未払い養育費を回収したい。請求方法と相談先を紹介
養育費の取り決めをしたにもかかわらず、相手からの支払いが滞ることがあります。養育費は、子どもの成長に欠かせないものですので、養育費の滞納が生じた場合にはそのまま放置するのではなく、適切な方法で回収することが大切です。
今回は、未払いの養育費を回収する方法と相談先について解説します。
1. 未払い養育費を回収する方法
未払いの養育費を回収する方法としては、以下の方法が考えられます。
(1)相手への連絡
養育費の未払いが生じた場合には、まずは、相手に連絡をして、支払いの催促をしてみましょう。単に支払期限を忘れていたという場合であれば、相手に連絡をすることによってすぐに支払いに応じてくれるでしょう。
(2)内容証明郵便
相手に連絡をしても未払い養育費が支払われない、連絡を無視されるという場合には、郵便局の内容証明郵便を利用して書面で催促をしてみましょう。
内容証明郵便とは、いつ、誰が、誰に対して、どのような内容の文書を送ったのか、を証明することができるサービスです。
内容証明郵便自体には、支払いを強制する効力はありませんが、特別な形式の文書を送ることによって、相手に対して心理的プレッシャーを与えることができます。
(3)養育費請求調停・審判
内容証明郵便を送っても反応がない場合には、家庭裁判所に養育費請求調停の申し立てを行います。調停では、家庭裁判所の調停委員が間に入って話し合いを進めてくれますので、当事者同士では難しい話し合いでも、スムーズに進めることができます。
調停で合意が成立すれば、調停は成立となりますが、合意に至らなかった場合には、自動的に審判に移行します。審判では、話し合いではなく、裁判官が一切の事情を考慮して未払い養育費についての判断(決定)を下します。
(4)履行勧告・命令
相手が調停や審判によって決められた内容に応じないという場合には、家庭裁判所の履行勧告や履行命令という手続きを利用することができます。
履行勧告とは、裁判所が養育費を滞納する債務者に対して、支払いに応じるよう説得、勧告をしてくれる手続きです。また、履行命令とは、履行勧告に応じない債務者に対して、裁判所が支払いを命じる手続きで、これに従わない場合には過料の制裁が科されることがあります。
(5)強制執行
これまでの方法でも未払いの養育費を回収できない場合には、最終的に強制執行の申し立てを行い、相手の財産(給料、預貯金、不動産など)の差し押さえを行います。
なお、公正証書で養育費の取り決めがなされた場合には、公正証書が債務名義になりますので、調停・審判の手続きをスキップして強制執行の申し立てが可能です。
2. 未払い養育費の回収期限
未払いの養育費には時効がありますので、長期間滞納している養育費がある場合には注意が必要です。
(1)未払い養育費の時効とは
養育費を請求する権利には時効がありますので、一定期間が経過すると養育費を請求する権利が消滅してしまいます。養育費の支払い期限が定められている場合には、その翌日から5年が経過すると時効が成立します(民法166条)。ただし、過去の未払いの養育費を調停や審判などで取り決めた場合には、10年が時効期間になります(民法169条1項)。
いずれにしても長期間未払いの養育費を放置していると、時効によって請求できなくなってしまいますので、早めに対応することが大切です。
(2)時効が迫っている場合には時効の更新や完成猶予を
養育費の時効が完成する前に、時効の更新や完成猶予の手続きをとれば、時効期間の進行をリセットできたり、ストップしたりすることができます。
たとえば、内容証明郵便を送付して未払い養育費の催告をすれば、時効の完成猶予によって、そのときから6か月間時効の進行をストップすることができます。その間に、調停や審判などを申し立てて権利を確定させれば、時効の更新により、それまでの時効期間はすべてリセットされます。
3. 養育費の未払いに関する相談先
養育費が未払いになっている場合には、弁護士に相談することをおすすめします。
(1)未払い養育費の回収方法をアドバイスしてもらえる
未払いの養育費を放置していると時効によって消滅してしまうリスクがあります。そのため、早めに未払いの養育費の回収に向けて動き出すことが大切です。しかし、一般の方では、どのような方法で未払いの養育費を回収すればよいかわからず、時間ばかり過ぎて行ってしまうこともあります。
未払い養育費の回収は、具体的なケースごとに最適な方法がありますので、まずは専門家である弁護士に相談をして最適な回収方法をアドバイスしてもらうとよいでしょう。
(2)代理人として未払い養育費の回収をしてもらえる
養育費の回収をする際には、適切な回収方法がわかってもひとりでは対応できないという方もいるでしょう。その場合には、弁護士に依頼をすれば、弁護士が代理人となって未払いの養育費の回収を行ってくれます。
裁判所とやり取りする調停・審判や強制執行といった法的手続きについては、専門的知識が不可欠とありますので、未払い養育費を確実に回収するためにも弁護士への依頼をおすすめします。
- こちらに掲載されている情報は、2023年06月13日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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