趣里、女優以外なら「法曹界」を目指していた…? リーガルドラマ主演で実感した弁護士へのリスペクト
主演を務めたNHK連続テレビ小説『ブギウギ』での好演も記憶に新しい趣里さんが、弁護士を演じるリーガル・エンターテインメント『モンスター』がスタートする。
主人公は、“常識”にとらわれず、“感情を排除”して相手と向き合っていく神波亮子(かんなみ・りょうこ)。型破りな“モンスター”にして、人が “モンスター”になる瞬間を見逃さない新人弁護士だ。そんな彼女が、大草圭子(YOU)が所長を務める「大草圭子法律事務所」に現れ、若手弁護士・杉浦義弘(ジェシー/SixTONES)らの戸惑いをよそに、独自の解釈で裁判をかき回していく。
「もしも自分が違う職業に就いていたとしたら、カウンセラーか弁護士」と明かす趣里さんに話を聞いた。
「“裁く”って、人の人生を左右する」弁護士はそこに関わるすごい仕事
オファーを受けたときに「ワッ!弁護士!」と思ったとコメントされていました。その驚きの理由を教えてください。
趣里:これはセリフが大変だなと。
なるほど。演じる立場としての率直な感想ですね。
趣里:アメリカで放送されていた『殺人を無罪にする方法』という海外ドラマがあリまして、私、大好きで! 今回のお話をいただく前から、配信ですごく見ていました。法廷シーンとかのセリフがすごいんです。ば~!ってものすごい勢いで。見ている立場としては、純粋にそれが楽しかったんですけど、「ん? ちょっと待って」と。今回、私はこれをやるのかと。
たしかに(苦笑)。しかしそのドラマを見ていたということは、もともと法廷ドラマや、弁護士モノがお好きなんですか?
趣里:もしも自分が違う職業に就いていたらと考えると、興味があるのが、カウンセラーと弁護士なんです。
へえ! 人の心理に向き合いながら、コミュニケーションを取るのがお好きなのでしょうか。
趣里:そうですね。そうしたことに興味があるので、カウンセラーや弁護士には今も関心があります。
弁護士に興味がわくのは、裁判で傍聴席や裁判官を意識したやりとりが必要になってくる面ですか? それともまずは、依頼人と向き合いたいと。
趣里:最初、弁護士というのはとにかく人を助ける仕事だと思っていました。でも深く知っていくと、たとえばクライアントが被疑者だったとして、“黒”だったとしても弁護しないといけない時があるわけですよね。もちろん内容にもよりますけど、どんな相手にでも寄り添う心が必要な職業なのかなと感じます。正義は人それぞれだと思いますが、そこに向き合っていく仕事というのは、すごいなと。
今回、弁護士役を演じるにあたりより深く調べていったと思いますが、イメージに変化はありましたか?
趣里:裁判の傍聴にも行きましたが、想像していたよりもいい意味で“お仕事”として取り組まれているなと感じました。もちろんドラマなどのフィクションとは違うんですけど、パフォーマンスとしての面が見える瞬間もありました。“裁く”って、人の人生を左右しますから。そこに関わるって、本当にすごい仕事だと、リスペクトしています。
亮子には「子どもっぽい」ところがある?
弁護士バッジを付けた感想はいかがでしょうか。
趣里:弁護士バッジ自体は、以前、別のドラマ(テレ朝『不協和音 炎の刑事 VS 氷の検事』など)でも付けましたし、亮子もあまり気にしていないので、意外とさらっとでした。
六法全書を開いて、「ワッ!」となることは。
趣里:実際の弁護士の先生にお話を伺ったら、「(六法全書の内容は)意外と覚えてないよ」とおっしゃってました。なので、そこはそんなに気負ってはいません。それよりも、とにかく私としては、セリフを覚えないといけないので(苦笑)。法律を覚えるよりも、まずはドラマで向き合う事件のことを理解していく方に意識を向けています。
法廷シーンで意識していることはありますか?
趣里:自分がそこに立つとき、どんなシーンなのか。それをどう組み立てていこうか、どう動けるか。裁判長がここにいるから、このセリフを言うときは、こっちに動こうとか。「動き」を意識することが多いです。監督と確認しながら進めています。
衣装にも亮子らしさが出ていますが、亮子ならではの動きのこだわりを少し教えてください。
趣里:脚本から、言葉や行動に少し子どもっぽいところがあるなと感じています。それで椅子で遊んでみたり、座り方を工夫したり。事務所と裁判中では姿勢が違うとか、そういった面は意識しています。
亮子は「誰よりも熱い人」
いわゆる“僕シリーズ”(『僕の生きる道』『僕と彼女と彼女の生きる道』『僕の歩く道』)などで知られる名脚本家、橋部敦子さんのオリジナル脚本です。改めてどんな魅力を感じていますか?
趣里:すごく難しいです。ト書き(登場人物の行動や心情を表した、セリフ以外の指示)が書いてないことが多いんです。
そうなんですね。
趣里:それだけ監督にも任せているのでしょうし、俳優としてもある意味、自由なんですけど、その分「鍛えられているな」と感じます。
俳優さんとしても多くを任されていると。
趣里:ト書きではなく、セリフで動かしていく。ト書きの説明で人(役者)が動くのではなく、役が相手への反応によって動くようになっているのですごいです。きちんと人間を描いているから、自然とそうなっていくんですよね。
実際に演技をしてみて、改めて気づいたことはありますか?
趣里:亮子は「感情を排除して」相手と向き合う弁護士ということになっているんですけど、実は誰よりも熱いものを持っているんじゃないかなと。亮子自身、気づいてないのだと思いますが、ただただゲーム感覚で「(裁判に)勝てればいい」ではなくて、人は変わらないと思いつつ、どこかに諦めていない心や、真実のために動いている部分がある。クライアントのためにすごい行動力で、諦めずに粘る力は、誰よりもあるし、熱い人なんじゃないかと思っています。
ドラマ情報
『モンスター』
10月14日スタート
カンテレ・フジテレビ系 毎週月曜 後10.00~10.54
【出演】 趣里 ジェシー(SixTONES) 宇野祥平 音月桂 中川翼 YOU 古田新太
公式サイト: https://www.ktv.jp/monster/
公式X: @monsterktv8 https://X.com/monsterktv8
公式Instagram:@ monsterktv8 https://www.instagram.com/monsterktv8
- この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいて執筆しております。
関連ニュース
-
「知的障害のある人」の選挙権サポートを実現した“狛江モデル”とは 「選挙情報のバリアフリー化」が重要な理由
2024年12月03日 10:08
-
刑事司法は“女性に甘い”? 統計から見えてくる「女性の殺人」と「量刑」の傾向とは
2024年11月07日 10:18
-
“知能が高い”から「タコ」を保護するのは差別的か? 欧米で進む「動物福祉」の背景にある思想
2024年10月27日 09:08