池袋中国人経営者強盗事件で「指示役」か… “半グレ”集団創設メンバー逮捕の裏側
10月10日。警視庁は今年3月に池袋のマンションで起きた強盗事件を指示したとして中国籍の汪楠(ワン・ナン)容疑者(51)を強盗傷害などの容疑で逮捕した。
この事件(中国人の会社経営者が強盗被害…資産数十億円の情報は“裏社会”に出回っていた?)ではすでに中国籍の男女二人を結束バンドで拘束し、現金109万円やノートパソコンなどを奪ったとして実行役や運転手役の5人が逮捕され、国外逃亡した実行犯役のモンゴル人を含め計8人の関与が特定されていたが、突如指示役として浮上した汪楠の逮捕に社会部記者らは色めきだった。
すっかり “表舞台”の人間となっていたが…
事件を取材する社会部記者が汪楠について説明する。
「汪楠は中国人の残留孤児2、3世を中心に結成された暴走族、『怒羅権』(チャイニーズドラコン)の創設メンバーです。17歳で指定暴力団の組員となり、事務所荒らしや風俗店を経営。窃盗などの罪で02年に懲役13年の判決を受け刑務所に収監されていました。
14年に満期出所してからは更生してホームレス支援などのボランティア活動に携わり、15年には自身が収監中に本によって救われた経験から、全国の受刑者に希望の本を届けるNPO法人『ほんにかえるプロジェクト』を設立。以降、活動を続けていました」
そのような壮絶な経歴はメディアからも注目も集め、19年にはNHKスペシャル『半グレ ―反社会勢力の実像―』にも出演。21年には自らの半生をつづった『怒羅権と私 創設期メンバーの怒りと悲しみの半生』(彩図社)を出版するなど近年ではすっかり表舞台の人間となっていたのだが……。
「21年には千葉県のカラオケバーでみかじめ料を脅し取ろうとした容疑で逮捕されました。ですが本人は以前『FRIDAY DIGITAL』のインタビューに対し、『逮捕は葛西『怒羅権』の継承を巡っての不当逮捕だった』と警察をやゆした上で(今後、怒羅権のメンバーが犯罪を行わないよう)『これからも働きかけはしていきたい』とも話していました」(週刊誌記者)
実行犯役に対して犯行を指示したとされる痕跡も
今回、汪楠が指示役として逮捕された強盗事件では、実行犯役にモンゴル人も含まれており、その一人が犯行を “ヤクザから頼まれた” “中国人を狙え”と言われたなどと話していたことから、
「被害者が事件前にも中国人同士でトラブルになっていたことや、仮想通貨で数十億円の資産を稼いでいた情報を犯行グループが事前に入手していた可能性もあり、そうしたことからも犯行グループがいわゆる “闇バイト”などで集められた犯罪グループではなく、裏社会の何らかのつながりで混成された可能性が指摘されていました。
汪楠はスマートフォンを複数台所有し、すでに逮捕されていた実行犯役のスマートフォンの解析から、汪楠の犯行への関与が浮上しました。捜査当局は今後、被害者の資産情報の入手先などを含めた捜査を続けていく方針です」(警視庁担当記者)
汪楠は警察の取り調べに対し、「私にはまったく関係のないことです」と容疑を否認しているという。
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