- (更新:2021年07月15日)
- 学校問題
学校トラブルは、どこに相談すればいい? よくあるケースと併せて解説
学校で受けたいじめが原因で子どもが不登校になってしまうなど、思いがけない学校でのトラブルにより、心を痛めている親御さんは少なくありません。
そのような場合には、子どもが傷ついてしまうだけでなく、不登校になった子どもの面倒をみるために仕事を続けることが困難になる場合もあるので、本人はもちろん母親、父親のためにも信頼できる相談先を見つけることは重要です。また、学校トラブルに関する法的な知識や措置を知ることは大切な家族を守るための手だてになるでしょう。
そこで今回は、法的観点や統計からみた学校トラブルの3つのケース、学校トラブルについて法的な相談ができる相談先についてご紹介します。
1. よくある学校トラブル3つのケース
いじめや体罰など、よくある学校のトラブルの具体的なケースについて、法的根拠をもとに解説していきます。 なお、文中の統計は以下の資料に基づいています。
- 文部科学省「平成30年度・児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」
- 文部科学省「体罰の実態把握について(平成30年度)」
(1)いじめ
いじめは、いじめ防止対策推進法において、以下のように定義されています(いじめ防止対策推進法2条)。
ある児童生徒に対して、
- (同じ学校に在籍しているなど)一定の人的関係のある他の児童生徒が行うもの
- 心理的または物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行わるものを含む)
たとえば、ある児童生徒に対して、同じ学校に通う生徒が、インターネットの掲示板に誹謗中傷を繰り返し投稿することは、いじめに該当する可能性があります。
統計によれば、平成30年度のいじめの認知件数(小・中・高等学校および特別支援学校において)は、全国で54万3933件にものぼります。さらに、児童の生命・心身・財産などに重大な被害が生じるおそれがあるいじめ等は、「いじめの重大事態」として法律に定義されており(いじめ防止対策推進法28条)、いじめの重大事態は平成30年度だけでも602件発生しています。
児童生徒1000人あたりの認知件数は40.9件であり、単純計算では、およそ25人のうち1人は何らかのいじめの被害を受けていることになります。
(2)体罰
体罰とは、児童生徒の身体を侵害したり、肉体的な苦痛を与えたりする行為です。 体罰を与えることは、学校教育法によって禁止されています(学校教育法11条)。
身体を侵害する体罰の例
- 殴る、たたく、つねる、平手打ちをする
- 突き飛ばして転倒させる
- もっているペンを投げつける
肉体的な苦痛を与える体罰の例
- 居残りをしている生徒をトイレに行かせない
- 指導室などから出ることを許さない
- 苦痛を訴える生徒に正座を続けさせる
統計によれば、平成30年度の国公私立学校における体罰の発生件数は全部で767件でした。内訳は以下のとおりです。
区分 | 発生件数 |
---|---|
小学校 | 183件 |
義務教育学校 | 2件 |
高等学校 | 287件 |
中等教育学校 | 7件 |
特別支援学校 | 20件 |
合計 | 767件 |
体罰が最も多かったのは高等学校287件で、次に中学校268件、小学校183件となっています。
(3)不登校
不登校とは、何らかの原因により子どもが学校に通わなくなってしまうことです。登校拒否と呼ばれることもあります。
文部科学省は、不登校を以下のように定義しています。
- 何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景がある
- 登校しない、あるいはしたくてもできない状態にある
- 年間30日以上欠席している者(病気や経済的な理由によるものを除く)
たとえば、いじめを受けることによって、登校したくてもできない状態にあり、年間で30日以上欠席している場合には、不登校に該当するといえます。
統計によれば、平成30年度の小・中学校における不登校児童の人数は16万4528人です。前年度比で約14%(2万497人)増加しただけでなく、10年以上連続で増加しつづけています。
全児童数に対する不登校児童の割合は、小学校が144人に1人、中学校が27人に1人です。割合をみると、中学校において不登校がより深刻な問題になっていることがうかがえます。
2. 学校トラブルを法的に解決したい場合の相談先
いじめなどの学校トラブルを法的に解決したい場合に、どのような相談先があるかご紹介します。
(1)子どものための法律相談
第一東京弁護士が実施している、いじめなどの子どもの悩みについて、弁護士に無料で電話相談できるサービスです。いじめなどの学校トラブルだけでなく虐待、体罰、退学などさまざまな悩みに対応しています。親はもちろん、子どもが直接電話をして相談することも可能です。
受付日時は、毎週土曜日の15時から18時です(年末年始を除く)。
(2)キッズひまわりホットライン
第二東京弁護士会でも、子どもに関する問題について、弁護士に電話相談できるサービスを行っています。いじめや体罰などの学校トラブルや、児童虐待、少年事件などに対応しています。
相談料は無料で、受付日時は毎週火・木・金曜日の15時から19時です(祝日を除く)。
2021年1月には、第二東京弁護士会により子どもLINE相談が実施されました。不定期ではありますが、夏、冬に実施されることが多いため、このような相談窓口を頼ってみることもよいでしょう。
その他にも、日本弁護士連合会のホームページにて全国の子ども法律相談窓口が紹介されていますのでお住まいの地域や近隣で相談先を探している方の参考になるでしょう。
学校でのいじめはもちろん、子どもがいじめを受けているようだがはっきりした証拠がない、暴力行為をやめるように要求しても相手が応じないなど、トラブルの形はさまざまです。ケース毎に効果的な対応は異なりますので、迷ったら一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
- こちらに掲載されている情報は、2021年07月15日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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