弁護士からの受任拒否とは
1. 弁護士から依頼を断られる理由
弁護士が依頼を断る理由としては、以下の例が挙げられます。
(1)費用倒れの可能性が高い
弁護士費用を上回る経済的利益を得られない場合は、いわゆる「費用倒れ」となってしまいます。費用倒れの可能性が高い場合は、依頼者の不利益を避けるために、弁護士は受任を断るのが一般的です。
(2)勝てる見込みがない
依頼者の主張が不合理である、有力な証拠が確保できないなどの理由で、訴訟を提起しても勝てる見込みがない場合には、受任を断るケースが多いです。こちらも、依頼者の不利益を避けるための配慮といえるでしょう。
(3)対応できない・不得意な業務である
弁護士は法律全般の専門家であるとはいえ、それぞれ得意な業務と不得意な業務があります。知識や経験が少なく、きちんとした対応をする自信がない依頼については、受任を断る弁護士が多いです。
(4)利益相反(コンフリクト)がある
弁護士は法律上、別の依頼者や過去の依頼者などとの間で利益相反(コンフリクト)が生じる依頼を受けることができません(弁護士法第25条)。利益相反が認められた場合は、依頼を断られてしまいます。
(5)信頼関係が築けなかった
依頼者との間で信頼関係を築けなかったという理由で、弁護士が受任を断る場合もあります。弁護士と依頼者のコミュニケーションの行き違いや、依頼者側の不誠実な態度が原因であるケースが多いです。
2. 弁護士から依頼を断られないようにするための注意点
弁護士に受任を断られた理由が、費用倒れの可能性が高いから、または勝てる見込みがないからである場合は、他の弁護士に相談しても同じ結論となる可能性が高いです。複数の弁護士に相談して結論が変わらないようであれば、諦めるほかないでしょう。
利益相反を理由に受任を断られた場合は、別の弁護士に相談しましょう。利益相反の問題が解消され、依頼を受けてもらえることが多いです。
これに対して、不得意な(未対応の)業務であることを理由に断られることは、事前に得意分野をリサーチすることで、ある程度避けられます。たとえば労働問題であれば、労働案件を豊富に取り扱う弁護士に相談すれば、多くの場合は依頼を受けてもらえるでしょう。
実績豊富な弁護士を探すにあたっては、大手の法律事務所に相談する、インターネット上で検索するなどの方法が考えられます。
また、信頼関係不足を理由に断られることを避けるには、弁護士に対して、誠意をもって丁寧に接することが大切です。法律相談時に横柄な態度をとらないことや、うそをつかず正直に話をすることなどを心がけましょう。
- こちらに掲載されている情報は、2024年02月22日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。