ミスコン出場、“ルフィ”一味の熊井ひとみ被告に「懲役2年」 の判決 共犯者との子どもを出産、今後は服役へ
「ルフィ」などと名乗る指示役たちが主導していた特殊詐欺グループで、フィリピンを拠点に「かけ子」をしていた熊井ひとみ被告(26)に対し、東京地裁は7日、懲役2年の実刑判決を言い渡した。
ミスコン、パパ活、闇バイト、妊娠
熊井被告は2019年、フィリピンから警察官を装って電話をかけ、東京都内の高齢者2人からキャッシュカードを盗み、現金約410万円をだまし取ったとして窃盗の罪に問われていた。
もともと“お嬢さま”だったという被告。その“転落”は、すでに多くのメディアが報じている通り。都内の美術大学に2浪して進学後、ミスコンへの出場をきっかけに学業がおろそかになり、パパ活、中退、そして闇バイトへと堕ちていった。
今年5月にフィリピンから日本へ強制送還されるや、元ミスコン出場者だけあってネットを中心に「かわいい」と注目を集めた。さらに、フィリピンでともに特殊詐欺にかかわり逮捕された交際相手との子どもを妊娠していることも明らかになり、世間を驚かせた。
熊井被告は日本への強制送還後、妊娠を理由に釈放。先月6日に東京地裁で行われた初公判の際にはすでに出産を終えており、「罪の意識を忘れないように」と老人ホームでボランティアを始めたと語った。子どもは都内の実家で両親とともに育てているが、いずれ交際相手と入籍し、2人で子どもを育てていきたいとも話した。
そんな被告に対し、検察は懲役4年を求刑していた。
判決の瞬間、熊井被告は…
判決が言い渡された7日、1人で入廷してきた熊井被告は白いシャツと上下黒のスーツに身を包んでいた。髪はひとつに結ばれており、さながら“就活生”のようないでたち。大きなマスクをしていたが、クリッとした目元が印象的だった。
証言台に立った被告は、まっすぐに伸ばした両腕をぴたりと体につけていた。緊張しているのか、冒頭に述べた“反省の言葉”は、たどたどしく幼さを感じさせる。判決言い渡しの間は終始うつむき、目を伏せていた。
今後、刑事施設に服役し罪を償うことになる熊井被告。日々成長していく幼いわが子の姿を見られないことは、どれだけ心苦しいだろう。
近年、社会問題として顕在化してきた「闇バイト」。参加するのは簡単だが、応募時に個人情報を登録させられており、「家族に危害を加える」などと脅されて抜け出すことは難しい。熊井被告も例外ではなかったという。
「高額バイト」「即日入金」「書類を受け取るだけ」などという甘い言葉の裏にあるのは、“捨て駒”というあまりに悲しい現実と、重い刑罰が待つ未来でしかない。
- この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいて執筆しております。
おすすめ記事