
- (更新:2025年02月20日)
- 離婚・男女問題
離婚を切り出すのに良いタイミングは? 準備すべきことは?
離婚したいと思ったものの、切り出し方がわからず、悩む人は少なくありません。相手の反応や出方が想像できない以上、不安な気持ちでいっぱいになってしまうのは当然のことです。
本コラムでは、主に離婚を切り出すのに適したタイミングや切り出し方を解説します。また、準備しておくことや話し合いでの注意点も併せて紹介します。
1. 離婚を切り出すのに最適なタイミングは?
結婚生活はそれぞれのケースで異なり、常に順調とは限りません。ささいなケンカをしてしまい、それがきっかけで一気に関係がぎくしゃくしてしまったり不仲になってしまったりするケースも多いでしょう。
ただし、その場合に「離婚」の文字が頭をよぎったとしても、カッとなったままや勢いで口に出してしまうことは避けたいものです。互いの意見が一致せず、後々調停や裁判になったときに不利にならないかといった心配は尽きません。
では、どのようなタイミングで相手に離婚を切り出せばよいのでしょうか。以下では、代表的な3つのパターンを紹介します。
(1)配偶者に不貞行為があったとき
民法では770条において「法定離婚事由」がいくつか定められています。これは「こういったことがあった場合は、離婚の原因として認められます」といった例であり、法定離婚事由の中には「不貞行為」も含まれています。「浮気」と同じ意味にとらえてしまう方もいるかもしれませんが、「不貞行為」は婚姻関係にあることが前提となる点で厳密には異なるものです。
そもそも夫婦には、配偶者以外の異性と性的関係を持ってはならないといった「貞操義務」があります。もし婚姻期間中に相手がそのルールを破り、不貞行為があったことが判明した場合は、離婚を切り出すタイミングになりえます。
ただし、相手が別の誰かに好意を寄せていると何らかの手段で知ったとしても、肉体関係を持ったという証拠がなければ、不貞行為には当たらない点には注意が必要です。肉体関係があったことを証明するものとしては、たとえばラブホテルに二人で入り、長時間出てこなかったといったような写真や映像、レシートなどです。
(2)同居や婚姻生活への協力を拒んだとき(悪意の遺棄)
夫婦には、互いに協力して結婚生活を支え合わなければならないといった義務もあります。しかし、正当な理由がなく「夫婦生活が破綻してもよい」といった考えのもと、同居・協力・扶助の義務を放棄してしまうと、場合によっては離婚事由になりえます。
これは同じく民法770条で「悪意の遺棄」とも呼ばれ、この状態に陥るとなかなか関係を修復するのは困難です。
(3)婚姻を継続しがたい重大な事由があったとき
民法770条1項5号では、抽象的な法定離婚事由として「婚姻を継続しがたい重大な事由」があったときも挙げています。ここでの観点は、「夫婦がこれ以上婚姻を継続していく意思があるかどうか」あるいは「関係修復の可能性があるかどうか」が主な焦点になります。
ケース・バイ・ケースですが、たとえば以下のような場合は、離婚を切り出すタイミングになりえるでしょう。
- 性格の不一致
- DVやモラハラ
- ギャンブルなどによる多額の借金
- 宗教活動による不和
など
2. 離婚を切り出すための準備とは?
離婚を切り出すのはとても勇気がいることです。また、一度伝えてしまうと関係が修復できない可能性が高く、後戻りは難しいため、離婚について話を切り出す場合、「準備」が非常に重要となります。
(1)自分の気持ちを整理する
まず、なぜ離婚をしたいのか、今一度自分の気持ちを整理してみることから始めましょう。離婚をすれば生活は一変します。そうなったとしても本当に離婚すべきなのか、ただ気持ちが高ぶっているだけではないかと冷静に自問自答してみることをおすすめします。
(2)伝えるタイミングを考える
先に述べたように、話を切り出すタイミングも大切です。もし相手から離婚を拒否された場合でも、法的にも定められた確かな原因があれば心強く、安心です。たとえ調停で決裂し、裁判までもつれこんだとしても自信をもって手続きを進められます。
(3)伝える方法を考える
タイミングとともに、どういった方法で相手へ伝えれば、よりスムーズなのかも考えておきましょう。できれば円満に離婚を成立させたいと思う気持ちは誰でも同じです。誤解を招きにくく、気持ちを伝えやすい方法を選ぶようにしましょう。うまく気持ちが伝えられる自信がないという方は、紙やメモなどに整理した自身の気持ちをまとめ、話し合いの場で伝えることをおすすめします。
3. もめにくい離婚の切り出し方
準備が整い、いよいよ離婚を切り出すときも注意すべき点がいくつかあります。ここまでの努力を無駄にしないためにも、最後まで気を抜くことなくポイントを押さえることが大切です。
(1)あくまでも冷静に
話し合いをしていく中で、つい感情的になってしまうと、論点がずれたり、火に油を注いで余計に状況を悪化させたりすることになりかねません。「できるだけ円満に離婚する」ことをゴールに見据えるなら、相手の意見も尊重しながら冷静に話し合うようにしましょう。
(2)相手を批判しない
誰でも、相手に批判されると気分が悪くなります。特にこれまで連れ添ってきた配偶者から心無い言葉をかけられてしまった場合、冷静さや素直さを失ってしまいがちです。もしそのようなことを言われてしまったとしても、円満に離婚するというゴールを意識しながら、うまく離婚へと進められるように話し合い中の感情をコントロールすることも重要です。
(3)一度で決着をつけようと思わない
これ以上結婚生活を続けられないといったん思えば、どうしても早く離婚したいと気が急いてしまうのは仕方のないことです。しかし、互いに納得できなければ調停、裁判と、余計に時間がかかってしまいます。一度の話し合いで決着しようと焦らず、「急がば回れ」で着実に話を進めていくほうが賢明です。
相手が離婚に応じてくれないなど、話し合いが難航してしまった場合は、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
- こちらに掲載されている情報は、2025年02月20日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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