解決事例
交通事故
後遺障害12級13号が認定され、提示の示談金より増額できることが見込まれたため弁護士が交渉し、慰謝料・兼業主婦の逸失利益について大幅な増額が認められた事案
相談前
ご依頼者のM.Sさんは、横断歩道のない交差点を横断していたところ、右折してきた加害車両に左後方から衝突されました。この事故により左足関節外果開放骨折の大ケガを負いました。
相談後
ご依頼者のM.Sさんは、左足外果開放骨折の重傷を負いました。
治療が終了し、相手方任意保険会社による後遺障害事前認定の手続きの結果、12級13号が認定され、420万円の提案があったため、その金額が妥当か知りたいということでご来所されました。
算定してみると、500万円~700万円程度の増額が見込まれるのではないかと考えられました。
そこで、増額の交渉を始めましたが、相手方保険会社は、当初請求額から減額した再提案を行ったため、紛争処理センターへあっ旋を申立てることとしました。
まず、過失割合について、保険会社はM.Sさんの過失を25%と主張していました。しかし、事故現場の状況を実況見分調書の内容を踏まえ丁寧に説明し、紛争処理センターでは25%ではなく15%の過失と認められました。
また、M.Sさんはほぼフルタイムで働く兼業の主婦であることから、保険会社は主婦の逸失利益として230万円程度と主張していました。こちらは、パートの就労状況の変化や、実際の家事分担の変遷などを説明し、逸失利益は550万円が認められることとなりました。
宮崎 寛之 弁護士からのコメント
後遺障害の事前認定の結果を踏まえ、保険会社の提示を受けた後にご依頼を受けました。
提示を見たところ、過失割合の提案は妥当だったものの、後遺障害12級、そして長期間の入院をされたにしてはかなり提示額が低いと感じた事案でした。
受任後、交渉段階では、ご依頼者のM.Sさんの過失割合の修正等により、保険会社から逆に提示額を下げられてしまったため、紛争処理センターに斡旋を申し立てることになりました。
M.Sさんには、家事労働や就労状況について整理していただき、資料もご提供いただいたことで、紛争処理センターに対し、有益な資料を提出することができ、結果的に妥当な水準での解決をすることができました。
自動車の交差点内の事故で、相手方保険会社から4割の過失があるとの主張に納得できず弁護士に相談、状況を丁寧に調べて過失割合を4対6から2対8にして示談した事案
相談前
ご依頼者のM.Kさんは信号のない交差点において直進したところ、加害者も右方から直進してきたため衝突しました。この事故によりM.Kさんは、頚椎捻挫、腰椎捻挫の傷害を負いました。
相談後
事故直後から双方保険会社が間に入り交渉・調整を行っていたが、相手方保険会社がご依頼者のM.Kさんに4割の過失があると主張してきたことから、M.Kさんは納得できず、当事務所へ相談にこられ、ご依頼されることとなりました。
信号のない交差点における直進車同士の事故の場合、基本の過失割合は、左方車が4割、右方車が6割とされています。
しかし、どちらかに著しい過失・重過失がある場合には、それぞれ1割・2割過失が増やす修正がなされ、また、見通しが利く交差点では、左方車の過失は1割減らす修正がなされます。
本件では、視界を遮るものの全くない、開けた場所での事故でしたので、見通しが利く交差点であるとして、まず1割過失を減らすことができました。
さらに事故当初、相手方は「ぶつかるまで車が見えてなかった」という発言をしており、M.Kさんがそれをはっきりと聞いていました。また、警察にもそのような説明をしていたようです。
こうした証言から、かなり見通しのよい状態で、また、日中でもあったことから、相手方はほとんど前を見ずに運転していたことがうかがわれました。
そこで、この点も併せて交渉を続け、事故現場の状況も確認したうえで、最終的にさらに過失を1割減らし、2対8という過失割合を前提に示談することができました。
宮崎 寛之 弁護士からのコメント
相手方保険会社は、当初過失割合について、基本の過失割合だけを説明し、修正要素に関して全く説明をしていませんでした。
そのため、ご依頼者のM.Kさんは、「納得がいかない、おかしいのではないか。」という気持ちでご相談にお越しになりました。
結果的に、「普通に考えればこんなに自分の過失が重いはずはない。」という、M.Kさんの感覚が正しいものでした。
ケースによっては、なぜこちらに過失が認定されるのかどうしても納得できない、ということもありますが、「おかしいのではないか。」という感覚は正しいことも多いので、納得のいかない過失割合が提示された場合には、一度弁護士にご相談されることをおすすめします。
ちなみにケガの補償では、また過失割合について協議できますから、「物損ではこの過失割合で納得してくれませんか。」といった提案をされることがあります。しかし、結果的に不利になることがほとんどですので、このようなケースでは物損の示談をする前に弁護士へご相談されることをおすすめします。
治療中の段階より弁護士が後遺障害診断書の作成など、固定症状まで丁寧にサポートし、示談交渉においても裁判基準に近い金額で比較的スムーズに解決できた事案
相談前
ご依頼者のB.Nさんはタクシーに乗車中、運転手が運転操作を誤り中央分離帯に衝突する事故に巻き込まれました。この事故によりB.Nさんは、硬膜下血腫や胸骨骨折などの傷害を負いましたが、脳外傷後の目立った後遺障害(高次脳機能障害)はなく、日常生活に復帰されました。
ただし、胸骨に変形が残り、それに伴う胸部の痛みもありました。その他、後背部痛もあり、併合12級の認定を受けました。
相談後
ご依頼者のB.Nさんは、事故から半年ほど経ったころ、その後どう手続きが進んでいくのかよくわからず不安を抱えており、その相談と今後の対応についてご相談を受け、受任しました。
B.Nさんにおいては症状固定前の受任でしたので、治療の進行や症状固定時期についてご相談しながら決めていくことができました。
後遺障害等級の認定については、基本的には書面審査であるため、症状等について後遺障害診断書にきちんと記載がされていなければなりません。
そのため、事前に症状について確認し、後遺障害診断書作成依頼時の診察時に伝えるべきことをお話して、後遺障害診断書を作成してもらいました。
結果として、後遺障害は想定していた等級での認定となり、適切な賠償金獲得につながりました。
被害者の方の多くは、痛みが強い部分のことは医師にお伝えになりますが、比較的痛みが弱い部分については伝え忘れたりしてしまいますので、そのような部分についても不足なく伝えることが必要です。
その後の保険会社との示談交渉では、後遺障害について十分な逸失利益も認められたため、訴訟提起はせず、示談での解決となりました。
宮崎 寛之 弁護士からのコメント
ご依頼者のB.Nさんのケガが重かったこと、今後の進行に不安があるということから、事故後半年ほど経過した時点で受任しました。
治療中からご依頼をお受けしましたので、治療頻度についてのアドバイスや、症状の伝え漏れがないかなど確認しながら、症状固定までのお手伝いをいたしました。
最終的な賠償金額は、実際に訴訟に至った際に認定されるであろう金額と遜色ない金額となりましたので、訴訟提起はせず、交渉によって解決となりました。
示談金額が適正かどうかわからない場合、一度弁護士にご相談されることをおすすめします。
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