「滞納した税金がございます」 国税庁を名乗る“プリペイドカード詐欺”メールが届いた場合の対処法
受け取った人は心あたりがなくても、一瞬「ドキッ」とするメールが8月頃から多く報告されている。
行政機関である「国税庁」の名を騙(かた)る“フィッシングメール“だ。
9月25日には、富山県の20代男性が4万円をだましとられる被害も報じられている。
「未払いの税金」を催促するメッセージともに併記されたURLを押すと、偽の国税庁のホームページに誘導され、金銭を要求される仕組み。
ショッピングサイトなどを騙るフィッシングメールを受け取っても、該当サイトに登録していない人は、被害に遭うことは少ない。しかし「国税庁」からメールを受け取った場合、納税の義務を負っている国民であれば“自分ごと“として、たじろいでしまう人もいるだろう。
国税庁からメールが送られてくることはある?
この件について、名を“使われた“国税庁は「税の納付を求める旨や、差押えの執行を予告するメッセージやメールを送信しておりません」とホームページ上で呼びかけている。
国税庁では、「ショートメッセージ(SMS)」による案内は送信しておらず、「メール」を送信する相手も以下に限られるという。
- 国税庁ホームページ新着情報の配信サービスに登録している人
- 国税庁メールマガジンに登録している人
- e-Taxの利用にあたりメールアドレスを登録している人(※)
(※)e-Taxを利用している人には別途注意喚起の案内がなされている。
国税庁の担当者は「心当たりがなければ、メールにあるURLにはアクセスせず、心当たりがある方でもアクセスする前に“URL“を確認してほしい」と受信者に対策を求めた。
また、国税庁を名乗る「電話」についても「不審点があれば、所属と氏名を聞いて、一度電話を切ってから最寄りの税務署に電話するなど、振り込め詐欺などの対策と同じように対応してほしい」と注意を促す。
同担当者によれば、確定申告に不備があるなどの理由で電話をかけることはあるというが、「基本的には所轄の“税務署“からご連絡しています」とのこと。“国税庁“を名乗る電話は、いつも以上に用心した方が良いだろう。
“プリペイドカード“を利用した詐欺に注意
大量に出回った「国税庁」を騙るフィッシングメール。クレジットカード番号を聞き出すページのほか、コンビニエンスストアなどで購入する”プリペイドカード”を利用した支払いを要求してくる場合もある。
しかし、そもそも税金の納付にプリペイドカードは使用できない。仮に偽の入力ページに進んでも、そのことを知っていれば騙される可能性は大幅に減りそうだ。
それでも誤ってプリペイドカードを発行し、加害者にナンバーなどの大切な情報を渡し、詐欺が成立してしまった場合、どのような対処が適切なのか。消費者被害も対応する向山修平弁護士に話を聞いた。
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