【ネットストーカー】弁護士に相談するとどうなる? 費用や対応を解説

【ネットストーカー】弁護士に相談するとどうなる? 費用や対応を解説

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

インターネット上でしつこくつきまとうネットストーカー行為は、ストーカー規制法の取り締まり対象であり、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科されるれっきとした犯罪行為です。

本コラムでは、ネットストーカー被害の相談先や、弁護士に相談するメリット、費用相場、弁護士選びのポイントなどを解説します。

1. ネットストーカー被害の主な相談先と弁護士がしてくれること

本人に拒否されてもインターネット上でつきまとい、メールやSNSなどで何度もメッセージを送信するなどのネットストーカー行為は、「ストーカー規制法」で禁じられています。ストーカー規制法とは、ストーカー行為を防止し、被害者を保護することを目的とした法律です。

当初のストーカー規制法では、ネットにおけるストーキングを取り締まるのは困難でした。しかし、平成29年の法改正で、SNSなどを通じたつきまとい行為も規制対象として追加されたことによって、より取り締まりがしやすくなりました。また、罰則に関しても、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金と、以前と比較して重くなっています。

出典:e-Gov法令検索「ストーカー行為等の規制等に関する法律

(1)ネットストーカー被害の主な相談先

ネットストーカー被害の相談窓口には以下のようなものがあります。

①警察

とりわけ相手に身元を特定されている場合は、現実に危害を加えられる恐れがあります。そのため、もしも身の危険を感じた場合は、警察に迷わず相談しましょう。連絡先は最寄りの警察署やサイバー犯罪対策課などが挙げられます。緊急の場合は、110番通報もためらうべきではありません。

ただし、警察は事件性や緊急性に基づいて対応するため、被害状況が曖昧なケースでは積極的な対応を求めるのが難しいこともあります。

②法務省の機関、該当のNPO法人

「女性の人権ホットライン」や「みんなの人権110番」などの法務省に属する無料相談窓口は、ネットストーカー被害の相談も受け付けています。これらの窓口に連絡すれば、法務局の担当事務員や人権擁護委員に相談に乗ってもらうことが可能です。ただし、これらの窓口は現実的な対処というより、心のケアを求める場合に適しています。

またカウンセラーがネットストーカー被害の相談に乗ってくれるNPO法人も存在します。現に生じている被害の対処法を知りたい場合や、不安な気持ちを吐き出したい場合は、こうしたところに相談するのもおすすめです。

(2)ネットストーカー被害に対する弁護士の弁護活動

上記で挙げた窓口以外に、弁護士に相談するのもおすすめです。弁護士はネットでのストーカー行為に対して、以下のような法的措置を取れます。

①内容証明郵便の送付

法律の専門家である弁護士がストーカー行為をやめるよう加害者に警告する文書を内容証明郵便で送付することで、法的措置も辞さないという強い意志を示し、加害者に対する圧力を強めることができます。

②民事訴訟

ストーカー行為によって生じた精神的・物理的な損害に対しては、慰謝料や損害賠償を請求するための民事訴訟を起こせます。弁護士は、訴訟を通じて加害者に対して慰謝料や損害賠償を求めることや、相手が今後クライアントに近づかないよう接近禁止命令を出してほしいと裁判所へ申し立てることが可能です。

③警察への同行や告訴状の作成

被害者が自分ひとりで警察に訴えるよりも、弁護士が同行したり、告訴状を作成したりしたほうが、警察の積極的な協力を仰ぎやすい面があります。

④発信者情報開示請求

上記のいずれの対応も、加害者が誰なのかわからないなら無理だと思うかもしれません。しかし、弁護士はプロバイダやサイト運営者に発信者情報開示請求を行うことで、匿名の加害者の身元を特定することも可能です。そのため、どこの誰がネットストーカーなのかわからない場合であっても、弁護士に依頼することにより、法的な措置を取る相手方を特定することが可能となります。

(3)弁護士に依頼するメリット

上記のように、弁護士は法律の専門家として、さまざまな具体的な措置を講じられます。弁護士に依頼すれば、相手の身元特定から告訴状の作成などまで、複雑な法的手続きを一任可能です。そのため、被害者は手続き的にも精神的にも負担を大きく軽減し、安心して日常生活を送りやすくなります。

2. ネットストーカー被害の弁護士費用の相場

弁護士に相談する場合、どれだけの費用がかかるかは多くの人が気にかけるポイントです。弁護士費用は事務所ごとに異なりますが、ネットストーカー被害への対応の場合、大まかな相場としては次のような形になります。

慰謝料請求 10万円~
接近禁止命令の申し立て 20万円~30万円
発信者情報の開示請求 20万円~50万円

これらの費用に加え、着手金や成功報酬が加わることもあります。また、民事訴訟や刑事訴訟にまで発展した場合、さらに高額のお金が必要です。予想より費用が高くて相談をためらう方もいるかもしれませんが、初回は無料で相談できる弁護士事務所も多く存在します。依頼費用のことも含めて、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。

3. ネットストーカー被害での弁護士の選び方

ネットストーカー被害をスムーズに解決するには、得意分野や人間的な相性を考慮して弁護士選びをすることが重要です。

まずは、弁護士事務所のホームページなどで各弁護士のプロフィールや実績をチェックして、インターネットやネットストーカー関係の案件が得意かどうか確認しましょう。ネットストーカー問題に精通した弁護士ならば、発信者情報の開示請求や接近禁止命令の申し立てなど、ネットストーカー案件に特有の法的手続きも迅速にこなしてくれます。

また、人間的な相性も重要な要素です。どれだけ能力が高い弁護士でも、性格的な相性などで話しにくい相手とは意思疎通が難しくなりがちです。そのため、初回の無料相談などを通じて、弁護士とのコミュニケーションがスムーズに取れるか、自分の思いや状況を十分に理解してくれそうかを確認しましょう。

このように、ネットストーカー被害の相談先は数多くあります。もしも被害に遭っている場合は、ひとりで抱え込まず、弁護士などへ早めに相談するようにしてください。

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法的トラブルの解決につながるオリジナル記事を、弁護士監修のもとで発信している編集部です。法律の観点から様々なジャンルのお悩みをサポートしていきます。

  • こちらに掲載されている情報は、2024年07月12日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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