渋谷“迷惑路上飲酒”「外国人」がコンビニ前を占拠!? ハロウィーン直前「パトロール隊」同行で見た夜の実態
「渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」
「NO EVENTS FOR HALLOWEEN ON SHIBUYA STREETS」
今、渋谷センター街を歩くと、この言葉が書かれた旗や看板をいたるところで見ることができる。
ハロウィーン期間にもっとも注目を集める渋谷駅周辺だが、そもそも路上飲酒が常態化しており、通行の妨げ、ポイ捨てによるゴミの散乱、騒音など、“街の秩序”を脅かす問題として深刻化している。
事態を重く見た渋谷区は、9月1日より毎晩、迷惑路上飲酒の自粛を要請するパトロールを無期限で実施中。ハロウィーンまで約1週間となった金曜日の夜、編集部はパトロール隊に同行して街を回った。
「外国人観光客」が多いと聞いていたが…
渋谷に到着した22時、街はすでに熱気を帯びていた。
パトロール隊によれば、「迷惑路上飲酒」はセンター街のみならず中央街、宮益坂など周辺にも広がっており、その日の状況や時間帯によって巡回場所を見極めているという。
しかし、どのエリアでも“もっとも盛んなスポット”だというのが「コンビニ前」。
「お酒を買えるのに加えて、『みんなやってるから』と罪悪感なく“置きゴミ”できる場所になってしまっています」(パトロール隊員)
センター街のコンビニへ向かうと、やはり店の前には、アルコールを手に談笑するグループが。一見すると外国人のようだが、パトロール隊員がここで飲酒しないよう注意すると、流ちょうな日本語で「はーい、わかりましたー」と返事をしていた。
上のコンビニから150メートルほど離れた別の店舗では、店の入り口にも、外壁沿いにも、アルコールを手に持った人の姿が確認できる。
パトロール隊が指摘していたように、店の入り口には“置きゴミ”が放置されていた。
街を歩いて実感したのは、外国人、特に欧米系の顔立ちをした人々の多さだ。パトロール隊員も、「外国人と日本人の割合は2:1くらいですね。だいたいは日本語が通じますが、そうでない場合は英語、スペイン語、ときどきフランス語で話しかけてくる人もいます」と言う。
近頃、多くの情報番組、報道番組で「外国人観光客」が興奮気味に路上飲酒を楽しむ様子が報じられている(海外では、路上飲酒が法律で禁止されている国は多い)。しかし実際に街を歩いてみると、明らかに旅行者だろうという人もいるものの、旅行者にしてはずいぶん軽装の「日本在住外国人」も多いのではという印象を受けた。
「週に何度も、何時間でも路上にいる人もいます。彼らにとっては『仲間に会うために路上にくる』という感覚なのでしょう」(前出・パトロール隊員)
パトロール隊の姿を見て逃げる人も
パトロール中、隊員が突然「私道」と書かれた看板の先へ入っていった。聞けば、パトロール隊が来たことを察知して路地の奥へ逃げ込んだ人がいるという。
パトロール隊に続いていくと、L字型の抜け道となっているこの路地の先には、たしかに人影が。
「この路地のように『入りやすく見えづらい』場所は、犯罪の温床にもなりやすいので、特に注意が必要です」(前出・パトロール隊員)
隊員の言葉に身構えたが、幸いこの日は犯罪に出くわすことはなかった。しかし私道を抜けた先の路地には、ゴミやタバコの吸い殻が“地獄絵図”のように散乱していた。
終電後の街には…
23時、24時と時間が回ってくると、徐々に終電を逃す人たちが出てくる。
「これからの時間帯は、路上に座り込む人たちがどんどん増えていきます。まだまだ夜は長いですよ」(前出・パトロール隊員)
そういうパトロール隊員たちは、翌朝7時まで見回りを続けるという。
注意されても聞こえないふりをする人、「自分だけじゃない」と開き直る人、おちょくったような態度を取る人など、はた目から見ていても不快な気持ちになる「迷惑路上飲酒者」はとても多かった。そんな人たちと根気強く向き合うパトロール隊員には、敬意を表さずにいられない。
毎晩のパトロールが始まって約2か月、少しずつではあるが、効果も見え始めているそうだ。
「以前は30~50人くらいの大集団が路上に居座っていたのですが、最近はそういった集まりは見なくなりました」(前出・パトロール隊員)
例年、ハロウィーンには普段渋谷に来ない人も大勢やってくる。期間中はパトロール隊員を増員するなど、見回りを一層強化するという。
「渋谷に行きたい」「渋谷が好きだ」という気持ちが少しでもあるのなら、街にとって「招かれざる者」にならないように振る舞うべきであろう。
※条例により、10月27日(金)~11月1日(水)は渋谷駅周辺での「路上飲酒」は禁止となる。
※記事内の画像はすべて弁護士JP編集部撮影
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