飲食店での食事で食中毒に! 店から賠償金をもらうことはできる?
外食をした後に食中毒を発症したら、飲食店に対して損害賠償(補償)を請求できる可能性があります。損害賠償請求を行う際には、弁護士のサポートを受けましょう。
本コラムでは、外食後の食中毒について、飲食店に損害賠償を請求する際の基礎知識を解説します。
1. 外食後に食中毒|飲食店に賠償金を請求できる?
外食後に食中毒を発症したら、PL法上の製造物責任に基づき、飲食店に対して損害賠償を請求できる可能性があります。
(1)飲食店に賠償金を請求するために必要なこと|PL法上の製造物責任
食中毒に関する飲食店の損害賠償責任は、「PL法(製造物責任法)」という法律に基づいて発生します。
以下の要件をすべて満たす場合には、飲食店はPL法に基づく製造物責任を負い、食中毒の被害者に生じた損害を賠償しなければなりません(PL法第3条)。
- 食品の製造、加工または輸入をしたこと
- 食品に欠陥があったこと
- 2. の欠陥により、食中毒が引き起こされた
飲食店で加工(調理)された飲食物によって食中毒が引き起こされたことを証明できれば、飲食店に対して損害賠償を請求可能です。
医師の診察を受け、食中毒の原因が飲食店での食事であることを証明しうる診断書を発行してもらいましょう。
(2)飲食店に賠償を請求できる損害の例
飲食店での食事が原因で食中毒を発症した患者は、飲食店に対してさまざまな項目の損害賠償を請求できます。
食中毒について、患者が賠償を請求できる損害としては、以下の例が挙げられます。
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治療費
食中毒の診察や治療などに要した費用のうち、自己負担額の損害賠償を請求できます。
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通院交通費
食中毒の診察や治療を受けるために通院した際、かかった交通費の損害賠償を請求できます。
公共交通機関であれば実費相当額、自家用車であれば移動距離に応じて計算した額が損害賠償の対象です。タクシー料金については、利用の必要性が認められた場合に限り損害賠償の対象となります。
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通院慰謝料
食中毒の診察や治療のため、通院を強いられたことによる精神的損害の賠償を請求できます。
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休業損害
食中毒の診察や治療のために仕事を休まざるを得なかったときは、休業によって得られなかった収入相当額の損害賠償を請求できます。
有給休暇を取得して仕事を休んだ場合も、休業日に対応する給与が損害賠償の対象となります。
2. 食中毒について、飲食店に損害賠償を請求する際にとるべき対応
外食後に発症した食中毒について、飲食店に損害賠償を請求するにあたっては、以下の対応を適切に行いましょう。
- 飲食店で食事をしたことの証拠を保存する
- 食中毒の発症後、直ちに医師の診察を受ける
- 損害の内容を漏れなくリストアップし、金額を積算する
(1)飲食店で食事をしたことの証拠を保存する
飲食店での食事が食中毒の原因であることを証明するには、まず飲食店で食事をした事実を証明しなければなりません。そのためには、以下のような証拠が必要になります。
- 飲食店を利用した日時が記載されたレシート、領収書
- 飲食店の予約時に利用したウェブサイト上の予約履歴
- 同席した友人などとやり取りしたメッセージ(利用した飲食店と利用日時が分かるもの)
など
レシート・領収書やウェブサイト上の予約履歴が残っていれば、飲食店で食事をしたことは比較的容易に立証できるでしょう。
これらの証拠がない場合は、その他の証拠が利用できないかを幅広く検討し、できる限りたくさん集めることが大切です。
(2)食中毒の発症後、直ちに医師の診察を受ける
食中毒は、さまざまな場面での食事によって引き起こされる可能性があります。
飲食店での食事後に食中毒を発症したとしても、発症直前に別の場所で食品を口にしていたらどうでしょうか?
飲食店での食事ではなく、その後に食べたものが食中毒の原因かもしれません。別の原因の疑いがあると、飲食店での食事により食中毒を発症したことの証明は失敗してしまいます。
特に、飲食店で食事をしてから、医師の診察を受けるまでに長い時間が経過していると、「その間に別のものを食べたのではないか」「飲食店での食事以外の原因で食中毒を発症したのではないか」と疑われる余地が広く生じてしまいます。
こうした事態を避けるためには、食中毒を発症した後、直ちに医師の診察を受けることが大切です。そうすれば、直前に飲食店でとった食事が原因で食中毒を発症した可能性が高いと診断してもらえるでしょう。
医師の診断を受けた際には、食中毒の原因を明記した診断書を発行してもらいましょう。飲食店に対して損害賠償請求を行う際に、診断書を証拠として用いることができます。
(3)損害の内容を漏れなくリストアップし、金額を積算する
食中毒に関して、飲食店から適正額の損害賠償を受けるためには、食中毒によって被った損害の内容を漏れなくリストアップすることが大切です。
前述のとおり、食中毒については治療費・通院交通費・通院慰謝料・休業損害など、さまざまな項目の損害賠償を請求できます。
幅広い観点から損害の有無や金額を検討し、それらを見逃さずにリストアップしましょう。そうすれば、トータルで請求できる損害賠償の額が増えます。
損害項目のリストアップにあたっては、弁護士のサポートを受けるのが安心です。法律の専門的知識と実務経験を生かして、どのような損害が発生しているのかを幅広く検討してもらえるので、損害の見落としを防げます。
3. 食中毒の被害に遭ったら弁護士に相談を
飲食店での外食後に食中毒を発症した方は、損害賠償請求について弁護士に相談することをおすすめします。
食中毒の損害賠償請求について、弁護士に相談することの主なメリットは以下のとおりです。
①見通しや手続きについて、分かりやすいアドバイスを受けられる
どのくらいの金額の損害賠償を請求できるのか、損害賠償を得るまでにどのくらいの期間がかかるのかなどについて、実情に即した分かりやすいアドバイスを受けることができます。
②法的根拠に基づいて損害賠償を請求できる
弁護士は、飲食店側の製造物責任や被害者に生じた損害を立証するため、法的根拠に基づく検討および主張を行います。その結果、損害賠償金の増額が期待できます。
③飲食店側との交渉や法的手続きの対応を一任できる
損害賠償請求にあたって必要となる飲食店側との交渉や法的手続き(訴訟など)は、弁護士に一任できます。弁護士に対応を一任すれば、時間・労力・精神的ストレスが大幅に軽減されます。
食中毒について適正額の損害賠償を得るためには、早期に弁護士へ相談することが大切です。相談が早ければ早いほど、スムーズに損害賠償を受けられる可能性が高まります。
- こちらに掲載されている情報は、2024年08月12日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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