解決事例
遺産相続
遺留分を約2か月という短期間で回収した事案
相談前
母が死亡したため、依頼者であるAさんを含めた相続人3名(Aさん、Bさん及びCさん)で遺産分割協議を行おうとしたところ、母が作成した公正証書遺言が存在することが判明しました。
そして、公正証書遺言の内容を確認すると、Cさんに全財産を相続させるという内容でした。
Aさんは、公正証書遺言が母の遺志であることには一定の理解はしめしつつも、自分に1円も入ってこないことには納得できなかったため、何か法的な手段はないかということで当事務所までご相談いただきました。
ご相談では、弁護士から相続人には遺留分という権利が保障されていることをご説明させていただきました。
弁護士からの丁寧な説明に納得されたAさんは、早速当事務所にご依頼いただきました。
相談後
依頼を受けた後、直ちに弁護士により遺産の調査を行いました。
そして、調査結果のもと、Aさんの遺留分を計算し、内容証明郵便にてBさんあてに遺留分を請求しました。
当初、Bさんは請求になかなか応じてくれませんでしたが、弁護士からAさんには遺留分という権利が保障されていることを粘り強く説明し、最終的には約2か月という短期間で遺留分を回収しました。
野中 辰哲 弁護士からのコメント
相続人様の中には、遺留分を下回る割合の遺言書となっているにもかかわらず、そもそも遺留分という権利があることを知らないために、遺留分を請求されない方がいらっしゃいます。
もちろん、今までの経緯等から遺言書の内容にご納得されて、あえて請求されないのであれば、問題はございません。
しかし、そうではなくご自身の取り分が少ないことにご不満をお抱えになられている場合には、一度弁護士にご相談されることを強くおすすめします。
遺留分を大幅に増額できた事案
相談前
母が死亡したため、依頼者であるAさんが、母の自宅を整理していたところ、遺言書を発見されました。
遺言書の内容は、Aさんではなくもう一人の相続人であるBさんに財産を相続させるという内容でした。さらに、母は生命保険に加入しており、保険金5000万円の受取人にBさんを指定していました。
あまりに一方的な内容の遺言書であったため、Aさんは当事務所へ相談に来られました。
相談前から、Aさんは自分に遺留分という権利があることを知っておられましたが、保険金については諦めておられました。
しかし、弁護士から場合によっては遺留分を計算するにあたって、保険金を考慮することも可能であると説明させていただきました。
弁護士の説明に納得されたAさんは、早速当事務所にが依頼いただきました。
相談後
Aさんから依頼を受けた後、保険金を考慮した形で遺留分を計算し、そのことを書面にまとめ、内容証明郵便にてBさんに郵送しました。なお、書面には今回の事案で、なぜ保険金5000万円について、遺留分を計算するにあたって考慮されるかを判例も交えて詳しく記載しました。
そのかいもあってか、Bさんから特に反論もなく、約3か月という短期間で解決することができました。
野中 辰哲 弁護士からのコメント
遺留分の計算方法は、民法に記載されていますが、条文が複雑で計算するのも一苦労されるかと思われます。しかも、今回のように保険金の取り扱いについて勘違いされると、思わぬところで損をしてしまう可能性が多々あります。
このような事態を防ぐためにも、遺留分を請求するにあたって一度弁護士にご相談することを強くおすすめします。
自分から連絡したくない相続人がいる事案で、弁護士に依頼したことにより早期に解決できた事案
相談前
依頼者のAさんともう一人の相続人であるBさんとの仲が険悪であり、ここ数年一切連絡していないという案件でした。
Aさんとしては、父の遺産についてBさんと話をしないといけないと思っていたものの、自分からはBさんに連絡したくなく、どうしたらよいか困っていたところ、当事務所にご相談。弁護士から、ご依頼いただければ遺産分割協議に関する手続きを弁護士が代理して行うことが可能であり、AさんはBさんと連絡しなくていいですよとご説明。
Aさんは、Bさんと一切やり取りをせずに遺産分割協議ができることに大変メリットを感じられ、当事務所にご依頼。
相談後
依頼を受けた後は、直ちにAさんの意向を踏まえた書面を作成し、Bさんあてに書面を郵送しました。
その後、弁護士とBさんとで協議を行いました。Aさんに弁護士が就いたことで、特段Bさんと大きな争いとなることなく、遺産分割協議を滞りなく終えました。
野中 辰哲 弁護士からのコメント
遺産分割協議は法律の問題だけでなく、場合によっては相続人間の人間関係が原因で協議すらままならないことが多々あります。
このような場合、弁護士を間に挟むことによって、スムーズに解決に至ることがあります。
仮に、相続人間の関係があまり良くないにもかかわらず、当事者のみでやり取りを行うと、お互い感情的になり、多大なストレスをため込む原因となります。
なので、当事者同士での話し合いの場を設けることが難しい場合には、またはそもそも話し合いにならない場合には、積極的に弁護士に依頼するのも一つの選択肢かと思われます。
遺産が数億円あった事案
相談前
父が死亡したため、相続人であるAさんは、相続手続を行うとしたところ、思ったより遺産があることが判明し、当事務所へご相談。
ご相談の際に、今回の遺産額だとおそらく相続税が発生する可能性があるので、もしよろしければ当事務所と協力関係にある税理士と一緒に手続きを進めていくことも可能であることをお伝えしました。
Aさんは、面倒な相続手続を一任できることにメリットを感じ、当事務所へご依頼。
相談後
まずは、弁護士からAさん以外の相続人であるBさん及びCさん宛に手紙を送り、相続人全員での話し合いの場を設けました。
幸い相続人間で大きく争いになっているわけではなかったので、お互いの希望を調整のうえ、分割の方向性をまとめました。
そのうえで、まとまった分割案が相続税の観点から過度な税負担とならないかを税理士に協議し、最終的な遺産分割協議を行いました。
野中 辰哲 弁護士からのコメント
本件のように遺産が多額となると、法的な部分だけでなく、相続税も考慮する必要があります。
このような場合、弁護士だけでなく税理士と協力して解決にあたる必要があります。
また、相続税の申告が必要になるケースについては、相続税の申告期限である10か月以内に、遺産分割協議及び相続税の申告が完了している必要があります。
なお、どうしても10か月以内に遺産分割協議が解決しない場合には、未分割のままで相続税の申告を行い、申告期限後3年以内の分割見込書を提出する必要があります。
ただ、この場合はいったん法定相続分で分割したと仮定して相続税の申告を行う必要があり、また仮定された相続税を納付する義務があります。
しかも、相続税を納付しなければならないので、そのための資金を確保する必要があります。
そうだとすると、やはり10か月以内に遺産分割協議を解決したうえで、相続税の申告に備えた方が無難かと思われます。
他の相続人に特別受益を認めさせ、依頼者の持分を増加させたケース
相談前
Aさんは、先日被相続人である母が死亡したため、Aさんの兄であるBさんと母の遺産について協議を行ったところ、Bさんから遺産を法定相続分通りに分割することを提案されました。
しかし、Aさんは、Bさんが母から多額の贈与を受けていたことを知っていたため、Bさんの提案をそのまま受け入れることに抵抗がありました。そこで、何か方法はないかとのことで当事務所までご相談に来られました。
Aさんから詳しい事情を聞き取り、また贈与に関する資料があったため、母からBさんに対する贈与は特別受益に該当する可能性があるのではないかとアドバイス。
弁護士からの説明に納得されたため、その場で当事務所へご依頼されました。
相談後
ご依頼後、弁護士が資料を基にBさんと交渉を行い、最終的にBさんに特別受益が認められる形で遺産分割協議がまとまりました。
野中 辰哲 弁護士からのコメント
本件のように被相続人の生前に、被相続人から相続人の一人にのみ贈与が行われているという事案が多々あります。このよう場合、特別受益を主張することによって、相続人間の不平等を是正することになります。
本件のように生前に多額の贈与が行われている場合は、平等な遺産分割協議を実現するためにも一度弁護士にご相談することをご検討ください。
相続人の中に、認知症の方がおられた事案
相談前
祖母が亡くなったため、代襲相続人であるAさんが、他の相続人2名(Bさん及びCさん)と遺産分割協議を行おうと連絡をとったところ、Bさんが認知症であることをBさんのご家族からご連絡がありました。
Aさんはネットで調べたところ、認知症の方が遺産分割協議を行った場合には、のちに無効を主張される可能性があることを知り、不安になり当事務所までご相談に来られました。弁護士から、今回のような場合、Bさんについて成年後見人選任の申立てを行い、選任された成年後見人との間で協議する必要があるとアドバイス。
ただでさえ、遺産分割協議を行うことだけでも大変そうなのに成年後見人の申立てまで行うとなると、とてもではないが自分だけでは対応できないとのことで当事務所にご依頼。
相談後
回のケースでは、特に相続人間で争いになっていたわけではないので、いきなりBさんについて成年後見人の選任を申し立てるのではなく、まずはBさんのご家族に遺産分割協議を行うにあたって。Bさんに成年後見人を選任する必要があることを説明したうえで、成年後見人の申立てを行いました。
その後、成年後見人及びCさんとの間で協議を行い、無事遺産分割協議が解決しました。
野中 辰哲 弁護士からのコメント
高齢の相続人がいるケースでは、相続人の方の中に認知症になられていることがあります。その場合、どのように遺産分割協議を進めていけば良いのか、対応に苦慮されるかもしれません。
このような場合でも、成年後見人を選任するといった方法が考えられるので、まずは弁護士にご相談ください。
寄与分を利用して解決を図ったケース
相談前
相続人の一人であるAさんが、被相続人である母の面倒を5年ほど見てこられました。
その後、母が死亡したため、Aさんは、もう一人の相続人であるBさんから母の遺産について分割協議案を提案されました。しかし、Bさんから提案された遺産分割協議案は、Aさんが母の面倒を見てきたことを一切考慮されていないものでした。
Aさんとしては、自分が母の面倒を5年間も見てきたにもかかわらず、一切考慮されていないことに納得できず、当事務所までご相談に来られました。
Aさんから生前の介護の様子を詳細に聞き取り、また持参いただいた資料等について精査したところ、Aさんに寄与分が認められるのではないかとアドバイスさせていただきました。
Aさんは、自分に寄与分が認められる可能性があることに安堵されるも、これ以上は自分では対応できないとのことで当事務所にご依頼。
相談後
ご依頼後、弁護士がBさんと交渉を行い、その結果法定相続分通りではなく、Aさんに寄与分が認められることを前提とした内容での遺産分割協議が成立しました。
野中 辰哲 弁護士からのコメント
本件のように、相続人が被相続人の生前のお世話をしていた等の事情がある場合には、寄与分として考慮される可能性がございます。
ただし、寄与分が認められるためには、単に被相続人のお世話をしていたことを主張するだけでは足りず、法律上の要件に当てはめる形で主張する必要があります。
寄与分を主張するにあたっては、適切に主張立証を行う必要がございますので、まずは一度弁護士にご相談されることをおすすめします。
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