- (更新:2025年01月22日)
- 詐欺・消費者被害
結婚相談所で起こり得るトラブルとは? 解決方法や相談先も紹介
結婚相談所を利用したいと考えているものの、強引な勧誘や法外な追加費用・違約金などのトラブルに不安を感じ、入会をちゅうちょしてしまう方も少なくないようです。
本コラムでは、結婚相談所に多いトラブル、相談先や解決法について解説します。
1. 結婚相談所との間で起こり得るトラブル
結婚相談所とのトラブルでもっとも多いのは、金銭面に関するトラブルです。どのような場面で注意が必要なのか、あらかじめ把握しておきましょう。
(1)中途解約に関するトラブル
入会したものの、サービスに納得できない場合には中途解約できるケースが一般的です。しかし、中途解約を申し出た際に、高額な違約金の請求や入会金が返金されないなどのトラブルが多く発生しています。
(2)追加費用を請求される
事前に説明されていない追加費用を請求されるケースもよく耳にします。たとえば、お見合いの設定に別途費用が必要だったり、当初受けた説明よりも高額な成婚料の支払いを求められたりするトラブルも多く発生しているようです。
また国際結婚を紹介するサービスでは、渡航費や通訳費用の他にも、相手が日本語学校に通う費用と称して、次々に高額な支払いを求められるケースもあります。
(3)強引に契約させられた
強引な勧誘によるトラブルも後を絶ちません。たとえば、独身の子どもを持つ親の家を訪問して「必ず結婚できる」などと言い、一方的に契約を押し切られてしまうケースがこれに該当します。
他にも、自分に合う結婚相手が見つからず、さらに高額なコースをすすめられるケースも少なくないようです。
2. 結婚相談所とトラブルになった場合の対処法
トラブルが起こったときの対処法には「クーリングオフ」と「中途解約」の2つがあります。それぞれどのようなケースに有効なのか知っておきましょう。
(1)クーリングオフ
クーリングオフとは、契約を結んだあと一定期間内であれば、契約を撤回・解除できる制度です。クーリングオフの対象期間は、商品やサービスの販売形態によって異なります。結婚相談所が提供しているサービスは、長期継続的かつ高額な対価が必要なことから、特定商取引法第41条で定義されている「特定継続的役務提供」に該当します。
なお、特定商取引法で「特定継続的役務提供」に指定されているのは、結婚相談所を含めた7業種です。「特定継続的役務提供」のクーリングオフ対象期間は8日間と定められているため、契約書を受け取ってから8日間以内に契約の撤回や解除を申し出なければなりません。
ただし、契約書が交付されていないなど、結婚相談所側に落ち度がある場合には、8日間を超えてからクーリングオフすることも可能です。
(参考:「特定商取引法第4章第41条」(e-Gov法令検索))
(参考:「特定商取引に関する法律の解説 第4章 特定継続的役務提供」(消費者庁))
(2)中途解約
契約書が交付されてから、8日間を超えるなどの理由によりクーリングオフが認められなかった場合、中途解約する方法もあります。結婚相談所で中途解約を申し出た場合、退会時に違約金の支払いを求められるケースが大半です。
結婚相談所における違約金の上限は、特定商取引法により、サービスの提供前は3万円、提供開始後であれば2万円もしくは契約残額の20%のうち低い方の額と定められています。それ以上の額を提示されたとしても、契約者側に支払う義務は生じません。
(参考:「特定商取引に関する法律の解説 第4章 特定継続的役務提供」(消費者庁))
(3)主な相談先
万が一のトラブルに備え、主な相談先を知っておくことも大切です。消費者被害の未然防止や拡大防止をサポートしている「国民生活センター」のほか「適格消費者団体」や「弁護士」なども相談に応じてくれます。
①国民生活センター
国民生活センターは、国民生活全般の情報提供や調査研究を行う独立行政法人です。消費者紛争を解決へ導くためのサポートも担っているため、クーリングオフや中途解約に関する専門的なアドバイスを受けられます。
②適格消費者団体
適格消費者団体は、内閣総理大臣の認定を受けた法人です。消費者の利益を保護するため、法律に違反する契約や広告に対して、不当な行為をやめるよう事業者に請求できる権利を持ちます。契約内容とは違う費用の請求や、強引に契約を迫られて断れなかったケースでは、適格消費者団体が消費者に代わり、必要な措置を取ってくれることがあります。
さらに特別な認定を受けた特定適格消費者団体あれば、被害を回復するための返金訴訟を行うことも可能です。
注意点としては、適格消費者団体は“消費者全体の利益を守ること”が目的の団体であるため、必ずしも個別のトラブル解決に対応できるわけではありません。
適格消費者団体への相談が適切なケースは、事業者が不特定多数の消費者に対して不当な契約条項や違法な取引行為を行っている場合や、同様の被害が他の消費者にも発生する可能性が高く社会的な影響が大きい場合などです。
契約解除や個人的な返金請求などの個別トラブルや、法的判断や複雑な交渉が必要なケースについては、消費生活センターや弁護士への相談を検討しましょう。
③弁護士
クーリングオフや中途解約など、消費関係のトラブルについて法律に基づいた的確なアドバイスを受けられます。事業者にクーリングオフや中途契約を拒絶されてしまったり、法外な違約金を請求されたりするほか、訴訟に発展した場合にも法律の観点から解決に向けて手厚くサポートしてくれます。
3. 結婚相談所を利用する前の注意点
結婚相談所とのトラブルが起きたとき、どのように対策すればよいのかをあらかじめ知っておきましょう。契約や利用規約の内容について、契約時にきちんと確認しておくのも重要です。成婚料はいくらかかるのか、どのようなときに追加料金が発生するのか、疑問に感じたことは解消しておきましょう。また、個人情報をどう扱っているのか確認しておくと安心です。
一般的に、結婚相談所が発行する契約書には、クーリングオフや中途解約に関する事項が含まれています。もしトラブルが発生しても、スムーズに解決へ導けるよう、契約書はきちんと発行してもらいましょう。
優良な結婚相談所を探すためには、どのような団体・連盟に加入しているかのチェックと併せて、運営年数を確認することも大切です。トラブル回避のポイントを押さえたうえで比較検討し、安心して利用できる結婚相談所を選びましょう。
結婚相談所とのトラブルが発生した際は、弁護士が間に入ることでスムーズな解決が期待できます。クーリングオフや中途解約について悩んでいる方は、法律の専門家へ相談することも考えてみましょう。
- こちらに掲載されている情報は、2025年01月22日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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