しゃぶしゃぶ店で女性が“下着”モロだしSNS投稿で騒動… 頻発する「露出テロ」の法的問題点は?

中原 慶一

中原 慶一

しゃぶしゃぶ店で女性が“下着”モロだしSNS投稿で騒動… 頻発する「露出テロ」の法的問題点は?
“被害”を受けたしゃぶしゃぶ店は「法的措置も含め厳正に対応」としている(※写真はイメージ june. / PIXTA)

「最近、SNS上の〝露出テロ〟と言われる投稿が話題になっています。女性インフルエンサーが飲食店や公共の場所で、露出の多い写真を撮り、それを投稿し、注目を集めようとする行為です。女性は、極端に胸の谷間が見えていたり、透けた下着を着ていたりします」(夕刊紙記者)

かつて、店内のテーブルに設置された調味料や紅しょうがなどの副菜で不衛生な悪ふざけをする「客テロ」、アルバイトが厨房内で、食材を粗雑に扱ったり、不衛生な行為をする「バイトテロ」などが世間の耳目を集めたことがあった。いずれも店側から損害賠償請求されるなどしてたびたび話題となってきたが、「露出テロ」はそれらとはまた違ったタイプの迷惑行為だ。

「どっち食べる〜??」

直近で話題となったのは、兵庫県の風俗店に勤務するという女性が10月20日にX(旧ツイッター)にポストした画像。チェーン店とおぼしきしゃぶしゃぶ店の鍋の前で、肉の載った皿を手に持ち、ニットを手繰り上げ、青いブラジャーを着けた豊満なバストをあらわにしてピースサイン。写真には「どっち食べる〜??」という文言が添えられていた。

〈個室ですか?〉というユーザーからの問いには〈それはもちろん笑〉と答えていたが、背景には他の客の様子も映り込んでおり、個室には見えなかった。

「投稿は炎上し、箸袋の文字や内観から、有名しゃぶしゃぶチェーンの『木曽路』ではないかと指摘が起こりました。木曽路の広報に確認した『NEWSポストセブン』の問いに対し、広報担当者は、現在調査中とした上で、『当社店舗で撮影された写真と確認できた場合には、誠に遺憾であり、法的措置も含め厳正に対応する所存です』と答えています」(前出の記者)

騒動を受け女性は投稿を22日に削除。その後の「法的措置」の詳細は伝わっていないが、この女性、ボディーラインがはっきりわかるピチピチの衣装など、普段から〝セクシー画像〟をたびたび投稿していた。

喫茶店やラーメンショップでバストをあらわにしていた自称浪人生や都内の地下鉄でスカートをたくしあげてパンティを見せている女性などの『露出テロ』の投稿が報じられ、物議を醸しています」(前出の記者)

『公然わいせつ罪』に問われる可能性も…!?

店側にとっては迷惑な話でしかないが、こうした行為は、法的観点から見て問題はないのか。迷惑防止条例違反、公然わいせつ罪、わいせつ物頒布等罪、威力業務妨害罪などが思い浮かぶが、現実的にどのような法律違反になる可能性があり得るのか。刑事事件の対応も多い杉山大介弁護士に聞いた。

「『公然わいせつ』が一番あてはまるかなと思います。わいせつ物公然陳列罪におけるわいせつですと、〝性器が見えているレベル〟というのが基準になってきますが、公然わいせつの場合は、下着でも該当してくるかなあという感覚があります。

同じわいせつという文言で定義も同じなのに不思議ですが、法定刑の違いや、公の場所で行っている分、〝ライトな露出〟でも性的羞恥心を害する要素が強いといった観点から説明できそうです。その他には、こうして騒ぎになって、店への問い合わせが多くなり業務が混乱すると業務妨害性も出てくると思います」

公然わいせつに問われれば、その刑罰は「6月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留若しくは科料」。一時のインプレッション欲しさの安易な行為の代償としては大きすぎる刑罰だろう。

また、杉山弁護士によれば、必ずしも店が訴えなくとも、例えば店に子供と来ていた一般客が、「性的羞恥心を害されうる抽象的な被害者」として警察に届けることもできなくはないという。

やはり常識的に考えて、こうした公序良俗に反する行為はするべきではないと言えそうだ。

「確かこの手の企画を連発させていたネット主体のAV撮影者が、実際に刑事事件の対象になっていたことを思い出しました。すべてが摘発されていないからといって、現在、世に一時的に出回っているものが当たり前のこととは限らないことを覚えておきましょう」(杉山弁護士)

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