回答してくれることはまずありません。

本人確認が徹底されないまま利用できるマッチングアプリの利用者を特定するには、裁判所への発信者情報開示請求の申し立てが必要です。

しかも、発信者情報開示請求によって加害者を特定するには、接続時のIPのアドレスやログといった情報が保管されているわずか数カ月の間に手続きをすすめなくてはならないのです。裁判の手続きは時間や手間が非常にかかるため、個人で対応することは困難です。

(2)消費生活センターへの相談

マッチングアプリをはじめとしたインターネットサービスの利用に関するトラブルについては、国民生活センターを中心とした各地の消費生活センターで相談することが可能です。

被害回復に向けた対策についての一般的なアドバイスが受けられるほか、投資や情報商材の購入などで浪費してしまった金銭については裁判外紛争解決手続(ADR)による解決のサポートも期待することができます。

(3)弁護士への相談

結婚資金や投資などを名目に、個人にお金をだまし取られてしまったケースでは、消費生活センターのサポートでも解決することが困難です。詐欺師を相手に返金交渉や裁判手続きを進める必要があるため、弁護士に依頼して対処することが最善でしょう。

弁護士に相談すれば、発信者情報開示請求による加害者の特定、代理人としての返金交渉、裁判手続きの代行などが可能になります。また、詐欺被害が刑事事件にあたる場合は、警察に告訴することも必要になります。

詐欺の被害にあっていることに気がついたら、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士JP編集部
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法的トラブルの解決につながるオリジナル記事を、弁護士監修のもとで発信している編集部です。法律の観点から様々なジャンルのお悩みをサポートしていきます。

  • こちらに掲載されている情報は、2021年11月12日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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