息子や娘が逮捕されたという連絡をもらった際はどうすれば良い?
息子や娘が逮捕されたと連絡があった場合、親としては何ができるのか不安な気持ちでいっぱいになってしまうかもしれませんが、まずは落ち着いて対応していきましょう。
この記事では、子どもが逮捕されたときに親が実施すべきことや、少年事件の刑事手続きについて解説します。
1. 息子・娘が逮捕されたとき、家族ができること
未成年である自分の子どもが逮捕された際に、家族にできることは限られています。以下のような流れに沿って、迅速に弁護士へ相談してください。
(1)事実確認
まずは、息子・娘がなぜ逮捕されたのか、細かく事実確認を行いましょう。電話などで警察から逮捕の連絡が来たら、焦らずに「罪名」「被害者はいるのか」「事件が発生した時間・場所」などについて尋ねてください。詳しい状態を知ることで、自分自身がパニック状態に陥ることを避けられます。
ただし、事件の内容によっては、詳しい内容を答えてくれないこともありますので、その場合は、おおまかな罪名(万引き、痴漢、傷害、恐喝など)だけでも教えてもらえるように依頼しましょう。
(2)弁護士に相談・今後の流れを把握する
事実確認を行ったあとは、なるべく早く弁護士に相談しましょう。場合によっては、事実確認を依頼しても、警察が現在の状況について詳しく教えてくれないことがあります。そのようなケースでも、弁護士を通して逮捕内容について聴取できたり、取り調べでのアドバイスなどを受けたりすることが可能です。
ほかにも、弁護士に相談するメリットは以下のような例が挙げられます。
- 逮捕された旨を学校側に通知するかどうかの判断に意見ができ、通知する場合でも不利な処分を受けないように働きかけられる
- 被害者がいた場合、早めに示談交渉を始められる
- 早期釈放が実現し、早めに学校へ復帰できる可能性がある
これらのメリットを享受するためにも、迅速に弁護士へ相談する必要があります。
また、弁護士に相談することで刑事事件の手続きの流れや、これから親がサポートできる内容はどのようなことがあるのかについて尋ねられますので、精神的負担も和らぐでしょう。
2. 少年の刑事手続きの流れ
未成年である子どもが刑事事件を起こした場合、成人犯罪とは異なる流れで刑事手続きが進みます。なお、この「少年」というのは、20歳未満の者のことです。民法では成人年齢が18歳に引き下げられましたが、少年法の「少年」はあくまで20歳未満を指し、特に18歳または19歳の少年を「特定少年」と呼んでいます。
(1)家庭裁判所に送致され、少年審判が行われる
少年が逮捕された場合、まず家庭裁判所に送致された後、少年審判が行われ「保護処分」に値するかどうかを判断されます。
ちなみに、少年審判に検察官は入らず、内容も公開されない点が一般的な裁判とは大きく異なります。
(2)少年事件では勾留請求は行われない
勾留請求が行われないという点も一般的な裁判と異なります。
勾留請求とは、被疑者を勾留するように検察官が裁判官に求めることです。自由を長期間奪われるため、少年事件では実施しないことが決められていますが、そのかわり、少年鑑別所への収容は請求可能です。
(3)刑罰が必要と判断されると、逆送・起訴へ
少年審判の結果、被疑者に刑罰を与えなければならないと判断された場合は、 検察官に事件を送致(逆送)し、起訴されます。ただしこれは、重大犯罪など家庭裁判所が刑事処分を相当と認めるときに限られ、子どもが起こした事件内容によって、今後の手続きは変わります。
その後、懲役または禁錮刑が言い渡された子どもは、少年刑務所に収監されます。なお、以下のように刑事処分内容も、少年に配慮した基準となっています。
- 18歳未満のときに死刑相当の事件を起こした場合、無期刑が科せられる
- 18歳未満のときに無期刑相当の事件を起こした場合、10年以上20年以下の懲役または禁錮を科すことが可能
3. 息子・娘が逮捕されたと連絡が来たら
息子や娘が逮捕された際、最も効果的な対策は弁護士に相談することです。なるべく早く弁護士に相談することで、日常に戻れる日が近づく可能性が高まります。
弁護士との接見を通して、子どもの状況を細かく把握することも大切ですので、息子・娘が逮捕されたと連絡を受けた場合は、まずは弁護士へ相談しましょう。
- こちらに掲載されている情報は、2023年07月28日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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