「出してごめんね」 春は“全裸露出”急増に要警戒! 不審者に“狙われやすい人”の特徴とは
暖かい日が多くなり、春らしさを感じるようになってきたこの頃、心が浮き立つような気分になっている人も少なくないのではないだろうか。しかし昔から、春は「不審者が多い」と言われる季節でもある。
これは単なる感覚的なものなのか。あるいは本当に増加しているのだろうか…。
春は「全裸」が急増する
「全裸の事案が目に入ってくるようになると、春が来たのかなと感じます」
こう話すのは、全国の自治体や警察から公表される「不審者の出没情報」を日々集約し、配信している「日本不審者情報センター」代表の佐藤裕一さん。
「以下は弊社が配信した情報のうち、『全裸』に関するものをカウントした件数です。1~3月に4~8件程度だったのが、4月以降になると急激に増えていることが分かります」(佐藤さん)
「また『下半身露出』は年間を通して件数が多いため、あまり季節を感じることはありませんが、こちらも春にかけて増加傾向にあると言えます」(佐藤さん)
一般的には「学校が始まると子どもを狙った不審者が増える」といった注意喚起もなされており、新学期が始まろうとしている今、ナーバスになっている保護者もいるかもしれない。しかし佐藤さんは「それはそれで正しい」としながらも、不審者が出没する“条件”として以下を指摘する。
「継続的に情報配信していて感じるのは、不審者が出没する動機は『被害に遭う方の行動』よりも『不審者自身が外に出ようと思うか』なのではないかということです。実際、寒い冬よりも暖かい春のほうが全体的に不審者の情報は増えますし、他にも『大雨が降る』『台風が来る』といった天候や気象条件によって、情報の数は増えたり減ったりしています」(佐藤さん)
日本不審者情報センターのホームページで昨年4月の不審者情報を検索すると、露出事案を含めて多くの不審者情報が紹介されている。
- 帰宅途中の女性に声をかけ、すねを触った。「彼氏いるの? いろいろな男と付き合わないと」「綺麗な足だね」(長野県飯田市)
- 通行中の女児らに後ろから声をかけた。「魔法の豆いるか」(兵庫県尼崎市)
- 女子生徒らに声をかけた。「ぼく魔法使えるんだ」(宮城県富谷市)
- 車の中から、帰宅途中の女子生徒らに声をかけた。「上履きちょうだい」(愛知県名古屋市)
- 遊んでいた男児に声をかけ、下半身を見せた。「出してごめんね」(宮城県涌谷町)
- 生徒に声をかけた。「まんじゅう余ってるから食べない?」(福島県喜多方市)
- 帰宅途中の女性に声をかけ、つきまとった。「1円ください」(静岡県静岡市)
不審者に遭遇…! そのときどうする?
実際に不審者に遭遇してしまった場合は、どのように対処するのが適切なのだろうか。防犯のスペシャリストである警備会社「ALSOK」に聞いた。
「まず不審者に遭遇してしまったら、その場から逃げ、大声で助けを呼ぶことが大切です。
不審者が犯行をあきらめる距離は、『電車の1車両分にあたる約20メートル』だと言われています。安全に逃げるためにも、不審だと思った段階で、早めに走って逃げるようにしてください。
また、重たいカバンやバッグを持っている場合は、自分の命を優先し、手荷物を捨てて逃げることが大切です。屋内で不審者に遭遇した場合は、素早く屋外へ避難し、大声で助けを呼ぶことを心がけてください」(ALSOK広報担当者)
不審者に狙われやすい人の外見的な特徴は、以下だという。
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女性の場合
スカートやハイヒールなど、動きにくい服装をしている女性。どうしても夜間に出歩かなければならない場合は、比較的動きやすい服装を選んだほうがよい。 -
子どもの場合
1人で遊んでいる・出歩いている子どもは、不審者による声かけ事案や、誘拐・連れ回しのターゲットになりやすい。子どもを外出させる際は、最低でも中学生以上の同伴者をつけるのが理想的。 -
その他
ぼんやりしている様子の人や、ゆっくり歩いていて警戒心がなさそうな人も、不審者にとって格好のターゲット。スマホを操作していたり、音楽プレーヤーに熱中していたりする人は、注意散漫だと判断されやすく、不審者に狙われる可能性が高まる。逆に、常に周囲の状況に気を配り、きびきび歩いている人は、不審者のターゲットになりにくい傾向にある。
「不審者は1人で行動している人をターゲットに選ぶ傾向があります。夜遅くの不要不急の外出を避けるのはもちろん、外出時はなるべく単独行動を避け、同伴者と一緒に出歩くようにしましょう。特に子どもが外出する場合は、できる限り中学生以上の同伴者をつけましょう。
また、学校や仕事の帰り道など、どうしても1人で行動しなければならない場合は、なるべく明るく人通りの多い道を選び、周囲の状況をよく観察することが大切です。防犯ブザーを携帯し、すぐに鳴らせる場所に取り付けておくと、いざという時に安心できます。
万一、不審者に遭遇したら、その場から逃げることを優先に行動し、大声で助けを呼ぶことを心がけてください」(ALSOK広報担当者)
さらには、普段から“逃げ込める場所”を意識しておくことも効果的だという。
「子どもには、保護してくれる大人がいないときに備え、『子ども110番の家』など、何かあったら駆け込める家や施設を普段から意識させることも重要です。保護者などが手助けをして、地域のことを学んでおくといいでしょう。
女性など大人についても同じことが言えて、通勤通学などで恒常的に利用するルート上に、万が一の際に逃げられる場所を頭に入れておくのも大事です」(ALSOK広報担当者)
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