- (更新:2024年11月28日)
- 離婚・男女問題
離婚調停で聞かれることは? 質問に答える際の注意点を解説
これから離婚調停をするという方は、「調停ではどのようなことを聞かれるのだろうか」「どのような点に注意をすればよいのだろうか」などさまざまな悩みがあるでしょう。離婚調停でスムーズな受け答えをするためには、あらかじめ調停委員から聞かれることを想定して準備をしておくことが大切です。
今回は、離婚調停で聞かれることや質問に答える際の注意点などについて解説します。
1. 離婚調停で何を聞かれる?
離婚調停では、調停委員からどのようなことを聞かれるのでしょうか。
(1)申立人が聞かれること
申立人が調停委員から聞かれることの多い質問事項としては、以下の内容が挙げられます。
①離婚を考えた経緯・理由
調停申立書には、「申立ての動機」欄があり、該当する項目(性格があわない、異性関係、暴力をふるうなど)に丸を付ける形式になっています。調停委員は、それによってざっくりと離婚の動機を把握できますが、詳細な経緯については、申立書からはわかりません。
そこで、離婚調停では、申立人が離婚を考えた経緯や理由について詳しく聞かれることになります。
②現在の夫婦関係・生活状況
調停委員は、現在の夫婦の問題点を整理するために、同居・別居の有無、婚姻費用の支払いの有無・金額など現在の夫婦関係や生活状況に関することが質問されます。
③子どもに関すること
夫婦に子どもがいる場合には、子どもに関する以下の事項が質問されます。
- 子どもと非監護親との面会の有無、頻度、内容
- 子どもの離婚に対する認識
- 別居による子どもの生活環境の変化
④夫婦関係を修復できる可能性
離婚調停は、夫婦関係を調整するための調停ですので、離婚だけではなく夫婦関係の修復という形での解決を模索することもあります。そのため、調停委員からは、夫婦関係を修復できる可能性についての質問がなされる可能性もあります。
曖昧な回答をしてしまうと夫婦関係を修復できると勘違いされてしまいますので、離婚の意思が固まっているのであれば、はっきりと修復の可能性はないと伝えましょう。
⑤離婚する場合の希望条件
離婚をする場合には、親権、養育費、慰謝料、財産分与、面会交流、年金分割といった離婚条件の取り決めが必要になります。離婚調停では、申立人と相手方との話し合いによって、離婚条件のすり合わせが行われますので、まずは、申立人がどのような条件での離婚を希望しているのかが確認されます。
⑥離婚後の生活
離婚をすれば、夫婦は別々に生活することになりますので、その点についてどのような考えを持っているのかが質問されます。たとえば、離婚後はどこで生活する予定か、離婚後はどのように生計を立てる予定かなどが聞かれます。
(2)相手方が聞かれること
調停委員は、申立人から聞き取った事項を踏まえて、相手方に対して、以下の質問をしていきます。
- 離婚する意思の有無
- 申立人が考える離婚理由についての確認(DVがあったのか、不貞行為があったのかなど)
- 婚姻費用の支払状況
- 離婚をする場合の希望条件
基本的な質問事項は申立人と共通する部分が多いといえるでしょう。
2. 一回あたりの離婚調停の所要時間の目安と流れ
一回あたりの離婚調停の期日はどのくらいの時間がかかるのでしょうか。また、どのような流れで進行するのでしょうか。
(1)一回あたりの離婚調停の所要時間
離婚調停の期日は、午前または午後の期日が指定されます。実際の所要時間は、当事者の話し合いの進み具合に応じて変わってきますが、おおむね2時間から3時間程度を見ておけばよいでしょう。
(2)一回の離婚調停の流れ
一回の離婚調停の期日は、以下のような流れで進みます。
- 当事者双方が指定された日時に裁判所に出向く
- 申立人は「申立人控室」、相手方は「相手方控室」で待機する
- 申立人が調停室に呼ばれて、調停委員と話をする
- 相手方が調停室に呼ばれて、調停委員と話をする
- 合意に至らなければ次回の調停期日が決められ終了
離婚調停では、当事者は、別々に調停委員と話をしますので、直接顔を合わせて話し合いをする必要はありません。
3. 調停委員からの質問に答える際の注意点
調停委員からの質問に答える場合には、以下の点に注意が必要です。
(1)落ち着いて端的に話す
調停委員の質問に対しては、感情的にならず落ち着いて話をすることが大切です。感情的になってしまい、調停委員に悪態をついてしまうと調停委員の印象も悪くなってしまいます。
また、調停の時間は限られていますので、関係のないことを長々と話しているとあっという間に調停期日が終了してしまいます。早期に離婚問題を解決するためにも、聞かれたことに対して端的に回答するようにしましょう。
(2)嘘はつかず誠実に答える
有利な条件で離婚をしたいからといって、調停委員に嘘の事実を伝えてはいけません。嘘の事実を伝えたことが明らかになれば、調停委員の印象も悪くなりますし、相手方に対しても不信感を与えるおそれもあります。
現時点では相手方には言わないでほしいが、調停委員には知っておいてもらいたいといった伝え方も可能です。
(3)調停で話し合ったことはメモをしておく
離婚調停は、1回では終わらず、何回も期日が設けられるのが一般的です。調停期日は、約1か月に1回のペースで開かれますので、きちんとメモを取っておかなければ、前回何を話したのかを忘れてしまいます。
そのため、調停で話し合った内容については、簡単でもいいので必ずメモをしておきましょう。
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- こちらに掲載されている情報は、2024年11月28日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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