加藤 寛崇 弁護士
かとう ひろたか

加藤 寛崇弁護士

みえ市民法律事務所

三重県津市中央2-4 三重ビル302

注力分野

解決事例

労働問題

事例1

不当解雇が無効となり職場復帰

依頼者: 50代 男性

相談前

事業主(社会福祉法人)の代表者がワンマンな人で、仕事の仕方をめぐって代表者の反発を招く出来事があり、解雇された。

相談後

裁判を起こして、一審判決で勝訴した後、控訴審(高等裁判所)で和解して解決し、それまでの給与相当額(2年分以上)を支払わせ、基本的に同一の条件で職場に戻った。

加藤 寛崇 弁護士からのコメント

ワンマンな社長からの一方的な解雇は、しばしばあります。きちんと法的手続をとれば、そのような解雇は容易に認められず、解雇してからの給与の支払が命じられることになります。乱暴な解雇にはきちんと反撃すべきです。

事例2

雇用契約の更新拒否(雇止め)が無効

依頼者: 50代 女性

相談前

1年ごと更新で約5年間勤務していた職場の工場長から、他の従業員をいじめていたと決めつけられて暴言を吐かれた上、更新拒否(雇止め)に遭いました。

相談後

裁判を起こしたところ、一審判決では不当にも敗訴しましたが、控訴審(高裁)で逆転勝訴し、暴言で体調を崩したことによる慰謝料も認められ、雇止めも無効となって、それまでの約3年分の給与が支払われました。

加藤 寛崇 弁護士からのコメント

この事案では、職場の同僚だった人からの証言も得られて、雇止めに根拠がないことを裏づけることができました。
それでも一審判決は不当にも敗訴となりましたが、諦めずに控訴して争ったことで適正な解決に至りました。

事例3

2年分の残業代を満額支払わせる

依頼者: 60代 男性

相談前

相談者は、勤務していた漁業組合を退職してから、タイムカードの控えに基づいて、自分で計算して残業代を請求する裁判を起こしていました。しかし、相手方が弁護士に依頼して、様々な法的反論をしてきたので、自分では対応しきれないと考えて、ご依頼いただきました。

相談後

相談者がご自分でしていた残業代計算はかなり不正確なものだったので、一から改めて計算して請求を整理しました。
その上で、相手方の反論は法的根拠に乏しいものが多く、適切に反論しました。また、「休日出勤した分は振替休日を利用していたので、休日残業ではない」などといった主張に対しては、出勤管理の実態などに照らして、そのような事実はないことを裏づけました。
最終的に、相手方の主張に根拠がないということで、退職日までの遅延損害金も含めた満額を支払う内容で和解し、支払われました。

加藤 寛崇 弁護士からのコメント

残業代請求は的確な裏づけがないと困難になりがちですが、ご自分できちんと証拠を確保していたので、その点は適切な対応でした。
残業代の計算や法的な主張の組立ては厄介な問題があるので、ご自分だけでするのは困難を伴います。早期に弁護士への依頼に切り替える判断をしたのも、適切な対応でした。

事例4

雇用契約の更新拒否(雇止め)が無効、残業代請求がほぼ満額認められる

依頼者: 40代 男性

相談前

約22年間、カラオケ・レンタカー業の店舗で「アルバイト」として月20日程度勤務していました。
過労や軽度のうつ状態のため医師から2週間の休養が必要と診断され休養したら、雇用契約の更新拒否(雇止め)をされました。

相談後

訴訟を起こしたところ、勤務態度に問題があったという主張もされました。
しかし、地裁判決では、雇止めすべき事情があったとは認められないとして雇止め無効と判断されて雇止め後の賃金請求が認められたほか、2年分の残業代もほぼ請求どおり認められました。また、社会保険が非加入だったことによる損害賠償請求も認められました。
会社は控訴しましたが、高裁判決でも基本的に地裁判決が維持されて判決が確定し、判決に従った支払を受けました。

加藤 寛崇 弁護士からのコメント

会社は、依頼者の勤務態度に問題があったと主張して同僚だった従業員を証言させたりもしましたが、依頼者がきちんと勤務ぶりなども証言できたこともあり、会社の言い分は基本的に認められませんでした。
また、依頼者が出勤簿の写しなど、記録をきちんと残していたことなどから、勤務状況等も明確に裏づけることができました。
なにかあったときには曖昧な記憶で述べるだけでは非常に争いづらいので、記録をきちんと残していたことも勝訴のために役立ったと言えるでしょう。

事例5

不当な退職扱いに対し裁判を起こして勝訴し、退職扱い後の給与相当額を回収

依頼者: 50代 女性

相談前

テーマパークで企画営業職として採用されて勤務を始めたが、社会保険加入手続きが遅れる、当初提示されたのと異なる労働条件を提示されるなどおかしな対応があったので、会社に是正を求めていた。
そうしたところ、採用されてから約4か月で「明日から来なくていい」などと告げられ、勝手に退職した扱いにされた。退職理由証明書は、退職理由を「退職勧奨」と記載したものが送付された。

相談後

ご依頼いただき、訴訟を起こしました。
会社の言い分が解雇なのか合意退職なのか不明瞭だったので、どちらでも争える形で請求をしました。
一審判決で勝訴し、会社が控訴、上告と最後まで争ってきましたが、勝訴が維持され、判決確定までの期間分の給与の支払が命じられました。
判決確定後も会社は素直に支払に応じなかったので、強制執行で全額回収しました。

加藤 寛崇 弁護士からのコメント

会社が、従業員に対する解雇なのかどうかあいまいにしたり、解雇なのに「退職勧奨に応じて退職した」と主張してくることが時にあります。
こういう場合は、解雇通知書や解雇理由証明書も素直に出さなかったり、理由をごまかしてくることもあります。

明確な解雇通知がないと裁判で争いにくいと思っている人もいるようですし、中には、「弁護士に相談したら解雇理由証明書がないと不当解雇として争えないと言われた」という話を聞くこともあります。
しかし、一旦雇用された事実が明確なら、解雇理由証明書など解雇の通知がされた直接の証拠がなくても不当解雇と同様に請求をすることは可能です。

事例6

不当解雇に対して、給与1年分の補償を支払わせて早期解決

依頼者: 40代 男性

相談前

パワハラをしたなどと言われて勤務先から解雇された。

相談後

ご依頼いただき、勤務先に対して解雇が無効であり職場復帰を求めると通告をしました。
その後、交渉を経て、給与1年分相当額を支払う条件で退職しました。解雇から約4か月で解決に至りました。

加藤 寛崇 弁護士からのコメント

従業員にいくらかの落ち度がある場合でも、直ちに解雇が有効になるとは限りません。弁護士に依頼することで、解雇が不当であることをきちんと主張することができます。
このケースでは、勤務先も弁護士に依頼して対応してきました。相手の弁護士から見ても、訴訟になった場合に不利になる面もあると考え、相応の補償をしなければならないと判断したと思われます。
このケースに限らず、解雇・雇止めされてからご依頼いただいた事件では、雇用主と交渉し相応の金銭を得て解決することも少なくありません。

事例7

認定された労働災害で、給付金が大幅に増額

依頼者: 40代 男性

相談前

過重労働による労働災害が認められ休業補償給付が決定されたが、その根拠となる被災前の平均賃金に残業がきちんと反映されていない。

相談後

ご依頼いただき休業補償給付に対する審査請求を行いました。
 審査請求をきっかけに労働基準監督署が自主的に休業補償給付基礎日額を訂正しましたが、それでも不十分な点があると思われたので改めて2度目の審査請求を行いました。
 2度目の審査請求でも主張が一部認められましたが、なお不十分な点があったので、3度目の審査請求を行い、再審査請求が認められて更に休業補償給付基礎日額が増額されました。
 請求が認められる都度、増額された休業補償給付基礎日額に沿って追加支給され、最終的に、約4年間分の休業補償給付として、約267万円分の追加支給がなされました。

加藤 寛崇 弁護士からのコメント

従業員が勤務中に労働災害に遭い、労働基準監督署で労働災害と認定された場合、休業した分の補償や後遺症が残った場合の補償は、事故前の平均賃金を元にした休業補償給付基礎日額で計算されます。
 この平均賃金は、実際に支給されていた給与ではなく、「本来的に支払われるべきだった給与」で計算されるので、不払残業があればその残業代分も加味して計算すべきことになります。また、無効な固定残業代制や変形労働時間制で計算されて支給されていたなら、それらの制度が無効であることを前提に計算すべきことになります。
 しかし、こうした点は看過されがちで、単に事業主の提供した資料だけで計算されているように思われることもしばしばあり、きちんと確認して指摘すれば是正されることは案外にあるように思われます。
 本件でも、従事した時間外労働が会社の主張よりも多く認められたほか、会社が採用していたとする月単位変形労働時間制が無効となったことで当初の休業補償給付基礎日額から最終的に30%以上増額されました。