共依存夫婦とは? モラハラ夫から抜け出す方法
夫婦がお互いに支え合って生活していくことは理想の夫婦の形といえます。しかし、お互いの絆が強すぎるあまり、精神的に依存している状態にまでなると夫婦生活にさまざまな弊害が生じるおそれがあります。
今回は、このような共依存夫婦に生じる悪影響とモラハラ夫から抜け出すための方法について解説します。
1. 共依存夫婦とは
共依存夫婦とはどのような状態をいうのでしょうか。
(1)共依存夫婦とは?
共依存夫婦とは、夫婦の一方が他方に精神的な依存をしており、依存されている側もそれを助長している状態のことをいいます。すなわち、夫婦がお互いに依存しあっている状態です。
夫婦であればお互いに精神的に支え合って生きていくのは当然ですので、適度な精神的つながりであれば何も問題ありません。しかし、「相手がいなければ何もできない」といった深刻な依存状態にまで発展すると、日常生活や社会生活にも支障をきたすおそれがあります。
(2)共依存夫婦の特徴
共依存夫婦には、以下のような特徴があります。
- 常に相手と行動を共にしようとする
- 離れているときは常に連絡を求める
- 相手の気分や機嫌に敏感に反応する
- 相手を過度に束縛する
(3)夫婦が共依存になってしまう原因
夫婦が共依存になってしまう原因にはさまざまなものがありますが、代表的な原因としては、以下のものが挙げられます。
- 自己肯定感が低い
- 孤独をおそれる
- 恋愛経験が少ない
- 周囲と疎遠になりがち
- 幼少期の愛情不足
2. 共依存が及ぼす悪影響
夫婦が共依存になってしまうと、以下のような悪影響が生じます。
(1)DVやモラハラが生じる
共依存夫婦では、一方が他方に対して過度に干渉する傾向があります。相手の行動を制限して、自分の意のままにコントロールしようとしますので、支配されている側は、相手に逆らえない状態になってしまいます。
少しでも相手の意に沿わない行動をとってしまうと、暴力を振るわれたり、暴言を吐かれたりするおそれがあります。共依存の関係が深刻になればなるほど、その状態から脱却することは難しくなり、より深刻なDVやモラハラを受けるリスクが高まります。
(2)心の病気を発症する
共依存夫婦は、相手に依存することによって心の平穏を保っています。しかし、相手から支配されている側は、相手の要求に従わざるを得ない状態になっています。自分の意見や考えを押し殺して生活を続ける結果、精神的にストレスがたまり、うつ病などの心の病気を発症するリスクが高くなります。
(3)子どもにも悪影響が及ぶ
夫婦が共依存の状態になると、子どもに対しても、同様の状態を求めてしまいがちです。子どもの日常生活や学校生活に対して過度に干渉することによって、子どもも親がいないと何もできない状態になってしまいます。
また、共依存が夫婦だけの関係であった場合には、夫婦以外の存在を排除する傾向にありますので、自分の子どもであっても受け入れられず、放置してしまうことがあります。深刻なネグレクトの状態になれば、子どもの健康や生命にも危害がおよぶおそれがあります。
3. モラハラ夫から抜け出す方法
モラハラ夫から抜け出す方法としては、以下の方法が考えられます。
(1)別居をする
共依存の状態になり、夫からモラハラを受けている状態では、自分の置かれている現状について正確に把握することはできません。一緒に生活している状態だと相手からの支配が及んでいるため自分の考えを述べることも難しいでしょう。
そのため、まずはモラハラ夫と距離を置くために別居をしてみるとよいでしょう。別居をして物理的にも精神的にも自立することができれば、共依存の異常性に気付くことができるかもしれません。
(2)弁護士に相談をする
モラハラ夫から抜け出すためには、第三者である弁護士に相談をすることも有効な方法です。弁護士に相談をすれば、客観的立場から現状の問題点を指摘してもらえますので、共依存関係を脱出するきっかけになるでしょう。
また、モラハラ夫と今後も夫婦関係を継続してくことが難しいという場合には、離婚に向けてのアドバイスもしてもらえます。モラハラ被害者は、モラハラ加害者である夫と直接話し合いをするのが難しいこともありますので、弁護士のサポートを受けながら離婚の話し合いを進めていくとよいでしょう。
- こちらに掲載されている情報は、2023年05月10日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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