高速バス「50km大渋滞」で大幅遅延… 旅の予定“台無し”でも「料金払い戻し」が認められないワケ
旅行料金が高騰するゴールデンウィークは、「少しでも節約しよう」と高速バスを使う人も多いのではないだろうか。しかし大型連休には毎年、大規模な渋滞が発生し、「高速バスが予定時間に到着しなかった」ということも珍しくない。
もし渋滞でバスが遅れ、旅先での予定(コンサートや観劇、別の交通機関への乗り継ぎなど)に間に合わなかった場合、バス会社に乗車料金の返金を求めることはできるのだろうか。
今年のGW「渋滞距離は最大50km」
NEXCO各社と日本道路交通情報センターによれば、今年のゴールデンウィークは、下り線で5月3日・4日、上り線で5月3日〜5日に渋滞が多発し、渋滞距離は最大50kmにもなると予想されている。
昨年のゴールデンウィークもやはり渋滞が発生、高速バス利用を選択し涙をのんだ人も少なくなかったようだ。
高速バスの方が安く着けるしいいじゃん!って安易な考えは、渋滞での遅延という現実に砕かれています(2時間の遅刻)
— 🌸shino💻 (@shi_no_0308) April 30, 2022
やべぇ高速バス遅延で乗り換えできんww東京に住みます^^
— たそ (@taso_IPU) May 5, 2022
高速バス、大体2時間半くらい遅延して泣いてしまった
— ちろる (@tirol_nazojin) May 3, 2022
そもそも高速バスに渋滞遅延という概念が存在することをなぜか把握していなかった自分に呆れてる
— しょーた (@sawadapan) May 3, 2022
大幅遅延でも…バス会社は「返金しなくてよい」
コンサート、観劇、別の交通機関への乗り継ぎなど、遅延されて困る事情はそれぞれあるだろう。しかし、高速バスが時間通りに到着しなかったからといって「バス会社に返金を求めることは難しい」と、ベリーベスト法律事務所 京都オフィスの安藤愛子弁護士は指摘する。
「私も宝塚ファンとして、公演をとても楽しみにしているので、間に合わなかったときの悔しい気持ちはとてもよく分かります。
しかし、バス会社は(旅行ツアーバスであれば別ですが)、発着地から目的地までの旅客運送を引き受けているに過ぎません。目的地まで無事に到着すれば、契約内容は果たしたといえます。つまり、到着時間はあくまでも“目安”であって、その時刻までに目的地へ到達することまでは契約の内容になっておらず、そもそも『遅延』にはならないのです。
これが鉄道になりますと、遅延した場合の扱いについては約款に記載されており、どのくらい遅延したかにもよりますが、運賃が払い戻しされるケースもあるようです」(安藤弁護士)
では渋滞以外で、到着時間を大幅に過ぎた場合に払い戻しが認められるケースはあるのだろうか。
「乗務員の体調不良や車両の故障など、運行会社側の都合だった場合、返金するかどうかは会社の対応次第になります。
数時間遅れたとしても目的地に到着しているのであれば、法的に返金を強制させることは難しいと考えられます。とはいえ、運行会社側に重過失があった場合は、払い戻しされるのが実情なのではないでしょうか」(安藤弁護士)
開始時間が決まったイベントを組み込んだ上で、高速バスを移動手段として選択する場合、時間に相当な余裕を持たせたスケジューリングが最低限必要ということだろう。
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