債権回収会社とは? 手紙が届いたらどうすればいい?

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弁護士JP編集部 弁護士JP編集部
債権回収会社とは? 手紙が届いたらどうすればいい?

債権回収会社は、貸金債権などの回収を専門的に取り扱う事業者です。
債権回収会社から手紙(通知)が届いたら、無視せずに未払いの借金などの有無を確認し、もしあれば速やかに支払いましょう。支払いが難しい場合には、弁護士にご相談ください。

1. 債権回収会社(サービサー)とは

債権回収会社は怪しい会社ではなく、法律に基づいて債権回収業務を行っています。債権回収会社から連絡が来たら、反社会的勢力などと混同して無視するのではなく、きちんと対応しなければなりません。

(1)債権回収会社=債権管理回収業の許可を受けた会社

債権回収会社は、サービサー法(正式名称:債権管理回収業に関する特別措置法)に基づいて債権管理回収業の許可を受けた会社です。
金融機関などに代わって、貸付債権などの回収業務を合法的に行っています。

(2)債権回収会社が回収できる債権の種類

債権回収会社が回収できるのは、「特定金銭債権」に該当する債権に限られています。

特定金銭債権に当たるのは、金融機関や貸金業者が有する貸付債権などです。
これに対して、個人間の貸し借りに係る貸付債権や、売掛金債権などは特定金銭債権に当たらないため、債権回収会社が回収を行うことはできません。

(3)主な債権回収会社

債権回収会社の許可を受けている会社は、法務省のウェブサイトで公表されています。
参考:「債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧」(法務省)

(例)

  • 日本債権回収株式会社
  • アビリオ債権回収株式会社
  • ニッテレ債権回収株式会社
  • SMBC債権回収株式会社
  • オリックス債権回収株式会社
  • エー・シー・エス債権管理回収株式会社
  • エム・ユー・フロンティア債権回収株式会社
  • セゾン債権回収株式会社
  • 三菱HCキャピタル債権回収株式会社
  • アイ・アール債権回収株式会社

など

※令和6年3月1日現在において72社

2. 債権回収会社から手紙が届く理由とは?無視したらどうなる?

借金などの支払いを滞納していると、債権回収会社から手紙が届くことがあります。
債権回収会社からの手紙を無視していると、最終的には強制執行により財産を失ってしまうので注意が必要です。

(1)債権回収会社から手紙が届く理由

債権回収会社は、金融機関や貸金業者などの債権者から依頼(または債権譲渡)を受けて債権回収を行っています。
したがって、債権回収会社から手紙が届いた場合には、金融機関や貸金業者からの借金の返済を滞納している可能性が高いです。

なお、債権回収会社の代理人である弁護士から手紙が届くケースもあります。
この場合も、債権回収会社から直接手紙が届く場合と同じく、何らかの借金の滞納が生じている可能性が高いでしょう。

(2)債権回収会社からの手紙を無視したらどうなる?

債権回収会社からの手紙を無視し続けると、滞納期間に応じた遅延損害金が発生し続けます。

さらに債権回収会社は、裁判所に対する支払督促の申立てや、訴訟の提起を行う可能性が高いです。
支払督促や訴訟の判決によって借金の返済義務の存在が確定すると、強制執行によって債務者の財産が差し押さえられてしまいます。

強制執行が行われると、債務者の生活に大きな悪影響が生じます。債権回収会社からの手紙が届いたら、無視せず適切に対応しましょう。

3. 債権回収会社から手紙が届いた場合の対処法

債権回収会社から手紙が届いたら、以下の対応を行いましょう。

  1. 未払いの借金の有無を確認する|架空請求の場合もあるので要注意
  2. 時効が完成しているかどうかを確認する
  3. 支払える場合はすぐに支払う
  4. 支払えない場合は弁護士に相談を

(1)未払いの借金の有無を確認する|架空請求の場合もあるので要注意

まずは、未払いの借金の有無を把握して、債権回収会社からの連絡内容が正当なものであるか否かを確認しましょう。
借り入れをしている銀行や貸金業者などに連絡すれば、借金の滞納の有無などを教えてもらえます。

なお、実在の債権回収会社の名称を騙った架空請求詐欺も横行しています。架空請求に対して支払う義務はないので、借金の滞納の有無を正しく把握した上で対応しましょう。

(2)時効が完成しているかどうかを確認する

貸金返還請求権は、以下の期間が経過すると時効により消滅します。

<2020年3月31日以前に発生した債権>

請求できる時から10年

<2020年3月31日以降に発生した債権>

以下のうちいずれか早く経過する期間

  • 請求できることを知った時から5年
  • 請求できる時から10年

すでに時効が完成している借金については、返済する義務がありません。債権回収会社から返済を請求されている借金につき、時効が完成していないかどうかを確認しましょう。

(3)支払える場合はすぐに支払う

滞納中の借金を支払う余裕がある場合には、すぐに一括で支払いを済ませるべきです。取り立てや差し押さえなどのトラブルへの発展を防げます。
手元に返済資金がない場合は、家族などに助けを求めることも検討しましょう。

(4)支払えない場合は弁護士に相談を

滞納中の借金をすぐに支払えない場合は、債権回収会社に連絡をして分割払いなどの交渉を行うことが考えられます。ただし、債務者自身が交渉を行うと、不利な返済条件に同意してしまうリスクがあるので注意が必要です。

債権回収会社との交渉を行う際には、事前に弁護士へ相談しましょう。弁護士に対応を依頼すれば、適切な返済条件を取り決めることができますし、万が一訴訟などに発展した際にも安心です。
債権回収会社から手紙が届いた場合には、お早めに弁護士へご相談ください。

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法的トラブルの解決につながるオリジナル記事を、弁護士監修のもとで発信している編集部です。法律の観点から様々なジャンルのお悩みをサポートしていきます。

  • こちらに掲載されている情報は、2024年05月20日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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