オンラインゲーム上で詐欺被害に遭っても泣き寝入り? RMTに手を出すとヤバい理由

オンラインゲーム上で詐欺被害に遭っても泣き寝入り? RMTに手を出すとヤバい理由

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

オンラインゲームはパソコンやスマートフォンで気軽にできるため、日常的に利用している方は少なくないでしょう。ところが「もっとうまくなりたい」「早くクリアしたい」といった利用者心理を突いた詐欺行為も横行しています。

ここでは特に注意しなければいけないRMT(リアル・マネー・トレード)の詐欺について解説します。

1. オンラインゲームに潜むトラブル

オンラインゲームにおいては、さまざまな詐欺被害が発生していますが、中でもRMTの被害は深刻です。

(1)オンラインゲームをめぐる詐欺

ゲーム機内で完結するゲームとは異なり、インターネットに接続して行うオンラインゲームは、世界中のプレーヤーと交流できます。それが大きな魅力なのですが、一方で詐欺の要因ともなってしまっています。

オンラインゲームをめぐっては、次のような詐欺が発生しています。

  • 攻略法を教えると言われてお金を払ったが、相手と連絡が取れなくなった
  • 仲良くなったプレーヤーにIDとパスワードを教えたらゲームアイテムが盗まれた
  • ゲームで知り合ったプレーヤーからアイテムを買ったが、頼んだものとは違うものが送られてきた

(2)RMTを通じた詐欺

オンラインゲームの詐欺被害の中でも、特に被害が深刻なのがRMT(リアル・マネー・トレード)の詐欺です。

RMTとは、ゲームアカウント、ゲーム内のキャラクター、アイテム、通貨などを現実のお金で売買する行為です。ネットゲームで知り合ったプレーヤー同士がチャットやゲームサイトの掲示板などを介して連絡を取り合い、銀行振り込みなどの手段で取引をします。RMT専用のマッチングサービスも存在します。

通常、ゲームのストーリーを進めたり好みのキャラクターやアイテムを集めたりするためには、ある程度のプレイ時間が必要です。そのため「時間をかけずにキャラクターをレベルアップさせたい」「レアアイテムをゲットしたい」というプレーヤーが、ほかの利用者からアカウントやアイテムを買い取るのです。

ところが「代金を払った途端、相手と連絡が取れなくなった」「高いアイテムを頼んだのに安いアイテムが送られてきた」「購入したのが架空のゲームアカウントだった」といったトラブルが頻発しています。

RMTで使われるのは現実のお金であり、価格も数100円のものから数10万円のものまであるため、取引額によっては大きな被害が発生します。子どもが勝手に取引し、時間がたってから保護者が気づくケースもあります。その際、取引相手がアカウント名しかわからなければ、すぐに被害金を取り戻すのは難しいのです。

2. RMT行為は多くのゲームで禁止

RMTは、がんばってゲームを進めてアイテムを得るといった工程を、お金を使って一気に飛び越える行為で、地道にゲームをプレイする方にはずるいと感じる方もいるでしょう。

また売却するために他人のアカウントに不正ログインしてアカウントを乗っ取ったり、ゲームのプログラムを勝手に改ざんしてアイテムを得たりしているケースもあり、ゲーム会社は見過ごすことはできないでしょう。放置すればゲームの評判も悪くなるかもしれません。

そのためほとんどのゲーム事業者が、利用規約でRMTを禁じています。

禁止されているにもかかわらずRMTを行い詐欺に遭ったとしても、ゲームの運営会社は「自己責任」として解決をサポートしてはくれないでしょう。むしろ禁止行為をしたとして、アイテムの没収、ゲームアカウントの凍結などのペナルティーを受けるおそれがあります。

現状、RMTを禁止する法律はなく、RMT自体は違法行為ではありません。ですが運営側が禁止していること、詐欺被害が多発していることから、利用には大きなリスクがあることは理解しておく必要があります。

3. 実際にお金を取られるなどの被害に遭ってしまった場合

RMTでお金をだまし取られるなどの詐欺被害に遭った場合には、すぐに警察に相談しましょう。

警察内にはサイバー犯罪専門の部署が設置されています。オンラインゲームのRMTでお金をだまし取る行為は「詐欺罪」に該当します。また売買するために他人のアカウントを乗っ取り不正使用した場合は「不正アクセス禁止法違反」に当たる可能性があります。捜査の結果、違法行為が明確になった場合は取引相手が逮捕されるかもしれません。

ただし、相手の身元が判明してもすでにどこかに逃げてしまっていたり、被害者が払ったお金を使い込んでしまったりする可能性もあります。その場合、被害額をすべて取り戻すのは難しいでしょう。

素性のわからない相手と取引をするRMTは犯罪の温床になりやすく、非常に危険です。詐欺に遭わないようにするためには、「RMTをしないこと」が最大の防止策だと心得ておいてください。「自分のケースが詐欺か知りたい」「相手に賠償を求めたい」という場合は、弁護士に相談しましょう。民事事件として賠償請求の手続を取ることが出来ます。

弁護士JP編集部
弁護士JP編集部

法的トラブルの解決につながるオリジナル記事を、弁護士監修のもとで発信している編集部です。法律の観点から様々なジャンルのお悩みをサポートしていきます。

  • こちらに掲載されている情報は、2022年10月13日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

お一人で悩まず、まずはご相談ください

まずはご相談ください

インターネットに強い弁護士に、あなたの悩みを相談してみませんか?

弁護士を探す
まずはご相談ください

お一人で悩まず、まずはご相談ください

インターネットに強い弁護士に、あなたの悩みを相談してみませんか?

関連コラム

インターネットに強い弁護士

  • 磯田 直也 弁護士

    ルーセント法律事務所

    兵庫県 宝塚市
    兵庫県宝塚市川面5丁目10-32-302
    【阪急宝塚本線 / 阪急今津線 / JR宝塚線】 宝塚駅 徒歩2分
    • 当日相談可
    • 休日相談可
    • 夜間相談可
    • 24時間予約受付
    • 電話相談可
    • ビデオ相談可
    • LINE相談可
    • メール相談可
    • 初回相談無料
     
    注力分野

    発信者(投稿者)側のご相談にも注力。速やかな和解で解決を。誹謗中傷記事を迅速に削除。爆サイ・ホスラブ・5ちゃんねるの対応実績多数。法人・事業者様のご相談も歓迎

  • 安井 之人 弁護士

    安井・好川・渡辺法律事務所

    東京都 中央区
    東京都中央区銀座7-17-12 銀座東京ビル6階
    • 当日相談可
    • 夜間相談可
    • 24時間予約受付
    • 電話相談可
    • ビデオ相談可
    • メール相談可

    タイムチャージ4万4000円(税込)/時間となっております。

     
    注力分野

    【Web3、NFT、ブロックチェーン、GameFi(PlayToEarn)に注力している理系IT弁護士】新時代の挑戦を共に!

  • 永岡 孝裕 弁護士

    永岡法律事務所

    東京都 新宿区
    東京都新宿区左門町6-7 鯉江ビル701
    丸の内線四谷三丁目駅3番出口から徒歩2分。
    お車でお越しの際には近くにコインパーキングがございます。
    • 当日相談可
    • 休日相談可
    • 夜間相談可
    • 24時間予約受付
    • 電話相談可
    • ビデオ相談可
    • LINE相談可
    • 初回相談無料

    初回法律相談は、複雑で事前調査が必要な場合等は対応できかねる場合もあります。

     
    注力分野

    誹謗中傷の削除/情報開示請求/損害賠償などお任せください【四谷三丁目駅2分】【電話相談可】【休日相談可】

  • 山本 恭輔 弁護士

    福岡つむぎ法律事務所

    福岡県 福岡市早良区
    福岡県福岡市早良区百道1-9-12 アーバンももちⅡ102
    • 休日相談可
    • 夜間相談可
    • 24時間予約受付
    • ビデオ相談可
     
    注力分野

    【藤崎駅徒歩5分】企業様への誹謗中傷・風評被害、ご相談ください。削除請求や発信者開示請求など対応いたします。【出張/オンライン相談可】

  • 麻生 雄太 弁護士

    ベリーベスト法律事務所

    東京都 港区
    東京都港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階
    東京メトロ南北線[六本木一丁目]2番出口より徒歩3分
    東京メトロ日比谷線[神谷町駅]4a出口より徒歩8分
    • 当日相談可
    • 休日相談可
    • 24時間予約受付
    • 電話相談可
    • ビデオ相談可
    • 初回相談無料

    ※初回相談無料は、ご相談の内容によって一部有料となる場合がございます。

     
    注力分野

    企業様を顧客として多種多様な開示や削除の案件に当たってきた実績から、迅速かつ的確なリーガルサービスを提供いたします。