仮面ライダー女優も困惑の“つきまとい”…「ストーカー」被害にあったらどうすべき?

中原 慶一

中原 慶一

仮面ライダー女優も困惑の“つきまとい”…「ストーカー」被害にあったらどうすべき?
ストーカーに代表される“つきまとい”はれっきとした犯罪行為だが…(EKAKI/PIXTA)

「仮面ライダーリバイス」に出演する人気若手女優の浅倉唯(27)がストーカー被害を受けていた問題。しかし、事務所の説明と本人がインスタグラムに書き込んだ説明が大きく食い違っており、物議を醸している。

まずは6月28日、浅倉の所属事務所は公式ツイッターで「浅倉唯に対するストーカー行為について」と題し、「撮影現場近辺での付き纏い、自宅への侵入、盗撮など悪質なストーカー被害に遭っており、現在、警察、弁護士に対応をお願いしております」と投稿し、ワイドショーなどでも盛んに取り上げられた。

しかし7月5日には、その話を覆すかのようにトーンダウン。「浅倉唯 ストーカー被害報道について」と題し、以下のように投稿した。

「本人からの強い希望で掲載しましたが正式な確認前での公表でした。ストーカー規制法による取り締まりの対象つきまとい行為との認定にはなりえないとの判断となりました。 確認された事実は一度、同フロアで降り、振り向いたら隠れたという事です。謝罪いたします」。さらに、「ストーカーと思われる人が複数人いるという確認も取れませんでした。お騒がせした事を改めて謝罪致します。申し訳ございません」と投稿した。

所属事務所の公式アカウントより配信された

「何者かから視線を感じることは多々ありました」

これに対して浅倉は、自身のインスタグラムで猛反発。以下のように投稿した(原文ママ)。

「6月18日の昼、知らない男性がオートロックをくぐり抜け自宅敷地内に侵入し、私と同じエレベーターに乗り込み私が降りた後静かに後をつけてきて、壁に隠れて私を盗撮するということがありました。警察の方に防犯カメラの映像を確認してもらったところ、そういった行為が実際に行われていました。この件に関して証拠はきちんと残っています。 それまでも何者かから視線を感じることは多々ありました。

同じ日の夜、友人の世古口凌さんの元に避難させてもらい、そのタイミングでフライデーに写真を撮られた次第です。世古口さんは昔から家族ぐるみの付き合いがあり信頼できる友人のひとりです。一時的に世古口さんのご家族にも助けていただきました。同じ日にこのことが同時に起こるのはすごく不自然だと思い怖くなりました」

「自分で自分の身を守るしかない…」

投稿はさらに次のように続く(原文ママ)。

「そして今日の夕方頃、オートロックを抜けた先の私の部屋のインターホンが何度も鳴りました。配達員の方であればオートロックを勝手にくぐりぬけることはないので、怖くなり警察の方に連絡しました。警察の方によると今の時点でストーカーに該当する可能性が非常に高いこと、そして住居侵入罪にあたるので捜査を進めているとのことです。事務所にも連絡しましたが、『え?』という返事しかありませんでした。自身のInstagramを通して皆さんにお伝えしようと思った理由は、先程のLIBERA公式Twitterアカウントからのツイートを読んで、事務所から情報を操作され正しい情報が伝わらないと感じたからです。

今回の件に関しましても、私から何度も言わないと避難場所を用意していただけませんでした。また、本日警察に確認したところ委任状など出されておらず連絡さえとっていないとのことで、本当は捜査が何も進められていないことを知りました。これらのことがあり、不安ではありますが自分で自分の身を守るしかないと思いました。皆さんに事実を知っていただきたいです。改めて、今回はお騒がせしてしまい大変申し訳ございませんでした」

“つきまとい”は「好意の感情」に基づくが…

事務所への不信感をあらわにする浅倉だが、夕刊紙芸能担当記者はこう話す。

「浅倉さんは事務所との対決姿勢を見せていますが、こうしたことが明るみになってしまうと、周囲は〝事務所とモメている〟と判断せざるを得ず、現実的に今後のキャスティングなどへの影響は避けられません」

ストーカーを巡っては、相手が芸能人であるか一般人であるかを問わず、令和3年5月26日にストーカー行為等の規制等に関する法律が通信機器などの発達に合わせ、より時代に合わせる形で改正されている。

犯罪や刑事事件の対応も多いベリーベスト法律事務所 北千住オフィスの杉山大介弁護士が解説する。

「ストーカーを規制する法律は、簡単に言えば、〝恋愛感情等の好意の感情に基づいて〟相手の生活空間をうろつく行為や、相手にメールやSNSなど何らかのメッセ—ジを送り付ける行為などを規制していて、『つきまとい等』と定義しています。改正では、スマホのGPS機能による位置情報の無断取得のような行為が加えられ、つきまといの対象となる場所、送り付けるものの種類として「文書」(つまり手紙など)も追加されました」

社会問題化するストーカーを厳しく規制して行くという意思が伺える改正だが、翻って、浅倉のケースはどうなるか。事務所側は「ストーカー規制法による取り締まりの対象つきまとい行為との認定にはなりえないとの判断」に至ったと主張しているが…。

「詳細は分かりませんが、文面からだけ、かつ双方の主張がおおむね正しいという前提で考えると、敷地内に侵入してきた人がいたが、恋愛感情などのストーカーになる動機に基づいて朝倉唯さんを狙っていたわけではなく、ただの盗人あるいは不審者とかだったとすると、侵入したけどストーカーではなかったというのは成り立つなあ…と思いました。しかし繰り返しますが、詳細は分かりません」(杉山弁護士)

ストーカーへの適切な対応策は?

前出の夕刊紙記者が続ける。

「確かに浅倉は、『FRIDAY』(7/15号)で同じ事務所に所属する世古口凌(25)のマンションに出入りするところを撮られており、浅倉がストーカーだとおびえているのは、浅倉の身辺を探っていた記者だったのではないかという推測は成り立ちます」

一方で、事務所への対応を批判する声や浅倉を心配する声がTwitter上では巻き起こっている。杉山弁護士がストーカー事件への対応についてアドバイスする。

「まず、この手の事件はおおむね、いきなり刑事事件化はせず、警察が行政的な対応として、相手に警告を出したり接近禁止命令を出したりするところから始まります。特に警告に関しては、厳密な行政処分というわけでもないため、とにかくトラブル回避のために2人を接触させないという目的で、とりあえず行われることも多い印象です。ストーカー問題は、繰り返しの程度などにより対応の濃淡も分かれてきますので、不安がある場合は、何回でも警察に相談し、きちんと相談実績を積むのも大切です」

真相は不明ながら、芸能界では熱心なファンが一線を越え、ストーカーに豹変する事例は後を絶たないのもまた事実。ともあれ、浅倉の身の安全を祈るばかりだ。

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