消費者金融(サラ金)とは? ヤミ金や銀行カードローンとの違いを解説
- 借金・債務整理
1. 消費者金融(サラ金)とは
「消費者金融」とは、主に個人向けの小口融資を行う貸金業者です。サラリーマン(会社員)の利用者が多いことから、「サラ金(サラリーマン金融)」と呼ばれることもあります。
(1)消費者金融に対する主な法規制
消費者金融は、貸金業者としての登録を受けたうえで営業しており、貸金業法に基づく規制を受けます。
さらに、金利の設定に関しては出資法や利息制限法の規制を受けるなど、消費者金融の利用者を保護するためのさまざまなルールが設けられています。
(2)かつての「グレーゾーン金利」は撤廃済み|現在は比較的安心して利用できる
消費者金融は、過去に利息制限法の上限利率(15~20%)を超える「グレーゾーン金利」による貸付けを行っていました。
そのため、消費者金融に対して「金利が高すぎる」「悪質な商売をしている」などのイメージを持っている方が多いかもしれません。
しかし、2010年に施行された改正貸金業法等によって、グレーゾーン金利による貸付けは法的に禁止されました。
現在では、消費者金融は利息制限法の範囲内の利率で貸付けを行っており、比較的安心して利用できるようになっています。
(3)消費者金融の利用条件
消費者金融を利用できるのは、一定以上の年齢に達した方のみです。多くの消費者金融では20歳以上を利用条件としていますが、18歳以上としているところもあります。
また、消費者金融の利用者に対しては融資審査が行われるため、基本的には安定した収入があることが利用条件となります。
過去に債務整理を行った場合は、その後5年から7年程度の間、消費者金融を利用できなくなるケースが多いです。
(4)消費者金融を利用するメリット
消費者金融を利用することのメリットとしては、以下の各点が挙げられます。
- 銀行のローンなどに比べると、融資審査に通りやすい
- 無担保である
- 返済方法を柔軟に設定できる
- 貸金業法によって規制されているため、無理な取り立ては行われない
など
(5)消費者金融を利用するデメリット
これに対して、消費者金融を利用することには、以下のデメリットがあります。特に金利が高い点は大きなデメリットで、高金利の支払いが困難となって自己破産に追い込まれてしまう方が少なくありません。
- 金利が高い(利息制限法の上限付近)
- 年収の3分の1までしか借りられない(総量規制)
- 審査が緩やかなため、借り過ぎてしまう人が多い
など
2. 消費者金融と類似業者の違い
債務の支払いに苦しむ方の中には、消費者金融以外にも、以下のような業者から融資などを受けている方がよく見られます。
- 銀行カードローン
- ヤミ金
- 信販会社(クレジット会社)
(1)消費者金融と銀行カードローンの違い
銀行カードローンは、銀行が行っている個人向けの小口融資です。
消費者金融と銀行カードローンの大きな違いは、運営会社が取得している許認可の種類です。消費者金融は貸金業の登録、銀行カードローンは銀行業の免許に基づいて運営されています。
契約条件に関しては、銀行カードローンの方が消費者金融よりも審査が厳しい反面、金利は低く抑えられる傾向にあります。
(2)消費者金融とヤミ金の違い
いわゆる「ヤミ金」とは、違法な貸付けを行う金融業者の総称です。
利息制限法の上限を超過する金利で貸付けを行っている業者や、貸金業の登録を受けずに貸付けを行っている業者などがヤミ金に当たります。
消費者金融は、必要な貸金業の登録を受けて適法に貸付けを行っているのに対して、ヤミ金は無登録の違法業者であるという違いがあります。
(3)消費者金融と信販会社(クレジット会社)の違い
信販会社(クレジット会社)は、商品やサービスの代金を立替払いした上で、後で利用者に対して請求する「販売信用」を行っている会社です。
販売信用の機能は貸付けに類似しているものの、法的には貸付けに当たらないため、消費者金融とは異なり貸金業法の規制は適用されません。その一方で、信販会社には割賦販売法の規制が適用されます。
3. 消費者金融を利用する際の注意点
消費者金融を利用する際には、特に以下の各点に十分注意しましょう。
- 消費者金融を装ったヤミ金に要注意
- 事前に返済計画を立てる
- 返済が遅れた場合のリスクに留意する
(1)消費者金融を装ったヤミ金に要注意
適法に貸金業を営む消費者金融を装っているものの、実際には違法なヤミ金だったという被害事例が多数報告されています。
ヤミ金の特徴のひとつは、違法な高金利による貸付けを行っている点です。下表の利息制限法の上限を超える金利での貸付けを提案された場合は、ヤミ金の可能性を疑いましょう。
元本額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年20% |
10万円以上100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
また、貸金業の登録を受けずに貸付けを行っている業者も、違法なヤミ金に当たります。
登録貸金業者は、金融庁のウェブサイト上で確認できます。見知らぬ業者から貸付けを提案された場合には、貸金業の登録を受けているかどうかを確認しましょう。
(2)事前に返済計画を立てる
消費者金融からお金を借り過ぎてしまうと、高金利の支払いが大きな負担となり、自己破産に追い込まれてしまうリスクが高まります。
消費者金融の利用申し込みに当たっては、ご自身の収支のバランスを考慮したうえで、借入れ(借り入れ)を完済できるような返済計画をあらかじめ立てておきましょう。
(3)返済が遅れた場合のリスクに留意する
消費者金融からの借金の返済が遅れると、遅延損害金が発生して債務負担が重くなるほか、信用情報に傷がついてしまい、ローンやクレジットカードなどが利用できなくなります。
これらのリスクを回避するため、消費者金融の利用は計画的に行いましょう。
どうしても消費者金融からの借金が返せない場合には、弁護士に依頼して債務整理を行うことが解決策となります。借金返済が困難になってしまったら、お早めに弁護士へご相談ください。
- こちらに掲載されている情報は、2024年05月20日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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