後遺障害のFAQ(よくある質問)
- (更新:2024年11月21日)
- 交通事故
交通事故で後遺症が生じると後遺障害等級申請などの手続きが必要になりますが、専門的な用語が多くわからないことも多いと思います。
そのような方に向けて後遺障害のよくある質問を1問1答形式でまとめましたので参考にしてみてください。
1. 後遺障害等級認定の申請・手続きについてのFAQ
(1)後遺障害等級認はなぜ申請する必要があるのですか?
後遺障害等級認定がされると、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益を請求することができます。後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益は、交通事故の賠償金の項目の中でも特に金額の大きいものになりますので、等級認定の有無により賠償額が大きく変動します。
このように後遺障害等級認定は、適正な賠償金の支払いを受けるために必要な手続きになります。
(2)後遺障害等級認定を受けるにはどうすれば良いですか?
後遺障害等級認定を受けるには、後遺障害等級申請を行う必要があります。
後遺障害等級申請の方法には、事前認定と被害者請求の2種類の方法があります。
事前認定は、加害者側の任意保険会社にすべて任せる方法で、被害者請求は、被害者自身で書類の収集・作成などを行う方法です。
(3)申請手続きは自分自身でもできますか?
後遺障害等級申請の手続きを被害者自身で行うことは可能です。
このような手続きを「被害者請求」といい、申請時の資料などを被害者自身でコントロールできますので、適正な後遺障害等級認定の獲得を目指すなら被害者請求による方法がおすすめです。
(4)後遺障害等級認定の申請期限はありますか?
後遺障害等級認定には、症状固定から3年という申請期限があります。申請期限を経過してしまうと、自賠責保険に保険金を請求することができなくなってしまうので、早めに手続きを行うようにしましょう。
2. 後遺障害等級認定についてのFAQ
(1)後遺障害等級は誰がどのように決めますか?
後遺障害等級は、損害保険料算出機構の自賠責保険調査事務所により判断されます。
自賠責保険調査事務所では、後遺障害等級申請の際に提出された書面に基づいて、後遺障害の有無および等級を審査します。
(2)等級認定の基準は、自賠責保険と労災保険で違いますか?
はい。等級認定の基準は、自賠責保険と労災保険で異なります。
自賠責保険では、基本的には労災保険の認定基準に準拠していますが、自賠責保険と労災保険とでは、制度趣旨、審査主体、審査方法などが異なりますので、両者で異なる判断が出ることもあります。
(3)以前認定を受けた部位の再認定は可能ですか?
過去に後遺障害等級認定を受けた部位について、交通事故で再び受傷したとしても、原則として同一部位の再認定を受けることはできません。
しかし、以下のようなケースであれば例外的に同一部位の再認定を受けることができます。
- 2回目の交通事故で当該部位の障害が重くなった場合
- 受傷部位が同じでも症状が異なる場合
(4)後遺障害等級認定に納得がいかない場合はどうすれば良いですか?
後遺障害等級認定に納得がいかない場合は、異議申立てをすることにより、当初の等級認定結果を覆せる可能性があります。
ただし、前回の申請時から提出資料に変更がなければ、認定結果は変わりませんので、等級変更を希望するなら新たな資料の提出が必要になります。
(5)審査請求と異議申し立ての違いは何ですか?
自賠責保険の後遺障害等級認定の結果に不服がある場合に行うのが「異議申し立て」で、労災の障害等級認定の結果に不服がある場合に行うのが「審査請求」です。
3. 後遺障害の補償・損害賠償についてのFAQ
(1)後遺障害等級認定を受けると、どんなメリットがありますか?
後遺障害等級認定を受けると後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益を請求することができます。後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益は、交通事故の賠償金の中でも大部分を占めるものになりますので、後遺障害等級認定が受けられれば賠償額を大幅に増額することができます。
(2)等級によって受け取れる金額はどのくらい違いますか?
後遺障害等級には1級から14級まであり、具体的な金額は、後遺障害の程度や事故状況によって異なります。たとえば、弁護士基準による後遺障害慰謝料であれば、2800万円(1級)から110万円(14級)までの違いがあります。
(3)後遺障害慰謝料とは何ですか?
後遺障害慰謝料とは、交通事故で後遺障害が生じたことにより受けた精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。
後遺障害慰謝料は、認定された後遺障害等級により金額が変動し、上位の等級になればなるほど後遺障害慰謝料の金額は高額になります。
(4)逸失利益とは何ですか?
逸失利益とは、交通事故に遭わなければ本来得られたはずの収入をいいます。交通事故により後遺障害が生じると、労働能力が制限されてしまいますので、それにより収入の減少が発生します。逸失利益は、このような将来の減収分を補う賠償金になります。
(5)保険会社から提示された金額が適正か不安です。
保険会社から提示された金額は、必ずしも被害者に有利な金額とは限りません。また、一度示談をしてしまうと、後から不利な内容だと気付いても示談のやり直しをすることはできません。
そのため、保険会社から提示された金額が適正であるかを判断するためにも、示談をする前に、専門家である弁護士に相談するようにしましょう。
4. その他のFAQ
(1)後遺障害診断書は、どの病院で作成してもらえば良いですか?
後遺障害診断書は、交通事故の治療を行った病院で作成してもらいましょう。症状によって別々の病院に通っているような場合には、症状ごとに後遺障害診断書を作成する必要がありますので、各病院に作成を依頼してください。
(2)セカンドオピニオンは必要ですか?
交通事故の治療において、セカンドオピニオンは必須ではありません。しかし、より適切な判断材料を得るために必要なケースもありますので、そのようなケースではセカンドオピニオンを検討してもよいでしょう。
(3)弁護士に依頼するメリットは何ですか?
交通事故の事案を弁護士に依頼すると、以下のようなメリットがあります。
- 手続きの代行
- 保険会社との交渉
- 慰謝料の増額が期待できる
- 訴訟手続きを任せられる
適正な賠償金を獲得するには弁護士のアドバイスやサポートが不可欠となりますので、早めに弁護士に依頼するのがおすすめです。
(4)弁護士費用はいくらかかりますか?
交通事故の弁護士費用の内訳には、相談料・着手金・報酬金などがあり、実際の費用は、依頼する法律事務所によって異なります。一般的な弁護士費用の相場としては、以下のとおりです。
- 相談料……1時間あたり1万円
- 着手金……経済的利益(請求する賠償額)の8%
- 報酬金……経済的利益(支払いを受けた賠償額)の16%
交通事故問題に弁護士は必要? 相談するメリットと弁護士費用の相場
(5)弁護士へは無料相談はできますか?
弁護士への法律相談は、原則として有料となっています。
もっとも、交通事故に関する法律相談については、無料相談を実施している法律事務所もありますので、無料相談を希望する場合には、そのような法律事務所を探してみるとよいでしょう。
- こちらに掲載されている情報は、2024年11月21日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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