「誰の家なの?」「同居か?」 井戸田潤、大倉士門も苦悩…「過干渉な義母」にモヤモヤする“夫たち”
先月、タレントの大倉士門さんがテレビ番組で「義母が毎回同じマンション(の別部屋)に引っ越してくる」と発言し、同番組に出演していた井戸田潤さんも「義理のお母さんが言うことが絶対、前回の結婚はそれで失敗」と力説して話題となった。
嫁姑問題は昔からよく聞くが、夫側が「過干渉な義母」にモヤモヤを抱えているケースも少なくないと思われる。
共働き世帯が多い今、近くに住み家事・育児を手伝ってくれる親の存在はありがたいものだ。しかし新学期を控え、子どもの進級・進学をきっかけに義母を頼ろうと考えている人も多い今、思わぬ“義母問題”に直面する人もいるかもしれない。
「夫と義母」うまくいく人、いかない人の“違い”
夫が義母を「過干渉」と感じてしまうケースに共通点はあるのだろうか。数々の離婚問題と向き合ってきた安達里美弁護士は「“過干渉”と感じるラインは人それぞれなので定義できませんが…」とした上で、「客観的に見て『度を越えている母子関係の密着さ』が見られる場合は、トラブルになる可能性が多いのではないでしょうか」と指摘する。
「夫婦に子どもが生まれた場合、一般論として妻の実母が子育てをバックアップすることは、妻の心身の安定に寄与することが多いです。
これに対して夫が『自分も育児に参加したいけれど、どうしても限度がある。自分がまかないきれない部分を義母が手伝ってくれているおかげで妻が機嫌よく、心身を病まずに子育てできていて家庭・夫婦の円満が保たれている』と義母に感謝する心持ちになっている場合、義母との関係はうまくいくと思います。
ただ、夫が休日に自宅で子育てができる状態のときにも毎回義母が手伝いにやってくる、家族旅行に毎回義母がついてくる、夫が帰宅する時間に毎日義母が家にいて夕ご飯も食べていく…となれば、『誰の家なの?』『同居か?』と、うんざりするのではないでしょうか」
一方で、妻側からは“別の景色”が見えていることも少なくない。
「妻としては、夫がきちんと子育てに向き合わない(仕事が忙しくて物理的に向き合えないケースを含む)から、実母の手を借りざるを得ない状況になっているわけです。
夫が妻の実母にうんざりしていたとしても、『あなたが十分に育児に参加してくれれば、実母の関与を減らしたりなくしたりできるのよ!』『実母だって大変なのよ!』と思うかもしれません」(同前)
大前提は「一番優先するべきは今の家族」
安達弁護士は「結局、夫婦でどうコンセンサスを形成するかの問題」として、各家庭の状況などに応じて義母に「どこまで」「いつまで」お願いするのか、きちんと夫婦で話し合うべきだとする。
「それを行わずにいた場合、義母問題が離婚原因になっていくのは『嫁姑問題』と同じだと思います。
どちらにも共通するのは、一番優先するべきは今の家族(『親』ではなく『配偶者と子ども』)という大前提をはき違えてはならないということです。
さらに、毒親など明らかに縁を切ったほうがいいという場合でもない限り、自分の親も相手の親も尊重する、思いやりを持ち合う姿勢を持つことも大事なのではないでしょうか」
「迷惑」「うざい」は“下策”
夫と義母の問題について夫婦で意識を共有するコツとして、安達弁護士は「嫌だと感じることがあれば、我慢しないでとにかく『早めに』妻に話すべきです。そして、この際に重要なのは『伝え方』であって、『迷惑している』『うざい』といったテンションで話すのは下策でしょう」とアドバイスする。
具体的には、
・自分たち夫婦ふたり(と、いれば子ども)が今の家族なのだし、きちんと元の家族(親)から独立して暮らしていかなければならないこと
・大変なことを義母に助けてもらうのはありがたいと思うが、自分も協力するので、自分たちでできることは自分たちでやっていきたいこと
・もちろん義母も大事な家族ではあるので、大切にしたいと思っていること
を前提に「今、改善してほしい部分」について伝えることがポイントだという。
「たとえば毎日義母が夕食を食べていくのを改善してほしいと思っている場合は、『月2回にしよう』『僕が残業でいない日に限ろう』とか、毎回義母が旅行に同行することを改善してほしいということであれば、『義母が同行する回数を減らして、その代わり少し豪華にしようか』など、それぞれの夫婦での“着地点”を見つける作業を一緒にすることが大切なのではないでしょうか。
どのような問題であっても、夫婦のどちらかが一方的に我慢することは離婚原因になりかねません。その夫婦にとっての『程よい落としどころ』についてしっかり話し合うことが肝要で、それができない相手とは長くは続かないのだと思います。完全に意見が一致しない部分は『互譲の精神』が大切です」(同前)
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