【相続税対策】不動産を活用して相続税を節税する方法

  • (更新:2024年09月19日)
  • 遺産相続
弁護士JP編集部 弁護士JP編集部
【相続税対策】不動産を活用して相続税を節税する方法

不動産を効果的に活用すると、相続税の負担を軽減できることがあります。

1. 相続税対策に不動産の活用が有効である理由

不動産を活用すると相続税を軽減できることがあるのは、以下の理由によります。

(1)相続税評価額を抑えられるため

現金や預貯金に余裕がある場合は、そのお金を使って不動産投資を行うと、相続税評価額を抑えられる傾向にあります。

立地などによりますが、土地については購入価格の7割から8割程度、建物については建築費の5割程度に相続税評価額を抑えられることが多いです。

相続財産をトータルした相続税評価額が低くなれば、相続税の金額も減るため、節税につながります。

(2)小規模宅地等の特例を利用できるため

一定の要件を満たす土地については、相続税の申告にあたって「小規模宅地等の特例」の適用を受けることができます。

小規模宅地等の特例は、一定の面積までの土地につき、相続税評価額を最大80%減額できる特例です。うまく活用すれば、大幅な相続税の節税効果を得ることができます。

小規模宅地等の特例については、以下のページをご参照ください。

小規模宅地等の特例とは? 土地の評価額を最大80%抑えられる条件

2. 相続税計算における不動産の評価方法

建物および土地の相続税評価額は、以下の方法によって計算します。

(1)建物の相続税評価額

建物の相続税評価額は、その建物の固定資産税評価額です。固定資産税評価額は、市区町村役場に保存されている固定資産課税台帳を閲覧する方法などで確認できます。

(2)土地の相続税評価額

土地の相続税評価額は、「路線価方式」または「倍率方式」によって計算します。

市街地や都市部などの路線価が定められている地域では、路線価方式によって土地の相続税評価額が決まります。

路線価方式では、原則として「路線価×土地面積」で相続税評価額を計算します。ただし、土地の形状によっては相続税評価額が補正されることもあります。

路線価が定められていない地域では、倍率方式によって土地の相続税評価額が決まります。

倍率方式では「固定資産税評価額×評価倍率」で相続税評価額を計算します。

路線価および評価倍率については、国税庁ウェブサイトの以下のページで確認できます。

参考:国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」

3. 不動産を活用した相続税対策

不動産を活用した相続税対策の具体例を紹介します。また、併せて以下のページもご参照ください。

相続税対策のアパート経営で失敗しないための基礎知識

(1)所有地に賃貸物件を建てる

更地に比べて、建物が建っている土地は相続税評価額が低くなります。また、お金を使って建物を建てれば、相続税評価額を建築費の5割前後に抑えられます。

したがって、所有地が更地になっている場合は、そこに賃貸物件を建てれば、遺産全体の相続税評価額を減らすことができます。

(2)借り入れをして不動産を購入する

手元にお金がない場合でも、借り入れをして不動産を購入すれば、相続税の節税につながることがあります。

不動産を購入した時点で、購入価格に比べて相続税評価額を抑えることができます。その一方で、借り入れた債務の額は相続財産全体の評価額から控除されるため、相続税額を減らすことができます。

(3)不動産賃貸業を法人化する

所有している不動産を法人に対して譲渡すれば、その不動産は相続の対象から除外されます。

その代わりに法人の株式や持ち分が相続の対象となりますが、不動産の相続税評価額よりも株式・持ち分の相続税評価額が低くなる場合は、相続税の節税につながります。

ただし、法人の株式や持ち分の相続税評価額の計算は複雑なので、税理士に相談しましょう。

(4)不動産を買い替える

不動産の活用によってどの程度の相続税の節税効果が得られるかは、不動産の状態や利用状況などによって異なります。

大きな節税効果が期待できない不動産を所有している場合は、売却して節税効果が高い不動産に買い替えれば、相続税を軽減できる可能性があります。

また、買い替えによって新たに小規模宅地等の特例を利用できるようになれば、大幅な節税効果が期待できるでしょう。

ただし、不動産の買い替えによる相続対策の効果がどの程度得られるのかについては、専門的な分析が必要となりますので、税理士に相談することをおすすめします。

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