交通事故の示談交渉の流れ、示談書の書き方【雛形ダウンロード可】
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1. 交通事故の示談交渉を始めるタイミングと注意点
交通事故の示談交渉を始めるタイミングと注意点を、物損事故・人身事故(けが)・死亡事故の3つに分けて解説します。
(1)物損事故の示談交渉を始めるタイミングと注意点
交通事故の示談交渉は、被害者に生じた損害額が確定した時点で開始します。
物損事故の場合は、修理費用の見積もりがそろった時点が示談交渉開始の目安です。ただし、修理費用以外に損害が生じていないか、気づいていなかったけがをしていないかなどは十分確認しましょう。
事故の相手方が修理費用などの賠償に応じない場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
(2)人身事故(けが)の示談交渉を始めるタイミングと注意点
死亡事故を除く人身事故の場合は、後遺症が残ったかどうかによって示談交渉開始のタイミングが異なります。
後遺症が残っていない場合は、医師から完治の診断を受けた後、準備が整ったタイミングで示談交渉を始めるのがよいでしょう。
後遺症が残った場合は、医師から症状固定の診断を受けた後、後遺障害等級の認定を受けてから示談交渉を始めます。
人身事故について請求できる損害賠償の項目は、多岐にわたります。漏れがないように、慎重に損害額を集計しましょう。
(3)死亡事故の示談交渉を始めるタイミングと注意点
死亡事故の示談交渉は、亡くなった被害者の身辺整理が済み、遺族としても気持ちが整理できた段階で始めましょう。決して急ぐ必要はありません。
四十九日法要を行う場合は、法要が済んだあたりの時期が示談交渉開始の目安です。
死亡事故の損害賠償は高額となるので、弁護士のサポートを受けながら損害賠償請求の準備を進めましょう。
2. 交通事故の示談交渉の手順
交通事故が発生してから示談が成立するまでの流れは、大まかに以下のとおりです。
(1)警察官への報告・証拠の確保・事故状況の整理
交通事故が発生したら、その事実や状況を警察官へ報告することが義務付けられています。
特に人身事故の場合は、警察官に報告すると実況見分が行われ、事故状況が実況見分調書に記録されます。実況見分調書は事故状況に関する客観的な証拠として役立つので、けがをした場合は必ず人身事故として報告しましょう。
実況見分調書以外にも、ドライブレコーダーの映像や目撃者の証言など、事故状況に関する証拠を確保します。そろった証拠に基づいて事故状況を整理し、示談交渉に備えましょう。
(2)けがの治療・後遺障害等級認定の申請
交通事故によってけがをした場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。その後は医師の指示に従って、けがが完治するか症状固定となるまで治療を続けます。医師の指示を無視して、自分だけの判断で通院をやめてはいけません。
けがが完治せず後遺症が残った場合は、後遺障害等級の認定を申請しましょう。認定される等級に従って、後遺障害慰謝料と逸失利益の損害賠償を請求できます。
後遺障害等級認定の申請方法は、加害者側の任意保険会社に任せる「事前認定」と、被害者が自ら加害者側の自賠責保険会社に申請する「被害者請求」の2種類があります。
適正な後遺障害等級の認定を受けるためには、弁護士のサポートを受けながら被害者請求を行うのがおすすめです。
(3)交通事故による損害の把握・集計
後遺症がない場合は完治の診断を受けた後、後遺症がある場合は後遺障害等級の認定を受けた後に、交通事故による損害をリストアップして金額を集計します。
被害者が加害者側に対して請求できる損害賠償の項目例は、以下のとおりです。漏れのないように損害をリストアップして集計しましょう。
(例)
<人身損害>
- 治療費
- 通院交通費
- 装具、器具等の購入費
- 付添費用
- 入院雑費
- 介護費用
- 入通院慰謝料
- 後遺障害慰謝料
- 死亡慰謝料
- 逸失利益
- 葬儀費用
など
<物的損害>
- 修理費(または買替費用)
- 代車費用
- 評価損
- 休車損害
- 動物の治療費
など
(4)示談交渉
損害の把握・集計が済んだら、加害者側との間で示談交渉を行います。加害者が任意保険に加入していれば保険会社、加入していなければ加害者本人が示談交渉の相手方です。
示談交渉では、被害者に生じた損害の額や、当事者間の過失割合などが主な争点となります。当事者双方が主張を提示し合い、必要に応じて譲歩しつつ合意を目指します。
なお、示談がまとまる見込みがなければ示談交渉を打ち切り、交通事故ADR(裁判外紛争解決手続き)や訴訟などへ移行します。
(5)示談書の内容確認・締結
被害者側と加害者側の間で合意が得られたら、その内容をまとめた示談書を作成します。
保険会社と示談交渉をした場合は、保険会社側が示談書を作成するケースが多いです。加害者本人と示談交渉をした場合は、話し合った上で当事者のうちいずれかが示談書を作成します。
示談書のドラフトが完成したら、その内容に問題がないか確認しましょう。問題なければ署名押印によって示談書を締結し、その内容に従って示談金(損害賠償金)の支払いを受けます。
3. 示談書の作成方法
交通事故の示談が成立した際には、被害者と加害者(または保険会社)の間で示談書を締結します。示談書の作成方法などを解説します。
(1)示談書とは
示談書とは、紛争(トラブル)の当事者間において、解決方法について合意した内容を記した文書です。
調印済みの示談書に記載された内容は、当事者を法的に拘束します。交通事故の場合、加害者(または保険会社)は被害者に対し、示談書に記載された金額および方法によって示談金を支払わなければなりません。
(2)示談書に記載すべきこと
示談書には、主に以下の事項を記載します。
①事故の内容
(例)
甲(被害者)および乙(加害者または保険会社)は、○年○月○日○時○分ごろに△△△△付近で発生した交通事故(以下「本件事故」という。)に関し、以下のとおり合意する。
②示談金額
(例)
乙は甲に対し、本件事故の損害賠償として金○○円(以下「示談金」という。)を支払う。
③示談金の支払期限・支払方法
(例)
示談金の支払期限は○年○月○日とし、示談金の支払方法は、甲が指定する預貯金口座への振り込みとする。
④清算条項
(例)
甲および乙は、本件事故に関し、本書に定めるものを除き、甲乙間に何らの債権債務関係がないことを確認する。
示談書は、明確な文言で疑義の内容に記載することが大切です。示談書の作成方法やチェックポイントが分からないときは、弁護士に相談することをおすすめします。
4. 交通事故示談書の雛形ダウンロード
以下、交通事故示談書の雛形となります。
- こちらに掲載されている情報は、2024年10月24日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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