リベンジポルノの相談窓口は?| 警察・弁護士・人権相談の対応
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1. リベンジポルノの被害を受けたときの相談窓口
リベンジポルノの被害に遭った場合、どこに相談をすればよいのでしょうか。以下では、リベンジポルノ被害の相談窓口の種類と選び方のポイントを説明します。
(1)リベンジポルノの被害の相談窓口の種類
リベンジポルノ被害を相談できる窓口には、以下のようなところがあります。
①警察:相手に刑事処分を望む場合
リベンジポルノは、リベンジポルノ防止法違反などの犯罪になるため、警察に相談することができます。犯人に対する刑事処分を希望するのであれば警察に相談するとよいでしょう。
②弁護士:相手への損害賠償請求をしたいときの相談先
リベンジポルノの投稿者に対する法的責任追及を希望する場合には、弁護士に相談しましょう。弁護士であれば、リベンジポルノの投稿の削除請求、発信者情報開示請求、損害賠償請求などの手続きを行うことができます。
③人権相談窓口:被害に関する不安などの相談先
リベンジポルノへの対応を無料で相談したいという場合には、法務省の人権相談窓口を利用するとよいでしょう。専門の相談員がリベンジポルノへの対処法をアドバイスしてくれます。
④その他の窓口(動画・画像の削除相談 他)
リベンジポルノの削除依頼に対応できる相談窓口には、以下のようなところがあります。
- インターネットホットラインセンター
- セーファーインターネット協会
また、各自治体でも相談窓口を設けているところもあるので、お住いの自治体に確認してみましょう。
(2)相談先の選び方のポイント
リベンジポルノの相談をする際には、以下のようなポイントを踏まえて相談先を選択するとよいでしょう。
①相談内容に合った専門性
リベンジポルノの相談をする際には、相談先にどのような対応を求めるかを明確にすることが大切です。相談先によって対応できる分野や専門性が異なるため、拡散を止めたい、法的措置、精神的なケアなど、自分が求める内容に合った相談窓口を選びましょう。
②相談のしやすさ(相談員の性別や相談方法、費用など)
リベンジポルノは、とてもデリケートな問題であるため、“相談のしやすさ”も相談先選びの重要なポイントになります。相談員の性別や相談方法(面談、メール、電話など)、費用など被害者にとって負担にならない方法で相談できるところを選ぶとよいでしょう。
2. 警察への相談|メリット・デメリットと相談手順
以下では、リベンジポルノの被害を警察に相談するメリット・デメリットと相談手順を説明します。
(1)警察に相談するメリット
警察に相談するメリットは、リベンジポルノの犯人を検挙してもらうことができるという点です。また、リベンジポルノ防止法違反となる場合は、警察から犯人に対して画像や動画の削除を促してもらえる可能性もあります。
なお、リベンジポルノ防止法違反の罪は、親告罪にあたります。そのため、犯人の処罰を希望する場合は、被害者による告訴が必要になります。
(2)警察に相談するデメリット
警察に相談したとしても必ずしも刑事責任を追及できるとは限りません。被害者も捜査に協力しなければならず、詳しく事情を聞かれれば精神的な負担が生じます。また、明確な証拠がなければ対応してくれない可能性もあります。
(3)警察への相談手順
リベンジポルノに関する警察への一般的な相談は、以下の電話相談を利用することができます。
- 全国共通の警察相談専用ダイヤル|#9110
- 全国共通の性犯罪者被害相談ダイヤル|#8103(ハートさん)
個別事件の相談をするには、最寄りの警察署に事前に連絡して、直接担当者と相談するとよいでしょう。
3. 弁護士への相談|メリット・デメリットと相談手順
以下では、リベンジポルノの被害を弁護士に相談するメリット・デメリットと相談手順を説明します。
(1)弁護士に相談するメリット
弁護士にリベンジポルノの相談をするメリットとしては、以下の点が挙げられます。
①警察に被害申告するためのサポートを受けられる
リベンジポルノ防止法違反で犯人を処罰してもらうためには、被害者による告訴が必要になります。告訴は、警察署に告訴状を提出して行うことになりますが、告訴状の作成や提出などの手続きは、一般の方では対応が難しいといえます。
弁護士に依頼をすれば、犯人の処罰に必要な告訴のサポートをしてくれるので、警察にも早期に捜査に着手してもらえるでしょう。
②リベンジポルノの投稿者を特定できる
リベンジポルノの投稿者に対して責任追及をするには、まずは投稿者の特定が必要になります。リベンジポルノの投稿者を特定するには、発信者情報開示請求という手続きを行うことになりますが、仮処分や訴訟などの法的手続きが必要なため、一般の方では対応が難しいといえます。
弁護士に依頼すれば、発信者情報開示請求の手続きを一任でき、スムーズにリベンジポルノの投稿者を特定することができます。
③リベンジポルノの投稿者に対する損害賠償請求のサポートが受けられる
リベンジポルノの投稿者が特定できたら、当該投稿者に対して慰謝料の支払いを求めていくことになります。
弁護士に依頼すれば、代理人として投稿者との交渉や損害賠償請求訴訟に対応してくれるため、被害者の負担はほとんどありません。
(2)弁護士に相談するデメリット
弁護士に相談するデメリットとしては、弁護士費用がかかるという点です。ただし、リベンジポルノを放置していると被害者には回復困難な損害が生じてしまいますので、費用をかけてでも対応した方がよいでしょう。
なお、事案によっては弁護士に依頼したとしても希望どおりの結果にならないこともあります。
(3)弁護士への相談手順
弁護士への相談は、以下のような手順で行います。
①法律事務所に連絡して相談予約を入れる
弁護士への相談は、基本的には予約制となっています。事前に営業時間内に法律事務所に連絡して、相談の予約を入れてください。
②予約日に法律事務所に赴いて弁護士と面談相談
相談予約をした日時に法律事務所に赴いて弁護士と面談相談を実施します。
その際には、リベンジポルノが掲載されたSNSやWebサイトなどがわかる資料を持参するようにしましょう。
③正式依頼
弁護士から説明を受けた方針や費用に納得ができたら、正式に依頼を行います。依頼を受けた弁護士は、方針に従って事件の処理に着手します。
(4)リベンジポルノでの弁護士費用の相場
リベンジポルノを弁護士に相談・依頼した場合の費用相場は、以下のとおりです。
①相談料
相談料とは、弁護士に相談をした場合に発生する費用です。相談料は、1時間あたり1万円が相場ですが、無料相談を実施している法律事務所もあります。
②着手金
着手金とは、弁護士に事件の依頼をした場合に発生する費用です。着手金の相場は、どのような処理(削除請求、発信者情報開示請求、損害賠償請求など)を依頼するかによって、以下のように異なります。
【削除請求】 | |
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任意の削除請求 | 5~10万円程度 |
裁判手続きによる削除請求 | 20~30万円程度 |
【発信者情報開示請求】 | |
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任意の発信者情報開示請求 | 5~10万円程度 |
裁判手続きによる発信者情報開示請求 | 20~30万円程度 |
③報酬金
報酬金とは、弁護士に依頼した事件が解決した場合に発生する費用です。着手金と同様にどのような処理を依頼したかによって報酬金の相場は以下のように異なります。
【削除請求】 | |
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任意の削除請求 | 5~10万円程度 |
裁判手続きによる削除請求 | 15~20万円程度 |
【発信者情報開示請求】 | |
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任意および裁判手続きにより発信者情報開示請求 | 10~20万円程度 |
4. 人権相談窓口の相談|メリット・デメリットと相談手順
以下では、リベンジポルノの被害を人権相談窓口に相談するメリット・デメリットと相談手順を説明します。
(1)人権相談窓口に相談するメリット
人権相談窓口に相談するメリットとしては、以下の点が挙げられます。
- 費用がかからない
- 専門家のアドバイスがもらえる
- 関係機関との連携がある
- 精神的な支援をしてもらえる
(2)人権相談窓口に相談するデメリット
人権相談窓口に相談するデメリットとしては、以下の点が挙げられます。
- 法的拘束力がない
- 相談者によっては専門性が高くない
- 解決までに時間がかかる
リベンジポルノへの対処法をアドバイスしてもらう際には有効ですが、実際の対応は被害者自身が行わなければなりません。自分で対応するのが不安なときは弁護士に相談するのがおすすめです。
(3)人権相談窓口への相談手順
人権相談窓口への相談は、インターネットで受付をしています。
法務省のインターネット人権相談受付窓口にアクセスし、相談フォームに必要事項を記入して送信すると、後日最寄りの法務局からメールまたは電話で回答をしてもらえます。
なお、法務局における人権相談の受付時間は、平日8時30分から17時15分までです。
- こちらに掲載されている情報は、2024年10月10日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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