インスタ(Instagram)で仮想通貨詐欺に遭ったときの対処法
近年、インスタグラム(Instagram)などのSNS上での詐欺が増えています。
本コラムでは、特に増えている仮想通貨詐欺の概要、手口や詐欺に遭いやすい人の特徴、被害に遭わないためのポイントなどを解説します。
1. Instagram(インスタグラム)における仮想通貨詐欺
Instagramは世界的に人気のSNSですが、人と人とのコミュニケーションが生まれる中で詐欺を働くアカウントも暗躍しており、注意が必要です。
(1)仮想通貨とは
仮想通貨(暗号資産)とは、ビットコインに代表される、暗号化されたデジタル通貨のことです。硬貨や紙幣のような目に見える形はありませんが、商品・サービスへの支払い、個人間決済なども可能です。
(2)なぜインスタに仮想通貨詐欺が多い?
Instagramは写真・動画中心で相手の顔などが見えるために相手を信用しやすく、詐欺の被害に遭いやすい側面があります。
これまで、「国際ロマンス詐欺」「フィッシング詐欺」などの注意喚起もなされています。国際ロマンス詐欺は、海外在住と名乗る人物がDMなどをとおして好意を抱くようしむけ、被害者からお金をだまし取るという手口です。
フィッシング詐欺は、クレジットカードの情報などを得るために、「当選しました」などのDMを送りつけるなどの犯罪です。
それだけでなく、近年では「簡単な作業に対する報酬を支払ったあと、今後も報酬を得たいなら仮想通貨を買うよう指示し、その後、違約金名目などでお金をだまし取る」「仮想通貨運用の初期費用と称したお金を振り込ませる」などの「仮想通貨詐欺」も横行しています。
(3)仮想通貨詐欺アカウントの特徴
詐欺から身を守るために、次の特徴があるアカウントとは接触しないようにしましょう。
①札束や収益の投稿
フリー画像の札束などを投稿することで「大金を儲けられる」とアピールしています。フリー画像ではなく、手書きの文字など本人である証拠を裏づけるかのようなものが画像内にあったとしても、それは画像加工の可能性があります。
②高級車やブランド品の投稿が多い
高級車やブランド品などきらびやかな投稿が多いアカウントも、“稼いでいるお金持ち”を装っている詐欺アカウントであることが多いです。
③美男美女のアイコン
美男美女のアイコンやセクシーな写真の投稿は、それで気をひく詐欺アカウントかもしれません。
④旅行先の投稿が多い
「今よりも自由に旅行を楽しめる」という誘い文句で、危険な仮想通貨の運用へと誘導する可能性があります。
⑤長文のDM
投資・副業をすすめる、コピペ風の長文DMにも注意しましょう。特にURLが書かれていたら、それをタップしないように気をつけてください。
(4)仮想通貨詐欺に遭いやすい人の特徴
一概には言えませんが、仮想通貨詐欺に遭いやすい人の特徴も紹介します。もしも該当する場合は注意しましょう。
①主婦/主夫層
Instagramには「#簡単ごはん」など、暮らしに関するハッシュタグも豊富です。そのため主婦/主夫が情報収集に使うことも少なくありません。そのような層をターゲットにするために、詐欺業者が「#副業」「#スマホビジネス」などの誘い文句で投稿しています。
②Z世代の若者
今10代~20代のZ世代は、まさにこれからキャリアと将来の資産を築いていく世代です。お金に関心のある人が多いため、詐欺業者は「#FIRE」「#億り人」などのうたい文句を使います。
③だまされない自信がある人
「自分はだまされない」と思っている人は、「楽観性バイアス」が強いのかもしれません。楽観性バイアスは、「自分と同じような属性を持った他者よりも、犯罪などに見舞われる可能性が低い」と根拠なく考えてしまう心理のことです。そこにつけこまれてしまう恐れがあります。
④押しに弱い人
詐欺師は感情に訴えるのが得意なので、押しに弱い人も要注意です。
⑤仮想通貨を手にしたことがある人
すでに仮想通貨を手にしたことがある人は、仮想通貨に対するハードルが下がっています。著名人やインフルエンサーを装って偽の仮想通貨を売りつける詐欺には、特に注意しましょう。
2. Instagram(インスタグラム)での仮想通貨詐欺の手口
Instagramでの仮想通貨詐欺では、次に挙げる手口が知られています。
(1)元本保証
銀行と違って、仮想通貨の運用で100%の元本保証はあり得ません。そのため、仮想通貨の投資で元本保証をうたっている場合、詐欺と考えられます。
(2)強引な勧誘
「リスクはない」「絶対に儲かる」のように断言して強引に勧誘を行います。
(3)聞いたことがない仮想通貨名や投資サイト
すでにいくつかの詐欺コインが報道されています。また、詐欺ではなくとも現在実質的な価値がないものもあるので、聞いたことのない仮想通貨に関する儲け話は避けましょう。
(4)有名企業の名前を出す
信用力のある有名企業の名前を出し「信用できる」と思わせる手口は、すでにありふれています。
(5)初期投資や出金に追加料金が必要
初期投資としてお金を振り込んだあと、何らかの言い訳をされて出金できないケースもよくある手口です。「2回目以降の出金には税金・手数料がかかる」などと言って、さらなる入金を求めるケースもあります。
3. 仮想通貨詐欺に遭わないためには
仮想通貨詐欺から身を守るためのポイントを解説します。
(1)知らない人からのフォローやメッセージに注意
予想外のフォローやDMには注意が必要です。特にDMに書かれたURLは、決してクリックしてはいけません。友人や公式アカウントから届いたように見える場合でも注意しましょう。
(2)インスタのアカウント設定を見直す
自分のフォロワーでないアカウントからのDMを拒否する設定にするのがおすすめです。アカウントを「非公開」にすることや、パスワードを強固にして⼆段階認証を設定することも有効です。
(3)相手のアカウントの投稿やアイコンの画像をネット検索する
アカウントやアイコンの画像をインターネットで検索しましょう。そのアカウントや画像が偽物かどうかを、ある程度見極められます。
(4)金融庁に登録されている事業者か確認する
仮想通貨の取引サービスを行うには、金融庁・財務局への登録を受けなければいけません。怪しいと思ったら、金融庁の暗号資産交換業者登録一覧と無登録業者関連情報をチェックしましょう。
4. 仮想通貨詐欺の被害に遭ったときの相談先
もしも被害に遭ってしまったら、次に挙げる相談先になるべく早めに連絡をとってください。
(1)金融サービス利用者相談室
金融庁では、相談員が、あっせん・仲介・調停を除く個別のアドバイスを行っています。
(2)警察相談専用電話
緊急性のない事件・事故を対象とした通報ダイヤルです。「#9110」番をかけるとつながり、必要に応じて担当部署に割り振り、措置を講じてくれます。
(3)国民生活センター、消費者ホットライン
専門的な知識を持った相談員が、アドバイスや情報提供などを行ってくれます。「188」番をかけると、最寄りの消費生活センターなどにつながります。
(4)弁護士
被害金の回収に尽力してもらえるほか、訴訟に発展した場合の裁判対応など、さまざまな対応を依頼できます。
Instagramは魅力的なプラットフォームですが、その裏で仮想通貨詐欺なども横行しています。「副業」「億り人」など、さまざまなうたい文句で詐欺を働こうとするため、知人や有名なアカウントに見えたとしても、油断しないようにしてください。
- こちらに掲載されている情報は、2024年01月24日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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