「おはよう逮捕」とは? 前兆はある? 逮捕を回避するには
逮捕の方法にはいろいろありますが、逮捕状がある場合に多いのが「おはよう逮捕」といって朝に逮捕されるケースです。
本コラムでは、おはよう逮捕の概要や目的、逮捕前後の流れや、逮捕の前兆の有無などについて解説します。また、逮捕を避けるための対策についても、あわせて紹介します。
1. 「おはよう逮捕」とは?
「おはよう逮捕」とは、早朝に警察が来て逮捕することです。早朝は在宅している人が多い時間帯です。出直す手間を省き、確実に犯人の身柄を拘束するためにも、警察が逮捕に向かうのは早朝が多いといわれています。
逮捕には令状を取って行う「通常逮捕」、犯行が行われている最中や直後に身柄を確保する「現行犯逮捕」、重大犯罪で急を要する場合に令状なく逮捕が許される「緊急逮捕」という3つの種類があります。前もって準備ができるおはよう逮捕は、特に通常逮捕で行われるケースが多く見られます。
ただし、早朝といっても日の出前に行われることはあまりありません。夜明け前は多くの人が寝ている時間で、周辺住人にも迷惑がかかるため、よほどの緊急性がない限りこの時間の逮捕はまれでしょう。また、土日は早くから出かける人もいるため、逮捕が行われるのは平日の朝が多いとされています。
2. 逮捕に至るまでの流れは? 前兆はある?
(1)おはよう逮捕に至るまでの流れ
刑事事件での逮捕は、一般的に被害者が被害届を提出するところから始まります。被害届の提出から逮捕に至るまでの流れは以下のとおりです。
- 被害届
- 捜査機関による捜査
- 逮捕状の発付
被害届が提出されたら、警察は周辺の聞き込みや事情聴取、現場検証や防犯カメラの映像解析といった捜査を行います。犯人を逮捕するに十分な証拠がそろうまで続けられるため、捜査は数日で終わる場合もあれば、数年単位の期間を要することもあります。
十分な証拠がそろえば、警察は裁判所に逮捕状を請求し、逮捕の必要性が認められれば逮捕状が発付されます。逮捕状の請求から発付までにかかる時間は、一般的に数時間から数日です。
逮捕状の請求から発付までの時間はだいたい決まっていますが、捜査に要する期間は事件により大きく差があります。そのため、罪を犯した本人がそれを忘れた頃に逮捕されることも少なくありません。
(2)逮捕の前兆はある?
事前に逮捕に向かうことを犯人に知られると、逃亡や証拠隠滅のおそれがあるため、逮捕の前兆はありません。逮捕の際は、警察が突然やってくると思っていたほうがよいでしょう。
ただ、逮捕前日の夜などは、本人の在宅を確認するため警察が張り込むこともあります。周辺に見慣れない車が停まっている場合などは、逮捕の前兆かもしれません。また、任意の取り調べや事情聴取に応じた際、この日に外出しないようにと念押しされた場合なども、逮捕が近い可能性があります。
3. 逮捕されるとどうなる? 逮捕後の流れ
(1)逮捕後の流れは?
おはよう逮捕を含めた、逮捕後の一般的な流れは以下のとおりです。
- 逮捕
- 送致
- 勾留
- 起訴
- 刑事裁判
逮捕され身柄を拘束されたあとは、警察で簡単な取り調べが行われ、48時間以内に検察に身柄が送致されます(送致)。検察では、捜査のためにさらに長期の身柄拘束(勾留)が必要であるかの判断が、24時間以内に行われます。
勾留が決定すると、最大10日間検察で身柄が拘束され、取り調べや捜査が行われます。もし10日間では十分な捜査が行えないと検察が判断した場合は、さらに最長10日間まで裁判所に勾留の延長請求が可能です。
最大20日間までの捜査・勾留が終わると、検察官が起訴、不起訴の判断を行います。裁判を行うに十分な証拠がそろっていると判断された場合は起訴され、容疑者は被告人になります。一方、嫌疑不十分の場合は不起訴処分となり、即座に身柄は解放されます。
(2)逮捕を回避するための方法
逮捕されると、警察と検察での取り調べなどで最大23日間身柄を拘束されてしまいます。さらに起訴されれば、裁判にも長い時間を要し、家庭や仕事に深刻な影響を及ぼしかねません。
逮捕を回避するには、被害者と示談を成立させることが非常に重要です。被害者にきちんと謝罪し、損害を賠償して、示談が成立していれば、被害者の処罰感情は低いとみなされ、突然逮捕される可能性は低くなります。
しかし、当人同士で交渉を進めると、互いが感情的になってしまい、話がなかなかまとまらない場合もあります。スムーズに示談交渉を進めるには、弁護士に相談するとよいでしょう。
証拠隠滅や逃亡を防ぐため、逮捕は何の予告や前兆もなく突然行われます。逮捕を避けるためにも、弁護士のサポートを得ながら、被害者と早い段階で示談交渉を進めましょう。
- こちらに掲載されている情報は、2024年05月02日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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