中国人の会社経営者が強盗被害…資産数十億円の情報は“裏社会”に出回っていた?

弁護士JP編集部

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中国人の会社経営者が強盗被害…資産数十億円の情報は“裏社会”に出回っていた?
実行犯役モンゴル人3人のうち2人は第三国経由で母国へと逃亡(NANDEMO41 / PIXTA)

8月4日、警視庁は今年3月に池袋のマンション一室に押し入り現金などを奪ったとして強盗致傷及び住居侵入容疑で職業不詳・永見俊義容疑者(44)ら男4人を逮捕した。

永見らはマンションに押し入る際、作業着を着用しガスの点検を装いマンションに押し入ったが、実行犯のなかには永見の他にも3人のモンゴル人が含まれていたという。

現金約100万円やノートパソコン等を強奪

警視庁担当記者が事件の経緯について説明する。

「狙われたのは中国籍の40代の会社経営者男性と30代の女性でした。マンションに押し入ったのは永見を合わせ5人で、運転手役等を含めると強盗団の合計は8人。うち実行犯の日本人は2人で残りの3人はモンゴル人でした。永見らはガス点検業者を装い刃物を持ちマンションに侵入し、結束バンドで被害者の手足を縛るなどして現金約100万円やノートパソコン等を強奪。ですが、被害者の男性が抵抗し犯行グループともみ合いとなり、20代のモンゴル人が刺されて死亡しています」

犯行後に実行犯役だったモンゴル人3人のうち2人は第三国経由でモンゴルへと逃亡。3人は19年に来日していたが、今年3月~5月にかけすでに在留資格が切れていたという。先の警視庁担当記者が続ける。

「永見とともにマンションに押し入った40代の日本人はすでに別の事件で逮捕されていることからも今回の日・蒙(もう)混成強盗団はいわゆる『闇バイト』などで集められた訳ではなく、裏社会の何らかのつながりで混成された可能性が考えられます。モンゴル人の1人は犯行を“ヤクザから頼まれた”“中国人を狙え”などと話していたようです」

被害に遭った中国籍の会社経営者は仮想通貨で数十億の資産を稼いでおり、強盗に遭う直前にも中国人同士で何らかのトラブルに遭っていたことなどからも「犯行グループはピンポイントで被害者の資産情報等を得て強盗に押し入った可能性がある」(捜査関係者)という。

中国人が特殊詐欺被害に遭うケースが相次いでいる

現在、日本のみならず海外に住む中国人が大使館や警察を名乗る人物から中国で電話を受け、特殊詐欺被害に遭うケースが相次いでいる。そのような状況に警察当局も注視しているという。

「国外に逃亡したモンゴル人2人について警察当局は国際手配の実施を検討していますが、被害額が約100万円ということなどから韓国やアメリカ以外の犯人引渡し条約締結外の国である場合、どこまで捜査協力を仰げるかは不透明です。今回の事件は日本人が被害者となった訳ではありませんが、こうした強盗団や特殊詐欺のグループが勢力を広げ、今後日本人が被害に遭うことも充分に考えられる。警察当局も日本がグローバルな犯罪の舞台になっていることについて警戒を強めています」

警察は今後、永見ら犯行グループの突き上げ捜査を行い背後関係についての捜査を進めるという…。

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