仮想通貨詐欺の手口とは|被害に遭った場合の対処法と相談先

仮想通貨詐欺の手口とは|被害に遭った場合の対処法と相談先

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

仮想通貨(暗号通貨)の手口はさまざまなものがあり、仮想通貨の詐欺トラブルの発生件数は少なくありません。こうした被害を事前に防ぐためには、実際にどのような種類の手口があるかを知っておくことが大切です。

本記事では、代表的な手口、あわせて、万が一詐欺に遭ってしまった場合に集めるべき情報や、相談窓口についても紹介します。

1. 仮想通貨詐欺の手口は?

仮想通貨に関わる何らかの詐欺を総称して「仮想通貨詐欺」と呼びます。比較的新しい仮想通貨の世界では、法律やルールが十分に整っているとは言えず、詐欺の温床になっていることは否定できません。またその手口も多様なため、「まさか自分が詐欺に遭うはずがない」と思っている人ほど注意が必要です。

では、実際に仮想通貨詐欺にはどのような手口があるのでしょうか。以下、よくある手口を6つ紹介します。

(1)「ポンジ・スキーム」を利用した手口

ポンジ・スキームとは、仮想通貨の運用益を配当金として支払うと偽って、出資を募るタイプの詐欺です。ポンジ・スキームでは、実際に仮想通貨の運用は行われていません。他の人から新しく集めた出資金の一部を配当金として支払っているだけで、残りは詐欺師が手にします。

ポンジ・スキームは仕組み上、最終的に配当金が支払えなくなり破綻するのが一般的です。詐欺師はそれを承知で出資金を盗み取り、捕まる前に逃亡をはかります。

(2)偽の取引所や仮想通貨アプリに誘導する手口

メールやSNSを使って、実際には存在しない取引所や仮想通貨アプリへ誘導し、個人情報を入力させたり、仮想通貨やお金を振り込ませたりして、詐欺をはたらくタイプです。

こうした偽の取引所のサイトやアプリは、実在するページと似せて作られていることも多いため、サイトのURLなどをよく確認し、見覚えのないメッセージに記載されているリンクにはアクセスしないことが大切です。

(3)セミナーでの勧誘による手口

セミナーを開き、仮想通貨に関するビジネスへの出資を募るタイプです。セミナーでは「絶対にもうかる」「元金は保証される」など、仮想通貨の知識がない相手を甘い言葉で勧誘します。最初は、実際にもうかったように見える場合もありますが、しばらくすると出金できなくなり、元金も返金されないことがほとんどです。

(4)マッチングアプリを悪用する手口

マッチングアプリで出会った相手に対し、偽の取引所で仮想通貨を購入させるなどの詐欺も多く発生しています。このタイプでは、購入した仮想通貨の価格が上昇しているように見えるものの、実際には出金できないというケースもあります。

このタイプでも、前述したセミナーによる手口と同様に、「絶対にもうかる」といった甘い勧誘が行われるのが一般的です。

(5)有名人の偽アカウント・乗っ取ったアカウントを利用する手口

マッチングアプリやSNSを悪用する手口には、有名人のSNSを乗っ取ったり、偽のアカウントを作ったりして、詐欺をはたらくタイプも見られます。「あの有名人が言うのであれば」と信用し、その通りに投資をして、被害に遭うというケースも少なくありません。

(6)ICOを利用した手口

ICO(Initial Coin Offering/イニシャル・コイン・オファリング)とは、企業が新規事業を行う際、市場未公開の独自の仮想通貨(トークン)を発行し、資金調達などを行う方法です。

市場公開後トークンの価格上昇を期待して購入する投資は違法ではありませんが、実際に新規事業などが行われず、出資後に運営元と連絡が取れなくなる詐欺も横行しています。

2. 返金請求を行う際に必要な情報

万が一仮想通貨詐欺に遭ってしまった場合、返金請求をするためには「相手に関わる情報」と「被害に関わる情報」を集めておくことが大切です。ここでは、どのようなものが必要になるのか、それぞれを具体的に解説します。

(1)相手に関わる情報

  • 相手の氏名、業者名、住所
  • 詐欺サイトの名前やURL
  • 相手の振込先口座

など

また、勧誘の際に使われたパンフレットや相手の名刺、契約書などがあれば、それらも返金請求を行う際に役立ちます。

(2)被害に関わる情報

  • 被害に遭った日時
  • 相手にだまし取られた金額
  • 振込先の口座
  • その他被害の詳細

さらに、これらの内容を証明できる以下のような具体的な資料を集めておくことも重要です。

  • 被害に関わる契約書や請求書
  • お金を振り込んだ事実が分かる通帳や振り込みの明細
  • 加害者とのやり取りについて把握できるメールやLINEのスクリーンショット

3. 仮想通貨詐欺に遭った場合の相談先

万が一、仮想通貨詐欺に遭ってしまった場合は、以下の公的な機関の窓口へ相談してください。

(1)【金融庁】金融サービス利用者相談室

0570-016811(IP電話の場合は03-5251-6811)
平日10時~17時

(2)【消費者庁】消費者ホットライン

188
※局番なし
※最寄りの消費生活センターなどを教えてくれる窓口です。
相談できる曜日・時間帯は相談窓口によって異なりますが、最寄りの相談窓口が開所していない場合には国民生活センターで相談の補完を行うため、年末年始を除き、原則毎日ご利用できます。

(3)警察相談専用窓口

#9110
平日8時30分~17時15分(各都道府県警察本部で異なります。)

ただし、これらの窓口では、被害者の話を聞き、今後どうするとよいかのアドバイスを行っているものの、実際の返金請求は対応してくれません。

仮想通貨詐欺に遭ってしまった場合、素人が返金請求を行うのは困難です。そのため、仮想通貨詐欺の被害に遭ってしまったら、なるべく早く、警察だけでなく弁護士などの専門家へ相談することをおすすめします。

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法的トラブルの解決につながるオリジナル記事を、弁護士監修のもとで発信している編集部です。法律の観点から様々なジャンルのお悩みをサポートしていきます。

  • こちらに掲載されている情報は、2023年08月18日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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