よくあるリフォームトラブルとは? 弁護士に相談するメリット
リフォーム工事は住まいの安全性や利便性を高めるために行われますが、時として思いがけないトラブルに直面することもあります。
本コラムでは、よくあるリフォームトラブルの紹介をはじめ、トラブルの解決に役立つ対応策やそのポイントを解説します。
1. リフォーム工事で起こり得るトラブル
リフォーム工事で起こるトラブルは、大まかに工期面・施工面・代金面の3つに分けられます。それぞれで起こり得る主なトラブル内容は以下のとおりです。
(1)工期面でのトラブル
「予定の期日になっても工事が開始されない」などが代表例です。時には、工事中に新たな問題や修繕の必要な箇所が発見されたために予期せぬ工事が発生し、その結果工期が遅れることもあります。
(2)施工面でのトラブル
工事の作業品質などに関わる問題です。たとえば「契約時に同意したのとは違う方法や資材で工事された」「手抜き工事された」「施工ミスがあった」などのトラブルが該当します。これらはその後の住み心地や安全性などにも関わるため、見過ごせません。
(3)代金面でのトラブル
リフォーム工事においては、当初の契約や見積もり時に比べて多くのコストが発生することがあります。これは「工事中に必要な修繕箇所が新たに発見された」などやむを得ない事情で生じる場合もありますが、その事実や追加のコストについてしっかりと事前説明や書面での合意がされていなければ、施主側としては納得しがたいものです。
これらのトラブルを防ぐためには、施主側でも細かく質問・確認し、工事内容や契約事項を明確に把握することが大切です。もしも追加工事などが発生した場合は、その都度見積書や契約書などを求め、十分にその内容を理解した上で判断しましょう。
2. リフォームトラブルが発生したら
リフォームトラブルが発生した際の具体的な対処法や、支払い代金の取り扱いについて解説します。
(1)契約解除はできる?
リフォーム工事中にトラブルが発生した場合、施主はいつでも契約を解除できます。ただし、すでに施工が進行(完了)していた場合、通常は頭金・支払い額の全額返金や、支払いの全額免除は行われません。この場合、「出来高精算」という方法で返金額を算定することが一般的です。
出来高精算とは、すでに完了した工事の範囲や内容に応じて代金を精算する方法です。つまり、着工していない部分の代金に対する返金は要求できるものの、すでに着工した部分の代金は支払う必要があります。
とはいえ、契約とは異なるあるいは問題のある方法で工事されていた場合、その部分に関しては、完成済みでも代金の減額請求や修繕を要求できます。もしもその不具合によって何らかの損害が出ていた場合は、損害賠償請求も可能です。
(2)リフォームトラブルの対処法
施工業者との話し合い〜法的措置まで
リフォームトラブルが起きた場合、一般的には以下の手順で対処します。
①施工業者と直接対話する
最優先すべきは、施工業者との協議です。お互いのすれ違いや認識不足が原因で問題が起きていた場合は、話し合いをとおして穏便に解決できることもあります。
②第三者の仲裁を仰ぐ
当事者同士の話し合いだけでは解決しない場合、中立的な第三者による仲裁を検討します。国民生活センターの紛争解決委員会、弁護士会が主催している住宅紛争審査会などが代表例です。
③訴訟をする
どうしても合意がまとまらない場合は、最終的に訴訟を起こして裁判所の判断に委ねます。訴訟提起や、裁判を有利に進めるための法的主張や資料集めをする上では、弁護士のサポートが必須です。訴訟前の段階でも、弁護士に相談したり交渉役になってもらったりすることで、施工業者側とスムーズに話し合いを進められるケースもあります。
(3)リフォームトラブルに関する相談先
リフォームトラブルが発生した際、専門家や団体に相談すると適切な対処法やアドバイスを受けられます。以下がリフォームトラブルに関する主要な相談先です。
①弁護士
法的な観点からのアドバイスやサポートが必要な場合、まずは弁護士への相談をおすすめします。契約解除や返金交渉などに関して、必要な支援を受けられます。早い段階で相談しておくと、問題の深刻化を未然に防いだり、訴訟を起こすことになってもスムーズに準備を進めたりしやすくなります。
②弁護士以外の主な相談先
- 住まいるダイヤル®:国土交通省指定の相談窓口です。住宅トラブル全般の相談ができます。 建築士や弁護士による専門的な助言を仰ぐことが可能です。
- 消費生活センター:消費者庁に属する独立行政法人「国民生活センター」の相談窓口です。一般的な消費者トラブル対応の一環として、リフォームトラブルに関するアドバイスも提供しています。
(参考:「住まいるダイヤル®」)
(参考:「消費生活センター」)
3. リフォームトラブルを弁護士に相談する前に準備すること
リフォームトラブルに関して弁護士へ相談する際は、事前にいくつかの資料を準備しておくと、よりスムーズに支援を受けやすくなります。準備しておくべき資料は以下のとおりです。
(1)契約書や見積書、図面・仕様書など
これらの書類は、施主と施工業者間で事前に結ばれた取り決めを示す基本資料です。弁護士はこれらの書類を基に支払い額も含めた契約内容を確認し、施工業者の落ち度や妥当な返金額などを検討します。
(2)トラブル発生前後の通信記録
メールや書面などの通信記録をはじめ、施主と施工業者がどのようにやりとりをしていたか示す資料は、トラブルの経緯や双方の主張を明らかにする重要な手がかりです。これにより、弁護士は事実関係を正確に把握し、適切な対応策を考えやすくなります。
(3)写真や動画
施工の不備や欠陥、施工中の様子などを示す写真や動画は、物的証拠として非常に有用です。これらの証拠があることで、施工業者との交渉や裁判を有利に進めやすくなります。
(4)支払いに関する記録
支払い済みの領収書や振込明細などの記録も重要です。これらの資料は、すでに支払った金額や未払いの金額を明確にするために役立ちます。
リフォームトラブルの解決には、正確な事実関係がポイントになるので、これらの資料の有無は非常に重要です。後になってから問題が発覚することもあるので、資料は大事に保管しておきましょう。
リフォーム工事は資金面でも生活面でも大きな影響力を持つ重要なイベントです。何かトラブルが生じた際は早めに弁護士へ相談するようにしてください。
- こちらに掲載されている情報は、2024年02月01日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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