お盆休みの高速道路「最長45㎞予想」今年は渋滞“189回増”の見込み…出発前に確認すべき「トラブル回避」のポイントとは

弁護士JP編集部

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お盆休みの高速道路「最長45㎞予想」今年は渋滞“189回増”の見込み…出発前に確認すべき「トラブル回避」のポイントとは
お盆休みを楽しむためにも、事前の確認や準備が重要だ(TOSHI.K / PIXTA)

毎年、お盆のシーズンになると帰省ラッシュなどに伴い渋滞する、主要な高速道路の様子が報じられるのが、夏の風物詩となっている。

今年の道路事情はどうなるのか。NEXCO各社などによると、荒天と時期が重なった昨年に比べ、お盆期間の渋滞回数が増加する見込みで、10km以上の渋滞回数は前年比189回増の504回と予測。

8月10日は、東北道の矢板北PA付近から最長45㎞の渋滞が発生し得るとのことだ。

渋滞が事故につながる可能性も

弁護士JP編集部では、過去にお盆時期の運転の注意点などについてNEXCO東日本の担当者に聞いている。担当者は「(お盆などの)交通混雑期は通常期と比べて事故件数が2〜3割程度増加する傾向にあります」として、渋滞緩和のためにドライバーができることについて、次の3点を挙げた。

・上り坂での速度低下に注意する
・車間距離をつめ過ぎない
・むやみな車線変更は控える

高速道路の渋滞で「3割増」“事故発生リスク”を避ける運転マニュアル

また、高速道路各社ではドライブトラフィック(NEXCO東日本)や、渋滞予測ガイド(NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本)など、渋滞に関する情報を発信している。お盆など混雑が予想される際に高速道路を利用する場合は、こうした情報も参考にするとよいだろう。

お盆の渋滞でもバッテリーあがりに注意

お盆など夏期の渋滞で、ドライバーが気を付けておくべきことはほかにもある。

JAF(日本自動車連盟)によると、昨年のお盆期間(2023年8月11日〜16日)のロードサービス出動件数は二輪と四輪合わせて、一般道で4万1732件、高速道路で1933件に上ったという。

このうち、出動理由としてもっとも多かったのは、一般道では「過放電バッテリー」いわゆるバッテリーあがりで、1万2218件と全体の約30%を占めていた。

また、高速道路での出動理由としてもっとも多かったのは「タイヤのパンク、バースト、エア圧不足」で、こちらが全体の37.4パーセント(723件)を占めていたという。

「JAFロードサービス 主な出動理由TOP10 2023年お盆『四輪・二輪合計』」より

JAFの担当者は「これらのトラブルは通年をとおして起きる可能性が高く、お盆のドライブ時も注意が必要」として、その理由の1つを次のように説明する。

「バッテリー上がりというのは、バッテリーに蓄えられた電力の不足により、エンジンが始動できなくなる状態です。

バッテリー自体は、エンジンが発電機を回すことによって充電されます。

ですが、たとえば、バッテリーが劣化していたり、しばらく運転しておらず、バッテリーが過放電気味になっていたりする状態で渋滞にはまると、ライトやエアコンの使用により電力が多く消費される一方、 充電するのに十分なエンジン回転数が得られず、発電量が不足してしまう可能性があります。

渋滞によるノロノロ走行時には、かろうじてバッテリーがあがらなくても、パーキングエリアなどで休憩したあと再始動しようとしたら、エンジンがかからなくなる可能性もあります」(JAF・担当者)

おでかけ当日までに「必ず点検を」

では、こうしたトラブルを防ぐためにはどのようにすればよいのだろうか。

JAFの担当者は、事前の点検が非常に重要で、最低限月に1度は日常点検を実施するよう案内しているという。具体的にはどのようなものか。

「JAFのHPではタイヤの空気圧や、バッテリー液の量など、『日常点検15項目』を公開しています。こうした日常点検に加えて、タイヤやバッテリーが耐用年数を超えていないか、適切な交換時期はいつかを確認する必要もあります。

ただ、どうしても車に乗り慣れてない方や、しばらく運転してない方の場合は、たとえば『バッテリーの劣化具合・消耗具合が分からない』といったことがあるかもしれません。

そうした場合は、必ず自動車販売店など車のプロに相談していただきたいです。

また、しばらく運転していない場合、おでかけ当日にいざ点検すると、思わぬトラブルが発覚するかもしれません。

ですので、時期を問わず、日常点検は必要ですが、『おでかけ当日の朝だけ点検すれば大丈夫』と考えずに、前もって点検をしていただければと思います」(JAF・担当者)

久しぶりのドライブで忘れがちなこととは?

車の状態以外にも、お盆で久しぶりに運転するドライバーは以下の点に注意が必要だという。

「渋滞の発生を事前に知っていても、目的地に到着するのが思ったより遅れてしまい、焦りから安全運転が阻害されてしまうことがあります。

渋滞を事前に想定しておいて、余裕を持った運転計画を立てたうえでのおでかけをおすすめします。

また、運転計画を立てる際に、ちょっと忘れがちなのが、『ずっと運転し続けるのは不可能』ということ。

一般的な目安として、最低でも2時間に1回は休息を取る必要があります。また、高速道路を利用するのであれば、サービスエリアやパーキングエリアといったお手洗いの場所や、次のガソリンスタンドまでに十分な燃料があるかも確認が必要です」(JAF・担当者)

また、運転中についても、次のようにアドバイスした。

「車内が高温になりやすい夏場のおでかけでは、エアコンの適切な使用は当然重要です。

これも普段運転しない方は忘れがちですが、車のエアコンには外の空気を導入する外気導入と、車内の空気を循環させる内気循環の2つの機能があります。

外の空気を「暑いから」と全く取り込まないでいると、車内の二酸化炭素濃度が高まる可能性があります。いろいろな研究があるので一概には言えませんが、一般的には、二酸化炭素濃度が高まると、眠気の原因になると言われています。

ですので、最低でも1時間に1回は、エアコンを外気導入に切り替え、 新鮮な空気を取り入れ、換気していただきたいです」(前出)

お盆休みを楽しく過ごすためにも、事前の点検や、ゆとりのある運転計画の準備、そして安全運転を十分にこころがけてほしい。

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