闇金(ヤミ金)で絶対にお金を借りてはいけない理由。被害に遭ったらどうすべき?
いわゆる「闇金(ヤミ金、ヤミ金融)」は、融資の審査が緩い場合が多く、どこからも借りることのできない人が、勧誘により利用してしまうケースがよく見られます。しかし、一度闇金(ヤミ金)から融資を受けてしまうと、法外な金利を要求されたり、反社会的な取り立てが行われたりするなど、金銭的・精神的に追い詰められてしまうので要注意です。
違法な闇金(ヤミ金)業者の被害に遭ってしまった場合に、どのようにして被害から脱却するかについて、正しい情報を身に付けておきましょう。
1. 闇金(ヤミ金)とは?
いわゆる「闇金(ヤミ金)」とは、顧客に対して違法に金銭を貸し付ける業者全般を意味します。
闇金(ヤミ金)による貸付けが違法であるのは、主に以下の3つの理由によります。
(1)無登録貸金業
金銭の貸付けを業とする行為は「貸金業」と呼ばれ、内閣総理大臣または都道府県知事の登録を受けなければ営むことができません(貸金業法第3条第1項)。したがって、貸金業登録を受けずに貸付けを行う業者は、違法な闇金(ヤミ金)です。
(2)違法な高金利
利息制限法第1条では、貸付けの元本額に応じて、以下のとおり上限金利が定められています。
- 元本10万円未満・・・年20%
- 元本10万円以上100万円未満・・・年18%
- 元本100万円以上・・・年15%
なお、出資法でも利息の上限が定められております。この上限金利を超える貸付けを行う業者は、違法な闇金(ヤミ金)です。みなさんは、「トイチ」という言葉を聞いたことはないでしょうか?これは、10日(トウカ)で1(イチ)割の利息が付くという意味です。このような違法な高金利で借り入れをしてしまうといつまでたっても返済が終わりません。
(3)違法な態様による取り立て行為
貸金業者は、取り立てを行う際、債務者やその関係者を威迫し、または債務者の私生活・業務の平穏を害するような言動を禁止されています(貸金業法第21条第1項)。しかし闇金(ヤミ金)の場合、このような貸金業法の取り立て規制を無視して、後述するような粗暴・違法な手段で取り立てを行う傾向にあります。
なお、闇金(ヤミ金)の中には、利用者に対する暴力的な対応を控える「ソフト闇金」と呼ばれる業者も存在しますが、等しく違法業者なので注意しましょう。
2. 闇金(ヤミ金)からお金を借りるリスクと対処法
以上のとおり闇金(ヤミ金)は違法です。もし、闇金(ヤミ金)からお金を借りた場合、さまざまなリスクにより経済的・精神的に蝕まれてしまいますので、絶対に闇金から借り入れをしてはいけません。
万が一闇金(ヤミ金)からお金を借りてしまったら、それぞれのリスクについて、以下の方法で対処してください。
(1)法外な金利の支払いを要求される|不法原因給付を主張
闇金(ヤミ金)が設定する貸付金利は、利息制限法の上限をはるかに超え、年率数百%や数千%に及ぶこともあります。闇金(ヤミ金)の言うとおりに、このような法外な金利を支払っていては、永遠に元本が完済されることはありません。
最高裁の判例では、このような法外な金利による貸付けは「不法原因給付」(民法第708条)に当たり、元本を含めて返済の必要がないとされています。そのため、闇金(ヤミ金)の要求に従うことなく、弁護士を立てて法的な観点から対応してください。
既に闇金から借りている、または、これから借りようとしている人は、他にも複数の債務がある方が多いです。弁護士に相談すれば、闇金(ヤミ金)被害を解決できることに加えて、銀行カードローンや消費者金融系カードローンなどの一般的な借金についても、破産を含めた債務整理の手段を用いて負担を軽減することが可能です。
(2)粗暴な取り立てが行われる
闇金(ヤミ金)の背景には暴力団などが存在するケースも多く、債務者に対する取り立てがかなり粗暴な態様で行われることがあります。
たとえば以下のような取り立てが想定されますが、これらはすべて貸金業法第21条第1項に違反する違法な取り立てです。
- 債務者に対して、早く返済するよう脅迫する
- 早朝や深夜に取り立ての電話をかけてくる
- 債務者が返済を申し出ているのに、取り立ての電話をかけてくる
- 正当な理由がないのに勤務先に電話をかけてきたり、勤務先に乗り込んできたりする
- 債務者の自宅を訪問した際、退去を求められたのに退去しない
- 債務者の私生活に関する事実を、第三者に暴露する
- 他の貸金業者からお金を借りて返済するように要求する
- 債務者以外の者に対して、債務者に代わって返済するよう要求する
- 取り立てへの協力を拒否している第三者に対して、さらに債権の取り立てへの協力を要求する
- 弁護士から受任通知を受け取っているのに、引き続き債務者に対して直接取り立てを行う
こうした違法な取り立ては、闇金(ヤミ金)業者が「2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金」またはその両方の対象となる犯罪行為です(貸金業法第47条の3第1項第3号)。もし違法な取り立ての被害に遭った場合は、速やかに警察に相談してください。
(3)違法行為に加担するよう要求される
闇金(ヤミ金)業者からの借金を返済できない場合、違法行為に協力して返済資金を作るよう要求されるケースがあります。たとえば振り込め詐欺の「受け子」や、違法薬物の「運び屋」など、発覚すればあなた自身が即座に逮捕され、実刑判決などの刑事罰を受けるおそれがあるので要注意です。
もしこのような犯罪行為への勧誘を受けた場合は、速やかに弁護士や警察に相談しましょう。弁護士に闇金(ヤミ金)業者とのやり取りを代わりに行ってもらうことや、警察に被害届を出すことが、闇金(ヤミ金)被害から脱却するための近道になります。
- こちらに掲載されている情報は、2022年03月31日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
お一人で悩まず、まずはご相談ください
借金・債務整理に強い弁護士に、あなたの悩みを相談してみませんか?