20代女性中心にねずみ講で「10億円以上」荒稼ぎ… 高級タワマン生活を謳歌した主犯格らが仕組んだ、あざとすぎる“自動集金システム“

弁護士JP編集部

弁護士JP編集部

20代女性中心にねずみ講で「10億円以上」荒稼ぎ… 高級タワマン生活を謳歌した主犯格らが仕組んだ、あざとすぎる“自動集金システム“
府警は昨年末から内偵を進め、男女7人を逮捕(でじたるらぶ / PIXTA)

「犯行グループは写真投稿型SNSを通じて高級ブランド品を所持する豪華な生活をアピールし、『副業で稼げる』『うちのサービスをアフェリエイトすれば、売り上げの一部が報酬として貰え、絶対に儲かる』との謳い文句で20代前半女性を勧誘していました。なかには初期費用に必要な50万円を消費者金融から借りることを促された女性も多数いたようです」(大阪府警担当記者)

ねずみ講で2165人から10億円超を荒稼ぎ

12月5日。大阪府警は令和4年4月下旬から令和5年6月中旬にかけ、多数のものを勧誘し、入会金を支払わせて先順位登録者に配当を支払うなどした〝無限連鎖講〟いわゆる〝ねずみ講〟を運営していたなどとして会社役員・垣内宏介(27)ら7人を無限連鎖講防止法違反容疑等で逮捕した――。垣内らは写真投稿型SNSを通じて47都道府県にまたがり、少なくとも2165人の会員から10億8250万円もの資金を集めていたという。

前出の記者が言う。 「事件発覚の端緒となったのは令和4年11月に大阪府警此花署に寄せられた20代女性からの相談でした。女性は『SNSでフォローされた人物から副業に興味ある人を勧誘し契約をとれば、最大で20万円を稼げる』などと誘われ、副業のノウハウを教えてもらうために初期費用50万円を支払ったなどと話していたそうです」

この女性は初期費用を支払ってしまったことが両親にばれてしまい警察署に相談したというが、同様の被害が全国に広がりを見せていたことから今年3月以降になって此花署は捜査を開始。(初期費用の支払い)口座を精査するなどの内偵捜査を進め、関係口座や関係者らへの捜査で垣内ら上位会員らを特定し逮捕に至った……。

 

あざとすぎる仕組みで、動かずに15万円超を稼ぎタワマン生活謳歌

「稼げる副業」と「高級ブランド品」をちらつかせて“釣る”だけでも十分あざといが、犯行グループはそこにさらに巧妙な仕組みを導入していた。

「初期費用支払い後に勧誘に成功すると最下位の『アフェリエイター』となり、勧誘者に副業について説明すると『アドバイザー』に昇格させるなど垣内らはピラミッド型のヒエラルキーで組織を運営していました。アフェリエイターには7万5000円、アドバイザーには12万5000円が報酬として支払われていました。ただ、垣内らが謳っていた副業のノウハウは〝転売で儲ける方法〟といった共有のPDFファイルのみで商品もなく、元を取り戻すには会員を勧誘し続けるしかありませんでした」(同前)

典型的なねずみ講のシステムだが、被害者の女性らは初期費用を支払い、解約しても少額しか返還がなされなかったため、自分より下を勧誘して稼ぐしかなかったという。なんとも狡猾な仕組みで、垣内はまんと“自動集金“を実現。下部会員が1人勧誘すると、動かざるとも懐に15万円~18万5000円が入ってくるようになっていたという……。

「荒稼ぎした金で垣内は名古屋市内の一等地にある高級タワーマンションに暮らしていました。警察は垣内らの組織性の全容解明を進めています」(前出の記者)

  • この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいて執筆しております。

編集部からのお願い

情報提供をお待ちしております

この記事をシェア