親から逃げたい! 未成年が安全な逃げ場を確保するには?
未成年の子どもが親の過干渉・束縛・虐待から逃げたいと思っても、生活への不安などからなかなか決断できないケースがよく見られます。
親から逃げたいと思っている子どもに対しては、行政や民間によるサポートが行われています。特に、すぐに親から逃げなければ暴力を振るわれたり、身体や心が参ってしまう状態にある方は、自分だけで抱え込まずに、お近くの窓口へお早めにご相談ください。
この記事では、親子関係の悪化等に伴い、子どもが親から逃げたい場合の相談先や対処法について解説します。
1. 親の過干渉・束縛・虐待を感じた場合の相談先
過干渉・束縛・虐待などを行う「毒親」から逃げたいと強く感じた場合には、以下のいずれかの窓口に相談しましょう。
(1)児童相談所
児童相談所は、18歳未満の者(児童)の福祉に関する業務を行う行政機関です。親による子どもへの虐待などに関する相談も受け付けています。
また児童相談所は、後述するように、家庭で生活できなかった子どもの一時保護も行っています。
児童虐待が疑われる場合は、親から虐待を受けていると感じる子どもは、児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」(189番)に通告、相談しましょう。全国共通の電話番号で、管轄の児童相談所につなげてくれます。
(参考:「全国児童相談所一覧」(厚生労働省))
(2)子どもの人権110番
「子どもの人権110番」は、法務局が設置した人権問題に関する相談窓口です。子どもだけでなく大人も利用できるため、児童相談所に相談できない18歳以上の方(大学生など)でも利用可能です。
子どもの人権110番に電話をすると、法務局職員または人権擁護委員が相談に応じてくれます。
(参考:「子どもの人権110番」(法務省))
(3)民間の子どもシェルター
各地域には、民間のNPO法人などが運営する子どもシェルターが存在します。
子どもシェルターでは、事情があって家に居られない子どもを保護する活動などを行っています。無料で利用できるうえ、食事や日用品などの提供を受けられるため、自活できない子どもにとってのセーフティーネットになり得る場所です。
子どもシェルターの場所は非公開ですが、ホームページに相談用ダイヤルが公開されていることがあります。
(参考:「子どもシェルター全国ネットワーク会議」(社会福祉法人カリヨン子どもセンター))
(4)警察
親から暴力などの虐待を受けている場合には、警察に相談すると対応してくれることがあります。
特に児童相談所の一時保護を受けたい場合には、警察を経由した方がスムーズなことが多いです。警察には24時間相談できるため、親から虐待を受けたらすぐに相談しましょう。
2. 未成年者が親から逃げたい場合の対処法
未成年者が親から逃げたい場合は、とにかく一度親から距離をとることが大切です。親から離れるためには、以下の方法が考えられます。
(1)シェルターに逃げ込む
未成年者が親から逃げる場合、「親に見つからないこと」と「衣食住の生活面が保障されること」の2点が重要になります。
この点、NPOなどが運営するシェルターは、所在地が非公開のため親に見つかりにくく、無料で衣食住の提供を受けることができます。
民間シェルターが存在する地域は限られていますが、ひとまずご自身が住んでいる地域に一番近いシェルターに連絡をとってみましょう。親に知られずに入居する方法などを、一緒に検討してくれるかもしれません。
(2)児童相談所や警察に相談して一時保護を求める
親から逃げた後、親に見つからずに衣食住を確保する方法としては、児童相談所の一時保護を求めることも考えられます。一時保護の期間は最長2カ月間で、その後は親元に帰るか、児童養護施設などへ入居することになります。
一時保護を求めたい場合、児童相談所に直接相談するか、警察を経由して児童相談所に連絡してもらいましょう。特に虐待など、親から逃げる差し迫った必要性が生じている場合には、刑事事件としての対応も必要ですし、警察を経由した方がスムーズに一時保護を実施してもらえる可能性が高いです。
(3)裁判所に接近禁止の仮処分を申し立てる
民間シェルターや児童相談所の一時保護などによって親から距離をとった後、親から子どもに近づくことを法的に禁止するためには、裁判所に接近禁止の仮処分を申し立てる方法があります。
接近禁止の仮処分は、民事保全法に基づく保全処分の一種です(同法第23条第2項)。虐待などによって、子どもに著しい損害または急迫の危険が生じるおそれがある場合には、裁判所が親の子どもに対する接近を禁止する仮処分命令を発します。
接近禁止の仮処分命令が発令されると、虐待等のおそれが法的に裏付けられるため、警察や児童相談所などの保護や支援を受けやすくなる点が大きなメリットです。接近禁止の仮処分申し立てを行う際には、法律上の要件や手続きを踏まえて、証拠も集めて準備する必要があるため、弁護士への相談をお勧めいたします。
- こちらに掲載されている情報は、2022年08月30日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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