「国に人体実験させられた」新型コロナワクチン遺族ら13人が損害賠償求め提訴
「人体実験をさせられた」――。新型コロナワクチン接種後の死亡者遺族8人と健康被害者5人の計13人が国に損害賠償を求め、「新型コロナワクチン接種後被害の救済を求める全国新型コロナワクチン被害者及び被害者遺族集団訴訟」を提起し17日、東京地方裁判所に訴状を提出した。
同日、原告のうち8人と原告代理人の青山雅幸弁護士、中本理一郎弁護士が東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた。新型コロナワクチン接種後被害にかかる集団訴訟は初めて。
損害賠償請求額は、原告1人につき330万円。また、「予防接種健康被害救済制度」の給付認定を受けながら葬祭料のみの支給しかなされていない遺族1人は4862万円を求めている。
ワクチン効果「過大にあおり立てた」
「国の不正義を問い、それを正すための訴訟だ」
会見の冒頭、青山弁護士は力を込め、こう続けた。
「新型コロナワクチン接種後に亡くなられた方々、後遺症被害を受けられた方々は、生じてしまった結果を予想もしていなかったと思う。それはなぜか。国が、総理が、ワクチン担当大臣がワクチンの効果について過大にあおり立て、逆に不利益な情報については徹底的に隠ぺいしたからだ」
世界に影響を及ぼした新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)。その拡大は2019年12月、中国・武漢市で起きた原因不明の肺炎の集団発生に端を発する。感染拡大防止のために新型コロナワクチンが開発・製造され、十分な臨床試験が行われないまま使用が開始された。
日本でも2021年2月、米・ファイザー社製のワクチンが特例承認され同月から医療従事者等を対象に接種が開始された。その後、2021年6月に接種対象年齢が拡大(18~64歳)されるなど、全国民向けにワクチン接種が行われることとなった。
一方で、接種が原因と思われる健康被害も接種から時を経ずして出始めた。
青山弁護士は「医療従事者の先行接種において、接種後数日の間に20代女性を含め死者が発生し、その後も他のワクチンとは比較できないほどの副反応報告が相次いでいたことを国は徹底的に隠し、あたかも一過性の発熱や頭痛、対処可能なアナフィラキシー(アレルギー反応による症状)しか副作用はないように装った」と説明。
また、接種による副作用への国の無責任な対応についても指摘がなされた。
ワクチン副作用の特徴のひとつに挙げられる、身体の免疫反応が自分自身を傷付けてしまう自己免疫性疾患にはステロイド投与などが有効とされ、実際にドイツでは治療を受けた人の95%で功を奏したという報告もある。
しかし日本では、「万が一の健康被害が生じた場合の救済措置を講じてきております」(菅義偉首相=当時=)という言葉とは裏腹にそうした有効な処置が取られなかった。
「国はワクチンに不可避な副作用が発生することについても正面から向き合い、その治療を徹底することに努めるべきだった」(青山弁護士)
さらに青山弁護士は、「予防接種健康被害救済制度」の不公正にも言及した。
「現在の健康被害救済制度では、たとえば若い独身の方が単身で暮らしていた場合、ワクチン接種が原因で死亡したと認められても数十万円の葬祭料しか給付されない。家族を養っていない高齢の方が亡くなった場合は一律4420万円の被害補償がなされるのに比較して、あまりに均衡を欠いている」
「今すぐワクチン接種をやめろ!」
会見では、死亡者の遺族と健康被害者もやり場のない憤りを語った。
息子を亡くした埼玉県在住の男性は、「ワクチン接種は国民の義務、打たないのは非国民扱いという(社会風潮の)中、息子は何のためらいもなく2回目のワクチンを打ち、その3日後に亡くなった。息子は病気ひとつしない、健康優良児のスポーツマンだった。死因はワクチンしかない」と語り、「打て、打てとあおり、ワクチンの安全性だけを強調し、危険性の情報は皆無に等しかった国の責任は重大だ。(政府、首相は)『国民の命と財産を全力で守る』と言う。だったら今すぐワクチン接種をやめろ」と訴えた。
ワクチン接種後に下半身不随になり会社を休職しているという愛知県在住の男性は、「(国によって)人体実験をさせられた。健康な体を返してほしい。薬害を認めさせ、(当事者に)土下座をさせたい」と語った。
会見の最後、青山弁護士は、司法の持つ“力”に期待を込めた。
「国は新型コロナワクチン接種によって起きた大規模な薬害発生の事実を認め、正面から被害者の方々に、ご遺族に、そして国民に対して謝罪し、その損害について適正な賠償をなすべきだ。それを国に行わせる手段は裁判しかない」
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